マジシャンの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「マジシャン」とは

マジシャンの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

ショーなどで多様なマジック(奇術・手品)を披露し、お客さまに驚きと楽しみを与える。

マジシャンとは、マジック(奇術・手品)を披露し、お客さまを楽しませる人のことです。

ショーやイベントなどでさまざまなマジックを演じて、お客さまにワクワクや驚き、感動などを与えます。

マジックには、カードやコインなどの道具を使ったものから、ステージ上での大がかりな装置を使ったものまで、さまざまなものがあります。

なるために必要な資格や学歴はありませんが、独学やスクールに通うなどして、マジックの技術を習得することは不可欠です。

マジシャンの収入は、公演ごとに報酬が決まっていることが多いため、不安定になりがちです。

成功のためには、マジックそのものの実力だけではなく、トークでショーを盛り上げることができるパフォーマンス力や、人付き合いを通して仕事を広げるための営業能力も重要です。

「マジシャン」の仕事紹介

マジシャンの仕事内容

マジックを披露し、お客さまをワクワクさせる

マジシャンとは、マジック(奇術・手品)を演じる人のことです。

見る人を、あっ!と驚かせるパフォーマンスを披露し、夢の世界に引き込んでいきます。

マジックには、カードやコインなどの道具を使ったものもあれば、ステージ上での大掛かりな装置を使ったものなど、さまざまなものがあります。

マジックを行う場所は、主にホテルやレストラン、都内を中心に展開されている「マジックバー」というマジックのショータイムがあるバー、お年寄り向けの施設や病院などです。

とくに、お花見や夏休み、ゴールデンウィーク、クリスマスなど、季節の行事があるときにはニーズが高くなります。

本番前には練習、普段は別の仕事をする人も

マジシャンというと、ステージ上でマジックを披露する姿ばかりがイメージされがちですが、その裏では地道な練習やトレーニングを続けています。

新しいマジックの技術を習得するためには、長期間かけて精度を高めていかなくてはなりません。

また、パフォーマンス全体を盛り上げるために、ステージに合わせた演出やトークを考えて練習する必要もあります。

こうした地道なトレーニングを継続することと同時に、ステージがない日には別の仕事をして、収入を安定させている人もいます。

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マジシャンになるには

ひとつでも多くのマジックを習得し、披露する場を探す

マジシャンになるには、まずひとつでも多くのマジックを身につけることが必要です。

マジシャンには特別な資格も学歴も求められない代わりに「マジックの実力」で勝負していかなくてはなりません。

マジックの学び方は、本や動画教材を使って独学するほか、マジシャンが集まるバーやマジックサークルに出入りして誰かに教えてもらう方法もあります。

あまり数は多くありませんが、マジックのスクールや通信講座を利用するのもよいでしょう。

プロのマジシャンのパフォーマンスをたくさん見て、お客さまの惹きつけ方や演じ方を学ぶのも大切です。

地道な営業で活躍の場を広げていく

マジシャンとして売れていくためには、日々の継続的なトレーニングに加え、地道に営業活動を行って、自分の存在を知ってもらうことが必要になります。

マジシャンの営業活動先として多いのは、ホテルや飲食店、お年寄りや子ども向けの施設です。

従業員として雇われるようなことはほとんどありませんが、季節のイベントの際に呼んでもらえる可能性があります。

そのほか、マジックのコンテストに出場して高い評価を得れば、活躍のチャンスが広がるかもしれません。

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マジシャンの学校・学費

民間のスクールや講座はあるが、基本的には自分で学ぶ

マジシャンになるために、必ず通わなくてはならない学校はありません。

また、マジシャンを専門的に養成する大学や専門学校は存在しないため、基本的には自分で学んでいく姿勢が求められます。

しかし、最近は本や動画などを活用してマジックを学べる機会が増えています。

民間のスクールや講座はいくつかあるため、それらを利用してみるのもよいでしょう。

有名なスクールのひとつに、マジックブームの火付け役ともなったMr.マリックの「Mr.マリックマジシャン養成スクール」があり、オンラインで動画を見てマジックの基本を体系的に学べます。

マジック以外にも幅広い芸を学びたいのであれば、「JEC(ジャパンエンターテイメントカレッジ)」というスクールもあります。

マジシャンの資格・試験の難易度

必須の資格はなく、コンテストに出場する人も

マジシャンとして活動する上で必要な資格はないため、実力さえあれば誰もがマジシャンとして活躍できます。

自分のマジックの実力を試したい人は、マジックの教室や講座に参加して修了の認定を受けたり、民間の会社が主催するマジックの検定を受けたりしてみましょう。

また、マジックのコンテストでの入賞歴で実力を証明することもできます。

日本国内で有名なのは日本クロースアップマジシャンズ協会の「ジャパンカップ」で、入賞した人の中には活躍の場を世界に広げていく人もいます。

マジシャンの給料・年収

報酬はステージごとに決まることが多く、不安定

マジシャンのほとんどは、どこかの会社に雇用されているわけではありません。

基本的には個人事業主として活動するため、一般的な会社員のように毎月決まった金額をもらうわけではなく、自分が担当した仕事の分だけ「報酬」が支払われるかたちになります。

