ツアーコンダクターに向いている人・向いてない人の特徴とは
私は大手旅行会社3社で国内と海外のツアーコンダクターと、インバウンドの添乗にも従事しました。
コロナ過以前の職歴でしたが読者の参考になると思われることは沢山あると思います。
添乗業務に関係することの向き不向きなど、経験を基に私なりの視点で思い当たることをピックアップしました。
読者にとってツアーコンダクターを目指す判断や、気持ちの準備になれたら幸いです。
実際に旅行する人
「旅行がものすごく好きなんだけど時間が取れなくて年に1回」という人よりも
「旅行は普通だけど機会があって年に10回行く」という人の方が向いていると私は思います。
好き感情も大事ですが、それよりも実際の行動経験の方がいろんな意味でツアコンには役立つと思うのです。
ツアコンの仕事では全然興味無い内容のツアーを任されることもあります。
旅行の要素には非日常的な体験が含まれているので楽しみやそうで無いこともあります。
そういった経験の蓄積は、自分のツアーをどうしたらいいのか、という考えの助けになります。
計画を立てるのが好きな人
プライベートの旅行などでもスケジュールを自分で作りあげるのが得意な人は向いています。
自分でイメージして旅行などの計画を立てられる人は、ツアコンになったあとも旅行の行程書を読んだ段階でそのツアーをイメージすることが容易だからです。
例をあげると
- 時系列での段取り
- 予測されるリスクや幸運
- いつ誰がどうなる可能性があるか
など頭の中で詳細にイメージするスキルは結構大切です。
大きな声を出せる人
添乗員の話し言葉をツアー参加者が聞き取れるという単純なことがとても大切です。
全員を前にしての案内は当然ですが、特に大勢の人前でも恥ずかしがらずに参加者の為にそれができる人は向いています。
間違った方向へ歩いている参加者に向かって「鈴木さーん、こっちで~す!」とか、目の前の危険に「あぶな~い!」と叫ぶこともあります。
ここ大事というときの大声は一つのスキル同様ですね。
しかし大きな声を出せなくてもある程度の添乗はできます。
様々な価値観が分かる人
旅行の要素の中には、離れた土地で異なる文化を体験することもあります。
旅行先で現地の料理を食べたり、人の習慣を見たり、気候を感じたりなど、五感で感じることって旅の醍醐味ですよね。
そこでツアーコンダクター自身の価値観はいったん横に置き、異なる価値観を受け入れられる人は向いています。
なぜならそれをツアー参加者と共有することができて楽しくなるからです。
体力のある人
特に持久力です。歩くし、走るし、階段も登るし、重い物も持つし、睡眠時間も短かったりします。
過去に基礎疾患のある添乗員がツアー中の業務に大きな影響を及ぼしたという例もいくつかありました。
ただ一言、体力は添乗力を支えます。
解決策を考えるのが得意な人
ツアーの行程については指示書がありますのでそれらに沿って進めます。
そして実際のツアー中は、そのためにどうしたらいいのかを考えなければならない状況は多いです。
簡単な例は
・レストランのテーブルの大きさによって参加者の席をどう割り振るか?
・お一人様、2名グループ、5名グループ
など。
フリータイムの後、決められた時間と場所に戻ってきてもらうにはどんな案内がいいか?
場所が遠かったり、進路が分かりにくかったり、忘れやすかったりなど。
もっと複雑なこともたくさんあります。
旅行は非日常的な行動なので問題発生や事故は確率の問題で起こります。
そのようなときの対応もいろんな判断を強いられます。
添乗員は誰でも初めは小さなツアーを任されて段々とスキルアップしてゆきます。
責任感
これがある人は向いていて、無い人は向いていない、とは言えます。
一つのツアーを初めから最後まで、その質も参加者の安全も管理する責任感ということです。
上手く行ったことは自身の肯定感になり、失敗したことは学びとして認める責任感。
しかしですがアーコンダクターになる前からそう思える必要は無いと個人的には思っています。
知識、経験、訓練などで養われていける性質でもあるからです。
人が好き、人に興味のある人
このお仕事の本質はツアー参加者へのサービス業であると私は思っています。
もちろん基本は旅程管理なのですが、ツアーが終わった時点での結果というのは、参加者が何にどのくらい満足したか、だと思うのです。
ツアー参加者達は全く同じ体験をしても、何が良かったのかそうでなかったのかはそれぞれ。だからツアー参加者に意識を向けることができる人は向いていると思います。
向き不向きか微妙なこと
学歴、年齢、性別、身長、視力、記憶力、容姿、などは関係するように見られがちですが、これらは雇用する側の “方針” に委ねられているようです。
実際の添乗スキル全体からすると少しのことなので気にする必要は無いと思います。
添乗業務に影響はしますが向き不向きとは全く別な次元ではないでしょうか。
またツアーによっては特定のスキルの有無も添乗業務に関係する場合があります。
それは、ツアー行程にとってベストな適任者かどうかという視点です。
向き不向きの見方については、それを述べる人の価値観も含まれます。
もし仮にツアコンを目指したいのにご自身に向いてないと思われることがあったとしても、単にそう思っているだけのレベル、という可能性もあると思います。
目標を持ち続け、訓練を重ねてゆけば旅行添乗をスキルとして身に着けられるものだと思うのです。
ただ、人によっては目標をあきらめたくなる時もあるくらい、甘くはない世界です。
一方「自分は向いている」と思われる人は、得意を生かせる自分らしい職になる可能性がありますね。
私もそうでした。
でも安心しないでください。他に習わなければならないことも山ほどありますので!
私にとっては結局のところ、向き不向き考えていられないほどやり甲斐のあるツアコン職でした!