【和菓子作家】「一番やりたいことを、今、やらなくては」28歳で会社員から次なる道を切り開いた坂本紫穂さん

好きを仕事にしてる人を紹介するインタビュー記事。
今回は、IT企業の会社員からフリーランスとして独立後、和菓子作家へ転身した坂本紫穂さんからお話を伺います。

和菓子作家の活動内容

和菓子作家の活動内容について教えてください。

ホテルやレストラン、デザート店、企業などの和菓子の監修やプロデュース、レシピ制作などをしています。

また、国内外でイベントやワークショップを実施したり、百貨店や企業の商品発表会などで制作した和菓子を展示しています。

ほかにも和菓子教室の開催や雑誌への寄稿などもしています。

どのようなスケジュールでお仕事をされているのでしょうか?

午前中は和菓子のアイデアをまとめたり、企画を考えたり、作品の試作をしています。

アイデアを膨らませるために散歩やヨガでリラックスすることも。

午後は打ち合わせやデスクワークが中心ですね。

朝6時に起きて、夜22時くらいに寝る生活です。

イベントや和菓子教室などは土日開催が多いので、必要であれば平日と同じように土日も仕事をしていますが、今年からは土日はできる限り休むようにしています。

和菓子作家を目指したキッカケ

幼い頃から和菓子はお好きでしたか?

好きでした。優しい存在だと感じていました。

7歳離れた妹が乳製品アレルギーで、綺麗な和菓子を喜んで食べていたのが印象に残っています。

妹が笑顔で上生菓子(練り切りなど)を選び食べている様子を見て、私自身も嬉しかったのです。

和菓子は私の好きなものの集合体。

食べもの、小さいもの、綺麗な色づかい、和のもの、抽象的な雰囲気、日本の四季…それらすべてを和菓子は網羅しています。

私にとって、大変魅力的で興味深い存在でした。

そこから和菓子作家の道を目指すようになったキッカケを教えてください。

私自身、和菓子をつくり始める前の約6年間、IT企業でコンテンツのプランニングやプロデュースに携わっていました。

とても充実していましたし、やりがいも感じていたのですが、28歳の誕生日のときに今後自分が生きていく上での新しい方向性を決めたいと考え「何か一生をかけて取り組めるものはないだろうか?」と思い立ちました。

いろいろと探していく中で辿り着いたの思いついたのが和菓子だったのです。

そして、和菓子を仕事にしようと決意したのは、2011年の東日本大震災がきっかけです。

「一番やりたいことを、今、やらなくては」と思ったのを、今でも覚えています。

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和菓子作家への道のり

会社員から和菓子を仕事にしたいと思った時、どのように行動へ移しましたか?

はじめは会社員を続けながら和菓子づくりをしていました。

そこから少し経ったタイミングで会社を辞めて、フリーランスで企画の仕事をしていました。

いきなり和菓子で独立したわけではありません。

和菓子の素材に関する知識や感覚を深め、少しずつ和菓子の表現の幅を広げていき、今に至ります。

独立後すぐに和菓子作家として収入へ繋がったわけではないのですね。

もちろん、繋がらないですよね。

ただ、ありがたいことに応援してくれる友人知人がたくさんいてくれて、人を紹介していただいたり、私のお菓子を食べてもらえる場をつくっていただいたり。

多くの機会に恵まれました。

こういった繋がりを大切に受け止め、ベストを尽くし続けることで今の自分があると思っています。

IT業界での経験が和菓子作家に生かされたと感じることはありますか?

「向き合う気持ち」でしょうか。

IT業界での仕事も和菓子作家としての仕事も基本は一緒だと思っています。

最終的につくり上げるものは違いますが、「相手のことを考えて計画し、丁寧につくり上げる」というプロセスはどちらも同じだと感じています。

和菓子作家のやりがい、むずかしさ

和菓子作家の活動をする上で、どのようなやりがいや楽しさを感じていますか?

やはり、人に喜んでもらえることですね。

和菓子教室の生徒のみなさんがご自身で仕上げた和菓子を嬉しそうに眺めていたり、笑顔でご試食されている様子を見るとき。

イベントなどで最前列に並んでいる小さなお子様がワクワクと好奇心いっぱいにデモンストレーションを見てくれているとき。

美味しいお菓子、綺麗なお菓子は人を笑顔にすると感じます。

和菓子を見て喜んでくださる顔を見ると、私も嬉しい気持ちになります。

逆にむずかしさや大変だな、と思うことはありますか?

和菓子は食べ物なので、イベントやレッスン・レシピ制作・作品づくりなど、全ての作業において衛生面・安全性に対し最大限に気を遣います。

また、レシピ制作の場合は誰が作っても同じ仕上がりになるように、何度もシミュレーションをします。

レシピを説明する言葉の表現や、作る上での小さなポイントやコツの伝え方も十分に検討します。

どちらも大変というよりは、毎回「慎重に」「丁寧に」なる作業です。

和菓子作家としての目標

どのような想いを持って和菓子の仕事をしていますか?

「和菓子の可能性を広げながら、和菓子のファンを増やし、和菓子で多くの人を笑顔にしたい」という想いで日々の活動をしています。

そのモチベーションは、やりがいでお話した内容にも繋がりますが、これらを叶えることにより自分も嬉しい気持ちになるからです。

今後、和菓子作家の活動を通して目指していることを教えてください。

ここ数年は、新しい「茶会」の形を探求するアートプロジェクト、The TEA-ROOMというチームでも活動しています。

これまでに音楽フェスやイベントなどで茶室を制作、参加者のみなさまをお茶と和菓子、そしてパフォーマンスでおもてなししてきました。

今後も和菓子作家として’お茶菓子’の可能性を模索していきたいです。

そして、国内外問わず、広く活動していきたいと思っています。

特に海外でのリアクションは自分たちの新しい学びにも繋がります。

日本国内にとどまらず、幅広く、深く、経験を重ね続けたいです。

好きを仕事にしたい人に向けてメッセージを

最後に、好きを仕事にしたい方へメッセージをお願いします。

自分の好きなものへの想いを大切に。

私自身、28歳のときに「一生をかけて取り組めるものはないだろうか?」と考え、好きなものへの向き合い方や自分が実現したい方向性を探してきました。

ゆっくりでもいいので、好きなものへの想いをしっかり伝えられる方法を考えていくと、少しずつ見えてくるものがあると思います。

自分らしく前へ進んでいってくださいね。

坂本さんに聞く、和菓子の3つの魅力

1. 食べられること
食べてもらえることは、フレンドリーです

2. 小さいこと
和菓子の控えめな佇まいは、見ているだけで癒されます

3. 可愛らしいこと
季節や情景を映す和菓子は、同じ経験を持つ人の心に響きます

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