報酬は、マジシャンの実力や人気によって大きく異なります。

新人マジシャンであれば1回のステージやショーにつき1,000円~5,000円程度で、ほぼボランティアのように活動する人もいます。

しかし有名になると、1回のステージで何十万~何百万円という高い報酬を手にする人もいます。

とはいえ、それほど稼げるマジシャンは決しておおくありません。

安定した生活を送るのは難しいのが現実で、別の仕事をしながら副業・兼業としてマジシャンを続けている人もいます。

自分で技術と人気を高めていく努力が必要

マジシャンは「人気商売」の側面が強い職業のため、マジックの技術と人を惹きつける魅力の両方を高いレベルで備えていかなければ、成功するのは難しいでしょう。

一部のマジシャンは、芸能事務所などに所属して、手数料を支払う代わりに、仕事のスケジュール管理や事務処理などのマネジメント全般を任せながら活動しています。

完全に個人で活動する場合にも、SNSをうまく活用するなどの方法で、露出度を高めることは可能です。

さまざまな工夫をしながら活躍できる場を広げていき、少しずつ収入を上げていく努力が求められる職業です。

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マジシャンの現状と将来性・今後の見通し

不安定さはあるが、努力次第で成功できる可能性も

マジシャンは、昔も今も変わらずに人々に驚きを与え、魅了する職業ですが、「雇用」や「働き方」に関しては非常に不安定だと言わざるを得ません。

世の中の景気がよい時期は仕事量もそれなりにありますが、景気が悪くなればマジックのイベントやショーは激減し、まったく活動できなくなってしまう可能性があります。

また、いざマジシャンへの道に足を踏み入れても、成功する保証はどこにもありません。

強い意思や覚悟をもって、厳しい日々を乗り越えるつもりでいなければ、とても務まらない仕事です。

しかし、近年のマジックの世界では、かつてのような超有名人がほとんど出ていない状況です。

同じように芸能の世界で活躍する「芸人」や「ミュージシャン」に比べると、競争率は低めといえるかもしれません。

努力と工夫次第では、トップマジシャンになれる可能性もあるでしょう。

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マジシャンの就職先・活躍の場

レストランやマジックバー、ステージ、ショーなど

マジシャンの活躍の場はある程度限られていますが、代表的な場が飲食店です。

レストランや居酒屋、マジックバーでは、店の企画・イベントとしてマジックショーを楽しめる時間帯を用意していることがあります。

そうした店舗ではマジシャンのニーズがあるため、業務委託や派遣として活躍できる可能性があります。

マジシャン以外の仕事もするということであれば、社員として雇われることもあるでしょう。

そのほか、各種イベントのステージやショーでも、マジックのニーズがあります。

そうした仕事は単発のものが多く、芸能事務所や人材派遣会社に所属している場合、そこから派遣されて出演します。

フリーランスで活動し、お客さまから直接依頼を受けて仕事をするマジシャンもいます。

マジシャンの1日

仕事の予定を軸に、練習やトレーニングも日々継続する

マジシャンがマジックを披露するイベントやショーなどは、週末や長期休暇中心に行われています。

世間の人々が休暇を楽しむ時こそが、エンターテイナーであるマジシャンにとっての稼ぎ時になるのです。

ステージ以外の日には、新しいマジックを考えて練習したり、営業活動をしたりして過ごします。

ここでは、マジックショーに出演するマジシャンのある1日を紹介します。

7:00 起床
9:00 会場へ
10:30 午前のステージ
11:30 休憩
14:00 午後のステージ
15:00 終了
16:00 帰宅後は練習や事務作業など

