海外ツアーガイドになるには? 必要な資格はある?
海外ツアーガイドになるまでの道のり
海外ツアーガイドとして働くためには、まずはその国で就労可能なビザを取得する必要があります。
ビザの制度は国によって異なりますが、おおむね次のような方法があります。
就労ビザを取得
海外ツアーガイドは、世界のさまざまな国で働いています。
各国の制度によりさまざまですが、正式な雇用契約を結んでこの仕事につくためには「就労ビザ」が必要となります。
就労ビザを取得したい場合、基本的には現地の企業の協力を得なくてはなりません。ただし、何らかの方法で現地の「永住権」を取得することができれば、就労ビザがなくても働くことは可能です。
ワーキングホリデービザを取得
対象となる国の場合、ワーキングホリデー制度を利用して現地の旅行会社に勤務し、ツアーガイドの仕事を行うことも可能です。
こちらには「申請時18歳から30歳まで(一部例外あり)」という年齢制限があるほか、1〜2年間の期間限定であることが条件となっています。
参考:一般社団法人 日本ワーキング・ホリデー協会 ワーキングホリデー制度について
また日本との協定国は限られているものの、就労ビザや永住権の取得に比べると取得しやすいため、積極的に利用している人も多いようです。
ワーキングホリデービザを使ってツアーガイドを目指す場合は、比較的高い確率で採用されています。
働きぶりが認められたり、会社の状況によっては、そのまま就労ビザを発行してくれることもあります。
20代で正社員への就職・転職
海外ツアーガイドの資格・難易度
海外ツアーガイドに必要な資格は、国によって異なります。
観光ガイドをするのに特別なライセンスを取得しなければならない国や地域もありますが、すべての地域で資格が求められるわけではありません。
一般的に、ヨーロッパを中心とする歴史のある街での観光ツアーガイドは、ライセンスの取得を必要とされています。
一方で、ライセンスを必要としない地域であれば、旅行会社のトレーニングを受けることで、すぐにツアーガイドができるところもあります。
希望する国や地域がある場合、その場所でのライセンスに関する取り決めを事前に調べておく必要があります。
海外ツアーガイドになるための学校の種類
ツアーガイドになるための学校や養成施設についても、国によって制度が異なります。
観光ガイドを目指す外国人が多く訪れる国では、語学学校などに観光ガイド養成コースの設定があることも多いようです。
そのような場合には、英語を学びながら一緒にガイドスキルを身につけることができます。
また、オーストラリアなど一部の国では日本人だけを対象としたガイド養成コースがあることもあります。
国によっては、学習歴や資格がなくてもガイドを行うことができる場合もあります。
その場合は公的機関で学ぶことはできませんが、自分なりにガイドをする場所の特徴や歴史、背景について自分で学び、理解しておくことが大切です。
20代で正社員への就職・転職
海外ツアーガイドに向いている人
海外ツアーガイドという仕事は、「海外」と「ツアーガイド」という二つの特徴があります。
そのため、この仕事でやっていくためには、そのどちらにも向いている必要があります。
一つ目の特徴である、働く場が海外であるという点。
日本を離れて外国で働くということは、戸惑うことや困難もたくさんあります。
ビザや制度的な問題もありますが、何より、文化の異なる国で働き・生活していくことは困難です。
働くということに対する姿勢も異なります。
これらのギャップを受け入れ、ストレスなく異文化に適応することができる人が、海外ツアーガイドに向いているということができます。
また二つ目の特徴は、ツアーガイドとして向いているかどうかという点です。
ガイドをするためには、自分がその対象に精通している必要があります。
歴史的な史跡であれば、その国の歴史や文化といった事象に関心が高い人、アクティビティガイドであればその分野に専門的なスキルがあることが求められます。
独自の専門性を持ち、突き詰めて学び続けることに楽しみを見いだせる人に特に向いている仕事ということができるでしょう。
海外ツアーガイドのキャリアプラン・キャリアパス
ワーキングホリデーを利用してツアーガイドの仕事をしたいと思った場合、ワーキングホリデーの歴史が長いオーストラリア、あるいはニュージーランド、カナダなどに行く人が多いようです。
日本人観光客が多い地域であれば、それなりにツアーガイドの需要があります。
基本的には現地に行ってから、周囲の人のクチコミやインターネットなどを使って情報を集め、仕事を見つけることになります。
もし現地で語学学校に通うのならば、仲間や学校を通じて仕事の情報を集めることができるでしょう。
ツアーガイドは、基本的に日本人観光客を相手にします。
そのため、ワーキングホリデーで働く場合は、そこまで高い英語力が求められないケースも多いようです。
ただし、現地で生活する以上、英語が話せるにこしたことはありませんし、語学力があることで、より難易度の高い仕事を任せてもらえる可能性もあります。
いずれにせよ、仕事は黙っていて見つかるものではありません。
もしワーキングホリデーでツアーガイドの仕事をしたいのであれば、現地で積極的に行動し、情報を仕入れ、良い条件の仕事を見つけることが必要になってくるでしょう。
海外ツアーガイドを目指せる年齢は?
海外ツアーガイドになるためには、明確な年齢制限はありません。
特に、最近では海外旅行年齢やガイドを希望する年齢層も広がり、様々な年代のガイドに需要があるため、何歳からでも目指すことのできる仕事ということができます。
ただし、ワーキングホリデーの制度を利用してビザを取得したい場合、ワーキングホリデー制度の年齢制限があるため注意が必要です。
国や地域によって若干の例外がある場合もありますが、多くの場合、ビザの申請時18〜30歳である必要があります。
この年齢に合致しない場合、通常の就労ビザを取得する必要があるため、注意が必要です。
海外ツアーガイドは高卒から目指せる?
