法務教官の1日のスケジュールを紹介 夜勤はある?

法務教官は昼間勤務と昼夜間勤務を交代で担当

法務教官の勤務時間は、原則一週間あたり38時間45分(週休2日制)です。

ただし、法務教官が配属される少年院や少年鑑別所などの収容施設は24時間保安の必要があるため、昼間勤務と昼夜間勤務を交代で担当します。

昼夜間勤務を担当する場合は、まず昼間の仕事をこなし、昼間勤務の定時終了後はそのまま夜間勤務にあたります。

少年の就寝時間までの間、行動観察の記録や少年に日記をつけさせる業務などを進め、少年の就寝時間後は仮眠をとりつつ定期的に見回りを行います。

翌朝の起床時間になったら少年たちを起こし、朝食などの支度をさせたのち、出勤してきた昼間勤務職員へ引き継ぎをして昼夜間勤務は終了です。

昼夜間勤務を担当する頻度は、1週間に1回程度の施設もあれば3日に1回程度の施設もあるなど、配属先の施設の規模や職員数によって異なります。

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少年院で働く法務教官の1日

まずは少年院で働く法務教官の1日をみていきましょう。

先ほど説明したとおり、法務教官には昼間勤務と昼夜間勤務がありますが、ここでは昼間勤務を担当した場合の1日の流れを紹介します。

なお、少年院には少年が生活している寮があり、法務教官にはそれぞれ自分の受け持ちの寮が割り当てられています。

8:00 登庁
少年院に隣接した宿舎から登庁する場合もあれば、自分で借りた家から登庁する場合もあります。
8:30 職員の朝礼
全体の共有事項に関する説明や、所長の挨拶などが行われます。
8:50 担当する少年寮で夜勤職員からの引き継ぎ
自分の受け持ちの寮で、夜間勤務の担当者から前日の引き継ぎを行います。
9:00 少年院での朝礼
寮からグランドへの移動など、少年の行動はすべて法務教官の号令によって行います。
9:30 午前授業
社会復帰を目指した職業訓練のほか、犯罪について反省を促すプログラムや、体育などが実施されます。
12:00 昼食
昼食中も少年の寮には職員が残り、保安にあたります。
13:00 午後授業
午前授業と同様、さまざまな職業訓練や再犯防止プログラムなどを行います。
16:30 少年たちの夕食の世話
1日のスケジュールに沿って、少年たちに夕食を食べさせます。
17:30 夜勤職員への引き継ぎ・事務作業
夜間勤務の担当者へ引き継ぎを済ませ、その後は採点などの事務作業を行います。
18:30 退庁
事務作業が終わらないときは残業する場合もあります。

少年鑑別所で働く法務教官の1日

続いて、家庭裁判所が調査・審判を行う際に少年を一定期間収容する施設である「少年鑑別所」で働く法務教官の1日を紹介します。

少年鑑別所で働く場合も、それぞれの法務教官が担当の寮と少年を受け持つことになり、1日の流れは少年院での勤務と基本的に同じです。

ただし少年鑑別所のおもな役割は、少年院のような「更生に向けての指導」ではなく「少年の資質の見極め」です。

そのため授業を実施する代わりに少年に課題を与え、それに取り組む様子を観察して更生の可能性を判断していきます。

8:00 登庁
少し余裕を持って少年鑑別所に登庁します。
8:30 職員の朝礼
幹部や庶務担当者なども集まり、前日からの簡単な引き継ぎを行います。
8:50 担当する少年寮で夜勤職員からの引き継ぎ
自分の担当する寮で、より具体的な引き継ぎが夜勤職員から行われます。
9:00 少年鑑別所での朝礼
少年が凶器になるようなものを隠し持っていないか、少年の服や部屋の検査も行います。
9:30 午前の日課
少年たちに作文や貼り絵などの創作課題をさせて、法務教官はその様子を監督し「行動観察」を書きます。
12:00 昼食
休憩中も、なにかトラブルが発生すれば迅速に対応しなければなりません。
13:00 午後の日課
午前の日課と同様、さまざまな課題をやらせながら行動観察を実施します。
15:30 法務技官との打ち合わせ
少年の人間性や性格などをくみ取りながら、法務技官と協力して更生の可能性を判断します。
16:30 少年たちの夕食の世話
少年たちの夕食の世話も法務教官の仕事です。
18:00 夜勤職員への引き継ぎ・事務作業
夜間を担当する職員へ引き継ぎを行い、少年審判に用いる資料作成などの事務作業を進めます。
18:30 退庁
事務作業が終われば帰宅しますが、入所受けの手続きなどによって帰りが遅くなることもあります。