麻薬取締官のやりがい・楽しさ・魅力
麻薬取締官のやりがい・楽しさ
「人対人」の仕事であること
薬物の密売や乱用は見過ごせるものではありませんが、捜査活動にしても取り調べに関しても、私たちが考えているよりずっと難しいものです。
麻薬取締官として一人前になるのには10年以上かかるといわれるほどで、日々の事件を経験しながら少しずつ何かを学び取り、自分のものとしていかなければなりません。
薬物乱用によって思考力や判断力を失い、身も心もボロボロになってしまっている被疑者と接するのは、つらいと感じることもあります。
しかし、麻薬取締官が不正薬物を取り締まることができれば、乱用者を立ち直らせ、見事社会復帰させることにも繋がります。
薬物を扱うのは必ず人間です。
単純に薬物犯罪をなくすということだけでなく、「人対人」としての深い関わり合いが味わえるのも、この仕事の魅力です。
人間の奥深さを感じられること
違法な麻薬に手を出してしまうのは、一部の特別な人だけと思われているかもしれません。
しかし、人間は誰しもいろいろな欲望を持っています。
麻薬取締官たちは、どんな人でも麻薬の世界に入ってしまう可能性があり、自分たちと麻薬中毒者との違いは紙一重だといいます。
たしかに麻薬は一瞬の快楽をもたらしますが、一度乱用してしまえば後戻りするのが難しく、精神まで破壊されてしまいます。
その恐ろしさを理解したうえで、実際に中毒に苦しんでいる人と接し、再び健全な人生が送れるよう導くのが麻薬取締官の仕事です。
そこでは精神的に苦しいこともたくさんありますが、どこか人間の本質を覗き見る気持ちにもなり、改めて人間の難しさと奥深さを感じることができるでしょう。
地道な捜査の成果が出たとき
麻薬取締官は、さまざまな薬物犯罪を防ぐために日々奔走していますが、いざ被疑者を捕まえる瞬間はあっという間で、水面下での情報収集や張り込みなどを行う時間のほうがずっと長いものです。
このような、気の遠くなるような地道な捜査活動が実を結んだ瞬間は、それまでの大変さが吹き飛ぶほど、大きなやりがいを感じられます。
厳しい仕事ではありますが、その達成感によって「また違法薬物を取り締まろう」という活力が生まれてきます。
20代で正社員への就職・転職
麻薬取締官の魅力
違法薬物のない健全な社会を実現するために、麻薬取締官はなくてはならない存在です。
そして、現状では完全には規制されていないものの、有害性が高いとされ問題になっている「合法ドラッグ」や「脱法ドラッグ」と呼ばれる危険ドラッグに関しても、現在、麻薬取締官が捜査権限を持つ方向で議論されています。
薬物に関して深い専門知識を持つ麻薬取締官の役割が改めて見直されているのです。
このように、社会的責任の重い仕事に就くことで、強い使命感や誇りを実感することができるはずです。
また、麻薬取締官の数は全国でも300名弱しかおらず、個人の力が求められる少数精鋭の組織で働けることも、この仕事ならではの魅力といえます。