陸上選手になるには

陸上選手になるまでの道のり

高校や大学を卒業しても、陸上選手として競技生活を続けるには2つの条件を満たす必要があります。

日本陸上連盟に会員登録する

ひとつは、日本陸上連盟に会員登録することです。

会員登録の方法には、団体登録と個人登録があります。

団体登録をするには、各都道府県の陸上連盟に所属する団体に入っている必要があります。

通常、実業団の陸上部やクラブチームに所属している人は、チームで団体登録されます。

個人登録は、居住する都道府県の陸上連盟に申請すれば、だれでも登録できます。

自己記録などの制限もありません。

日本陸連に会員登録しなければ、日本陸連の公認大会に出場できません。

公認大会に出場しなければ、記録も公認されません。

また、どんなに素晴らしい記録を出しても、日本代表として国際大会に出場することができません。

活動資金と生活費を稼ぐ

陸上選手として競技生活を続けるためのふたつめの条件は、選手としての活動資金や生活費が用意できることです。

トップ選手として競技生活を続けるには、ふだんの生活費に加え、遠征費や合宿費、さらにはコーチやトレーナーとの契約費用など、それなりの費用がかかります。

プロの陸上選手とは、そうした費用を大会の賞金で稼ごうという人たちです。

世界各地の賞金レースに出場して、競技生活を続けるだけの賞金を稼ごうとすれば、その種目で世界のトップクラスの実力が必要です。

企業の陸上部に所属する道も

企業の陸上部に所属すると、社員として給料をもらえます。

それを自分の生活費にあてることができます。

また、陸上競技にかかる費用は、ほとんど企業で払ってくれます。

しかも、会社での仕事量も制限されていますので、恵まれた環境で陸上競技に集中できます。

陸上部をもつ企業に就職するには、インターハイやインカレ、国体、日本選手権といった大きな大会で、好記録を出しておくことが必要です。

少なくともインターハイやインカレに出場するレベルでなければ、なかなか採用されません。

陸上選手になるための学校

高校や大学への進学事情

陸上競技の場合、その選手の実力は記録として現れます。

記録がよければ、出身高校や大学は、将来や就職に関係はありません。

しかし、陸上競技で有名な高校や大学は、指導者がしっかりしていることが多いものです。

また、インターハイやインカレの常連校なら、陸上関係者の目に止まる機会も増えます。

陸上競技で有名な高校や大学に進学しておくのも、陸上選手になる1つの方法です。

陸上競技で有名な高校や大学へ進学して陸上部に入るには、中学や高校で、全国大会レベルか、少なくとも都道府県レベルの記録を出しておくことが必要です。

たいてい好記録保持者は推薦枠があり、推薦されれば確実に入学できます。

もちろん記録が平凡でも、一般受験で合格して陸上部に入るという方法はあります。

陸上選手が進学する高校

陸上選手になるためには、進学する高校も大切です。

インターハイや、全国高校駅伝などに出場する選手を輩出した学校などを調べてみるとよいでしょう。

また、有名選手を輩出した指導者が赴任した学校などは、今後陸上部が強くしようという意志を持っているので、あえてそういう環境に飛び込むのもありです。

陸上で有名な高校を挙げると、2019年の全国高校駅伝で男女優勝を成し遂げた、宮城の仙台育英高校。

男子では大迫傑選手の母校、長野の佐久長聖高校、女子では東京オリンピック女子マラソン代表の前田穂南選手の母校、大阪薫英女学院なども強豪校としてあげられます。

そのほか、愛知の豊川高校、岡山の興譲館など全国に強豪校があります。

京都の洛南高校は日本人で初めて100mを9秒台で走った桐生祥秀選手の母校です。

陸上選手が進学する大学

ロードレースの選手は、箱根駅伝出場を目指して関東の大学に進学するケースが多いです。

原晋監督のもと、大学駅伝で圧倒的な成績を残している青山学院大区をはじめ、毎年上位争いを繰り広げる東洋大学や早稲田大学などには多くの才能が集まります。

東洋大学は桐生祥秀選手の母校でもあります。

そのほか、日本大学、日本体育大学、中央大学、東海大学、順天堂大学なども有名です。

自分の行っている競技が強いことはもちろん、キャンパスの環境や部の雰囲気を高校の先輩などから情報を得るなどして、進学先を決めると良いでしょう。

陸上選手に向いている人

小、中学校で目立つくらいの才能は必要

トラック競技やロードレースは、そのタイムを競います。

つまり、走るのが速い人が勝ちます。

そのため、それなりの才能がなければ、社会人になっても陸上選手として競技活動を続けることは難しいです。

ただし、走る才能が必要といっても、中学や高校の全国大会で活躍するくらいの選手でなければダメということはありません。

中学や高校時代に目立たなくても、世界大会に出場するほどの選手になった例は少なくありません。

それでも、小学生や中学生のとき、クラスや学校で目立つ存在でなければ、陸上選手として活躍することは難しいでしょう。

努力を継続できること

多くの人にとって、わずかなことでもコツコツと続けるのは難しいことです。

体調の悪い日もあれば、通常の練習で疲れてクタクタの日もあります。

友だちとの約束が入っていたり、見たいテレビ番組がある日もあるでしょう。

他の用事や興味まで我慢しなければならないほど大変なことではありません。

日々のいろんな出来事にもうまく対応しながら、コツコツ努力すれば、やがて、それが大きな成果となって自分に返ってきます。

陸上選手に向いている人・適性

陸上選手のキャリアプラン・キャリアパス

女性でも陸上選手になれる?

陸上選手は女子でもなることができる職業です。

競技によっては、男子以上の人気を誇っているものもあります。

マラソンでは、2000年のシドニーオリンピックで高橋尚子選手、2004年のアテネオリンピックで野口みずき選手が金メダルを獲得し、代表争いは毎回大きな注目を浴びます。

また、11月の後半には宮城県を舞台に全日本実業団女子駅伝が行われます。

女子中長距離界の選手たちが一堂に会するこの大会は、国内最高峰の大会の一つとして、毎年熱いレースが繰り広げられます。

ちなみに、東京オリンピックでは男子24種目、女子23種目が行われます。

50km競歩がないこと、男子は10種競技ですが、女子は7種競技であること以外はすべて男子と同じ種目が行われます。

また4×400mの男女混合リレーはありますが、それ以外はすべて女子のみで競います。

陸上選手を目指せる年齢は?

陸上選手を目指す際に、はっきりとした年齢制限はありません。

しかし、多くの選手が中学、遅くとも高校時代には競技を始め、進学先も含めて陸上選手となるための努力を始めています。

中学や高校時代から突出した成績を出している必要はありません。

東京オリンピック女子マラソン日本代表になった前田穂南選手も、大阪薫英女学院高校時代は控え選手でした。

プロランナーとして活躍している川内優輝選手も、箱根駅伝にはチームとしてではなく、関東学連選抜として出場しているのみです。