奨学金の申請理由(家庭事情・経済状況)の書き方・例文を紹介

奨学金を申し込むにあたって提出する書類には、奨学金の申請理由を書く欄があります。

日本学生支援機構の奨学金の場合、「家庭事情情報」に奨学金の受給を希望する理由を200文字以内で記載します。

奨学金の申請理由は審査に影響するのか、どのような内容を記載すればいいのか、詳しく見ていきましょう。





奨学金の「申請理由」とは?審査に影響する?

奨学金がなぜ必要なのかを伝えるための項目

奨学金の「申請理由」は、なぜ進学するにあたって奨学金が必要なのかを伝えるための欄です。

経済的な理由で進学を諦める学生を減らすことが奨学金制度の目的です。

本当に奨学金を必要としている学生給付できるよう、給付対象として適切かどうかを確認することを必要としています。

そのため、どのような理由で学費が足りないのか、具体的に記載することが重要です。

漠然と「お金が必要だから」といった書き方をするのではなく、家計の状況や経済的な事情について的確に伝えなくてはなりません。

読んだ相手が「この事情であれば、奨学金で学費をまかなう必要がありそうだ」と納得するかどうかを判断基準にするといいでしょう。

第一種奨学金など申請者の多い奨学金では審査に影響しやすい

前述のように、申請理由は奨学金を必要とする理由を知る上で重要な項目です。

そのため、きちんとした理由が書かれていなければ審査に通らない可能性も十分にあります。

とくに無利息の第一種奨学金のように申請者多数となりやすい奨学金の場合、より必要性の度合いが高いと思われる学生へ優先的に給付が決定することも十分に考えられます。

ほとんど同じ条件の学生が複数おり、募集人数の関係から全員に奨学金を給付できない場合、申請理由が給付可否の判断材料の1つになることもあり得ます。

このように、申請理由が奨学金の審査に影響する可能性は十分にあるため、しっかりと考えて書くべきなのです。

奨学金の申請理由は進学する本人が書くべき?

奨学金の申請理由は家計や世帯収入といったお金に関する事項に触れる必要があるため、学生自身よりも保護者が書いたほうがいいのでは、と考える人がいるかもしれません。

しかし、奨学金は進学する学生自身が受け取るものであり、保護者に給付されるものではありません。

申請するのも学生自身ですので、申請理由は学生が自分の立場で書く必要があり、記載も本人がしたほうがよいです。

申請内容の書き方も、自分が進学して学ぶために学費が必要になるという観点で書かれていることが大切です。

ただし、家計に関することは保護者に聞かなければ詳細が分からない部分もあるため、前もって保護者とよく話し合っておくことが大切です。

奨学金の申請理由に書く内容とは?

奨学金の申請理由は長々と書くものではありません。

200文字など字数の目安が記載されている場合もありますが、およその目安として200文字前後と考えておくといいでしょう。

この文字数の中で、奨学金を受け取りたい理由を簡潔かつ的確に伝える必要があります。

とくに次の3つの項目については、申請理由に必ず入れておきたい要素です。

進学に必要な学費が不足することを伝える

進学するために必要な学費をまかなえないことが奨学金を申請する理由のはずですので、学費が不足する事情について必ず触れましょう。

事実を誇張した書き方ではなく、あくまで正直に、実際の事情を書くことが大切です。

このとき、進学することへの意欲や学びたい内容について触れることも大切です。

学びたい意欲があるにも関わらず経済的理由によって進学を断念せざるを得ない学生を減らすことが、奨学金制度の目的だからです。

進学を希望しているものの、経済的な事情から学費をまかなえそうにない、といった実情が伝わるように書きましょう。

家庭の経済状況や収入の実態を伝える

家庭の経済状況や保護者の収入の実態には必ず触れましょう。

具体的な世帯年収などは別途記載することがほとんどですので、申請理由では必要な学費をまかなえない状況にあることについて具体的に伝えます。

具体的な理由の例
  • 母子または父子家庭である
  • 保護者が非正規雇用である
  • 兄弟が多い
  • 事情により保護者の給与が減少した
  • 保護者がリストラにあった
  • 保護者が病気などの理由で働けない

月々の収入から学費として捻出できる金額の目安を具体的に記載してもいいでしょう。

保護者から経済的な援助を受けられそうにないのであれば、アルバイトをしても学費を全額まかなうことは困難な事情を書きます。

このように、進学資金を準備するにあたってシビアな状況にあることを伝えることが重要です。

奨学金の使途と給付されない場合の影響を伝える

奨学金は学費をまかなうために受け取るものですので、基本的には全額を学費に充てるのがルールです。

ただし、居住地によっては親元を離れて一人暮らしをしなくてはならない場合もありますので、生活費の一部をまかなうために使うこともあり得ます。

こうした奨学金の使途をできるだけ詳しく、具体的に記載しましょう。

また、もし奨学金が給付されなかった場合にどのような影響があるのか伝えることも重要です。

たとえば、進学を断念せざるを得ないことや、卒業まで学費の納入を続ける見通しが立たない状況について記載します。

奨学金が全く受け取れない場合、進学そのものに大きな影響があることが伝わると、給付が実現する可能性が増すことも考えられます。

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奨学金の申請理由の例文

奨学金の申請理由は自分の言葉で書くのが鉄則です。

家庭事情や収入に関する状況は人によってちがいますので、書き方に正解は存在しません。

しかし、高校生にとって奨学金の申請理由を書くのは決して易しいことではないため、文例を参考にしながら自分なりの申請理由を考えることも大切です。

例文1:世帯年収では学費を支払えないことを伝える例文

父は2年前に早期退職者の対象となり、現在は契約社員として介護職に就いています。

年収が正社員の頃の半分以下となり、年間80万円の学費を捻出するのが難しい状況です。

将来、技術者になる夢を叶えるために大学の理工学部で学びたいのですが、奨学金をお借りできない場合、進学を断念しなくてはなりません。

このような事情から、申請する額の奨学金をお借りして学費に充てたいと考えております。

例文2:アルバイトをする時間的余裕がないことを伝える例文

両親は自営で飲食店を営んでいますが、新型コロナウイルスの影響で来客が激減し、学費に回すお金が足りなくなってしまいました。

弁護士資格の取得を目指して進学し、学業に充てる時間を最大限確保したいため、アルバイトをする時間はほとんど確保できないと思われます。

奨学金をお借りできない場合、弁護士の夢は諦めなくてはならないとも思っております。

学業に専念するため、貴機構の奨学金をお借りし、学費に充てたく存じます。

奨学金の申請理由(家庭事情・経済状況)はどう書けばいい?のまとめ

奨学金の申請理由は、主に家庭事情や経済状況について伝えるための欄です。

高校生の皆さんにとって、こうした文章を書くのは不慣れで戸惑うことも多いかもしれません。

重要なのことは、実態をありのままに伝えられるよう誠実に書く姿勢です。

保護者とじっくりと話し合い、自分の言葉で申請理由を書けるよう準備しておきましょう。

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