海外ツアーガイドを目指すための、定められたルートはありません。
就労する国や地域、求めれるガイド内容によって目指すルートは大きく異なります。
もちろん、高卒から海外ツアーガイドとなる人もいます。
高校卒業後すぐに海外渡航を希望する場合は、前述したワーキングホリデー制度を利用することもおすすめです。
海外ツアーガイドになるには、現地の情勢や歴史、文化についての理解が欠かせないため、これらの学習は自分で行うことになります。
また、一般的な旅行業界に関する知識、マナーや社会人としての教養を身に付けている必要があります。
国や旅行会社によっては実績を積みながら身につけることもできますから、学ぶ姿勢を忘れず仕事を続けていけば、自分のペースで成長していくことができます。
海外ツアーガイドの求人状況・未経験採用はある?
未経験・社会人から海外ツアーガイドになるには
観光目的で海外へ出かける日本人が増えているため、海外ツアーガイドはそれなりに需要のある仕事です。
ただし海外で働くことを考えると、勤務先を見つけることひとつとっても、日本で就職するときとは違った苦労を感じるかもしれません。
海外ツアーガイドの求人情報は、現地の日系ガイド会社の日本オフィスの求人情報や、日系人のための雑誌や新聞、ホームページに掲載されることが多いです。
また、海外で働く日本人向けのWebサイトがあり、その掲示版などに各社が募集を出しているようです。
各社とも、その国のツアーシーズンになる前に募集が出されます。
どの国も繁忙期となるのは5月のゴールデンウィークとお盆、冬は年末年始です。
北半球は4月から上半期のツアーがスタートするため、2〜3月にガイドの募集が行われ、採用されると直ちに研修に入るようです。
一方、ウインターシーズンにスキーなどのツアーを取り扱っているところでは、9〜10月くらいからスキーガイドの募集が始まります。
大きな会社の優待旅行や、修学旅行を取り扱っている旅行会社の場合は、ツアーが開催される時々で募集をかけていることもあります。
未経験から海外ツアーガイドになれる?
海外ツアーガイドと聞くと、日本国内でツアーガイドや添乗員の経験を積んでから、ステップアップとして目指す必要があるように感じるかもしれません。
もちろん、そのような経験があれば有利になりますし、業務もスムーズに進めることができるでしょう。
しかし、これらの経験は必須ではありません。
実際、大学生や若い社会人でも、ワーキングホリデー制度を利用して未経験からツアーガイドとして働いている人はたくさんいます。
それまでに旅行業の経験や、むしろ就業経験がなくても、自分なりに工夫してガイドとして活躍する道はいくらでもあります。
大切なのは、お客様の立場に立ち、相手の希望や要望、あるいは抱えている問題を理解し、それを解決するために全力を尽くすという姿勢といえます。
海外ツアーガイドへの転職に必要な資格・有利な資格
ツアーガイドとして働くための資格の要否は、働く国によって異なります。
ガイドとしての国家資格が必要な国もあれば、なくてもよい国もあります。
自分が希望する国や地域でガイドをするためには、どのような資格が必要で、どのように取得できるのかは、事前にしっかりと調べておく必要があります。
また、海外ツアーガイドとして働く上で、ある程度の語学力を証明する資格があれば強みとなります。
英語のほか、働く国の現地語もできると大変有利となるでしょう。
様々な言語で、言語能力を認定する資格試験を実施していますから、自分のレベルに合わせて受験しておくと良いでしょう。
海外ツアーガイドとして仕事をスタートするために求められる最低レベルとしては「日常会話程度の語学力」と「接客業の経験」くらいで、そこまで高いレベルでないことがほとんどです。
特別な資格や経験は問われないことも多く、未経験でもスタートしやすい仕事だといえるでしょう。
海外ツアーガイドへの転職に役立つ職務経験は?
ツアーガイドとしてお客さまのツアー中すべてのサポートをになう仕事であるため、お客様の要望を察知し、答える能力が必要です。
また、相手に不快感を与えないマナーを身に付けていなければなりません。
そのため、旅行業やサービス業など、接客業の就業経験は歓迎される傾向にあります。
お客さまとのコミュニケーションや問題解決能力、マナーを身につけている証明となるような職種経験があれば、アピールポイントとして伝えられるでしょう。
海外ツアーガイドに転職可能な年齢は何歳くらいまで?
海外ツアーガイドになるための年齢制限は特にありません。
意欲があれば、何歳でも転職は可能です。
しかし、海外ツアーガイドとして働くためにはその国で就労可能なビザを取得する必要があります。
一般の「就労ビザ」を取得して現地で正社員として働く人がいるほか、「ワーキングホリデービザ」を使ってガイドの仕事につく人もいます。
ワーキングホリデーは「18歳〜30歳までの人(国によって異なります)」が異文化の中で休暇を楽しみながら、その滞在資金を補うために一定の就労が認められているものです。
そのため、この制度を利用したいと考えた場合は、30歳までに申請する必要があります。
ワーキングホリデービザで渡航する場合、基本的には現地に到着してから仕事を探します。
学歴や資格は求められないことも多いですが、国や時期によっては大々的に募集がなされないこともあるため、現地で人脈を作って仕事を紹介してもらったり、自分で地道に募集を探したりすることが必要といえそうです。
なお、ワーキングホリデーで旅行関係やツアーガイドを経験した人は、帰国後に海外経験をいかし、派遣会社などでツアーコンダクターとして働くことも多いようです。