陸上選手の食事・栄養の特徴は?
陸上選手の食事・栄養の特徴は?
寮での食事内容は、企業によって異なる
企業の陸上部に所属する選手たちは、大半が寮生活をしています。
寮生活の様子は、企業によってさまざまです。
専用の寮をもち、寮内の食堂で食事を作って提供しているところもあります。
こうした寮では、専門の栄養士がいて、選手の状態や大会までのスケジュールを考えたメニューが用意されます。
専用の建物ではなく、アパートの借り上げの寮で、食事は近くの食堂と契約しているところもあります。
こういうタイプの寮では、自分で考えて食事を摂っているケースが多いようです。
陸上選手が心がける食事の基本
食事の基本は、エネルギーになる炭水化物と、筋肉の元になるタンパク質を中心に、1日3食をしっかり食べることです。
食事の際は、栄養のバランスも考え、野菜や乳製品、大豆、海藻、きのこ、脂質などもしっかりメニューに加えます。
体重を増やさないようにするには、満腹になるまでは食べず、腹八分目にしておくことです。
また、間食や夜食もしないようにします。
とくに、就寝前の2〜3時間には、水分以外は摂らないようにします。
カロリーの高いスナック菓子や清涼飲料水はもちろん、甘い物や脂っぽいものもできるだけ控えます。
スナック菓子や清涼飲料水は飲まないと誓いながら、隠れて飲食してしまうタイプは、陸上競技の世界で、練習でも自分を甘やかし、記録が伸びないタイプといわれています。
スポーツ貧血を防ぐ
陸上選手には、スポーツ性貧血になる人が多いです。
とりわけ長距離ランナーに多発しています。
スポーツ性貧血は、地面を蹴るときに足裏に受ける衝撃で、血管内の赤血球が破壊されることが大きな原因の一つといわれています。
走る距離やトレーニング時間の長い長距離選手がかかりやすいのです。
このスポーツ性貧血を防ぐため、鉄分の多いひじきやレバー、プルーン、豚肉、牛乳、納豆といった食品を日常的に摂ることが大切です。
寮の食事で、毎日、こうした食品が出される陸上部も少なくありません。
サプリメントで鉄分を補っている選手もいます。
20代で正社員への就職・転職
管理栄養士の栄養サポートで活躍する部も
日本郵政グループ女子陸上部の場合
2016年の全日本実業団女子駅伝で創部3年目ながら初優勝を果たしたのが、日本郵政グループです。
日本郵政グループでは、東京オリンピック女子マラソン日本代表の鈴木亜由子選手など、世界大会に出場する選手も輩出しています。
日本郵政グループの特徴は、創部当初から管理栄養士に栄養サポートスタッフを依頼していることです。
選手たちは練習の内容や、体調、体組成などをノートに記録し、この情報をもとに、栄養サポートスタッフが毎月アドバイスを行っています。
長距離を走る選手はとくに体重管理が重要なため、食事を配膳する際に、ご飯の量を調整するなど目標に合わせたサポートをしてくれます。
また、厳しい練習の後に食事を食べるのがきつい選手のためにおかゆを用意するなど、調理にも気を配ってもらえます。
厳しい制限下でも食事を楽しむ工夫
厳しい管理だけではなく、選手の誕生日などは、パウンドケーキやフレンチトーストなど甘いものも出てきます。
これは、厳しい制限のなかでストレスが溜まらないようにする工夫でもあります。
陸上競技を続けるための体をしっかりと作るために、自ら勉強することはもちろんですが、支えてくれるスタッフの存在は欠かせません。
どういうチームで現役を続けていくかを考えるときには、こうしたサポートを含めて検討するとよりよい成績につながるでしょう。