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マジシャンのやりがい、楽しさ

マジックで人の心を動かし、魅了できること

マジシャンにとって最大のやりがいは、自分のパフォーマンスでお客さまを楽しませ、驚かせたり、ワクワクさせたりできることです。

マジックショーは非日常的な雰囲気があり、その独特のステージを楽しみに来場されるお客さまがたくさんいます。

心のこもったマジックを披露し、たくさんの笑顔や拍手をもらったときは、マジシャンをやっていてよかったという気持ちになれます。

他のマジシャンには絶対に真似できないような、独創的で驚きや感動に満ちあふれたマジックを披露できたときには、ものすごく大きな達成感に包まれるでしょう。

マジックの技術そのものだけでなく、人柄が認められて人気が出たり、ファンが増えたりするのも、マジシャンの喜びです。

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マジシャンのつらいこと、大変なこと

華やかなステージの裏での苦労がたくさんある

華やかなステージの裏での苦労がたくさんある

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マジシャンに向いている人・適性

サービス精神が旺盛で、人前に立つことが好きな人

マジシャンは、マジックを通してお客さんを楽しませるために仕事をします。

もともとサービス精神が旺盛で、誰かに喜んでもらうことが大好きな人、人が笑ってくれると自分もうれしくなるような人にはぴったりの職業でしょう。

また、大勢の人前でパフォーマンスをするからこそ、人から注目をされたり舞台に上がったりすることが苦にならず、むしろ「見られてこそ力を発揮できる」タイプの人にも向いています。

もちろん、マジックの技やショーそのものが好きで、その世界をどんどん突き詰めていきたいと思えることも大切です。

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マジシャン志望動機・目指すきっかけ

ショーの世界への憧れ、マジックに感動した体験がきっかけに

マジシャンを目指す人は、子どものころにマジックショーを見て驚いたり、ワクワクしたりした体験がきっかけになっていることが多いようです。

自分でマジックグッズを買って練習し、家族や友人に披露したときに喜んでもらったことがうれしくて、マジシャンになろうと決意したと話す人もいます。

きらびやかで非日常的なショーの世界に憧れたり、自分のパフォーマンスでお客さんを惹きつけたいといった気持ちが、マジシャンを目指す原動力になることもあります。

マジシャンの雇用形態・働き方

正社員の求人はほとんどなく、派遣や個人で働く人が多い

マジシャンの働き方は多種多様ですが、正社員として、どこかの会社に就職することはほとんどありません。

レストランなどステージのある飲食店で「店員兼マジシャン」として働く場合には正社員採用される可能性もありますが、まれなケースと考えておいたほうがよいでしょう。

一般的に、マジシャンはフリーランスで活動しており、自分で仕事ができる場を探していきます。

マジシャンとしての魅力が認めれれば芸能事務所に所属し、活動サポートを受けながら働くことも可能です。

そのほか、人材派遣会社に登録し、派遣のスタイルで単発のイベントの依頼を受けて仕事をする人もいます。

マジシャンの勤務時間・休日・生活

ショーなどの仕事は週末中心に入る

マジシャンは、週末や長期連休、季節の行事など、世間の人々が休暇を楽しむ時期こそが「稼ぎ時」になります。

ただし、飲食店のステージや出張でのショーは単発の依頼であることが多く、安定して仕事が入るとは限りません。

空いている日には、新しいマジックの練習や次回ステージの演出を考えたり、営業活動をして仕事の場を探したりといったことをしている人が多いです。

休日に関しては、スケジュールを見ながら、適宜プライベートの時間を作るといった過ごし方をしている人が多いようです。

駆け出しのマジシャンは、マジシャン一本では生活できるほどの収入が得られず、ステージがない日に別のアルバイトをしていることもあります。

マジシャンの求人・就職状況・需要

仕事ができる場は自分で探し、作り出すことが必要

マジシャンはどのような働き方をするにしても、仕事のニーズは自分で作り出す積極性が必要です。

というのも、マジシャンは一般的な会社員のように、どこかの会社に就職して働く人は決して多くありません。

マジックバーの専属マジシャンになったり、芸能事務所に所属して事務所のサポートを受けながら活動したりする人もいるものの、基本的には「個人」で仕事をします。

とくに無名の新人時代は、待っていてもなかなか仕事が舞い込んでこないため、自分で自分を売り込んで、マジックが披露できる場を探していく行動力が求められてきます。

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マジシャンの転職状況・未経験採用

熱意さえあれば誰でも目指せるが、厳しい世界

マジシャンは、過去の経験や学歴、職歴などは一切関係なく、誰でも目指せる職業です。

マジックのスキルは独学でも身につけることができますし、芸能事務所や人材派遣会社にマジシャンとして登録したり、レストランやマジックバーなどの飲食店に雇ってもらったりすれば、マジシャンの仕事をスタートできます。

しかし、言葉にするのは簡単でも、いざ仕事を見つけるのは困難です。

近年は不況が続き、バブル時代のように各地でイベントやステージが頻繁に開かれていたり、飲食店が繁盛していたりする状況ではありません。

マジシャンの需要は減少傾向にあるため、新人がいきなり大きく活躍できる場を見つけるのは難しいと考えておいたほうがよいでしょう。

最初は収入面が厳しくなることも覚悟して、マジシャンの世界に挑戦するべきです。