法務教官のつらいこと・大変なこと・苦労

法務教官のつらいこと・大変なこと

少年たちの気持ちに寄り添う大変さ

法務教官は少年院もしくは少年鑑別所のどちらに配属された場合でも、非行少年たちと正面から向き合うことが求められます。

事情があったにせよ一度は非行に走ったことのある少年であり、施設にいるのは穏やかな少年ばかりとは限りません。

なかには乱暴な性格の少年もいますし、家庭環境に問題がある少年や、かたくなに心を閉ざしたままの少年もいます。

個々の少年ごとで非行に至った原因はさまざまで、それを突きとめて更生させていくのはたいへん難しいことです。

よかれと思ってした行動が少年の心にまったく響かなかったり、ときには裏切られたと感じたりすることも少なくありません。

こういった点で、法務教官は精神的な苦労の大きい仕事といえます。

少年同士のトラブルの仲裁も

非行少年が集団生活をしていくうえでは、なにかとトラブルがつきものです。

精神的に成熟できない少年同士のいざこざは、大きなけんかに発展してしまう場合もあります。

その際には法務教官が身をていして仲裁に入る必要があり、法務教官自身が怪我をするリスクもゼロではありません。

そして少年同士の紛争を解決させて終わりではなく、そのトラブルの原因解明や少年たちへの適切な指導を行い、再発防止策を考えていくのも法務教官の大切な仕事です。

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法務教官の悩み

法務教官の勤務先である少年院や少年鑑別所の収容施設は、24時間保安の必要があります。

そのため法務教官は昼間勤務と昼夜間勤務を交代で担当することになり、生活リズムは不規則になりがちです。

夜勤を担当する場合は仮眠をとることもできますが、夜間になにかトラブルが起こったときにはすぐに対処しなければなりませんので、心からリラックスするのは難しいでしょう。

配属先施設の法務教官の数が少なければ、自分に夜勤が回ってくる頻度も多くなります。

法務教官は体力にも自信がなければ長くは続けられない仕事です。

法務教官を辞める理由で多いものは?

法務教官が日々相手にするのは、非行に走ってしまった少年たちです。

法務教官として少年の指導にあたっても、こちらの言うことをまったく聞いてくれない少年もなかにはいるでしょう。

さらに非行少年を収容する少年院や少年鑑別所の雰囲気は独特のものであり、法務教官として採用されれば、ほとんどの人がこれまでの人生で体験したことのない世界で働くことになります。

その結果、少年たちとのやり取りに強いストレスを感じたり施設の雰囲気に慣れなかったりして、法務教官を辞めてしまう人も少なくありません。

また法務教官は全体的に男性が多い職業であり、男子少年院であれば、そこで働く法務教官も基本的には男性が配属されます。

そのため体育会系の雰囲気のある施設も多く、その環境に負担を感じてしまい退職に至る人もいます。