NGOとNPOの違いは?

皆さんも、きっと一度は「NPO」や「NGO」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

どちらも「世の中のためになる活動をしている団体」というイメージが強く根付いている一方、それぞれの組織の活動内容や役割はあまり知られていないようです。

そこで今回は、NPOとNGOの特徴を見ていきながら、両者の違いについても紹介していきます。





NPOの役割・活動目的

利益を目的とせず社会貢献活動を行う

NPOは、「Non Profit Organization」の略で、日本語では「非営利組織」と訳されます。

NPOの一番の特徴は、「非営利」という言葉にあるように、活動目的を企業のような営利としない点にあります。

狭い意味では、社会貢献活動や慈善活動を行う市民団体のことだと考えるとわかりやすいかもしれません。

具体的には、地域活性化、里山保存、地雷撤廃、子どもの虐待防止など多岐にわたるテーマを扱っています。

NPOの種類

NPOを細かく分けていくと「NPO」「認証NPO」「認定NPO」の3種類があります。

「NPO」が民間で非営利団体を行う団体を指すのに対し、「認証NPO」は法人格を持った組織のことを、「認定NPO」は認証された組織のうち税制優遇等の措置を受けるために特別な手続きを経た組織のことを意味します。

認証や認定を受けるには審査が必要とされ、2019年度01月末現在、日本全国で51,403のNPOが認証を、1,142のNPOが認定を受けています。

NPOは一般市民が個人でも設立ができますが、規模が大きくなってくると、より社会的な信頼を高めるために法人格を得るケースが多いです。

NGOの役割・活動目的

政府とは異なる立場で世界的な問題に取り組む

NGOは「Non Governmental Organization」の略で、日本語では「非政府組織」と訳されます。

「非政府」というと何となく難しく聞こえますが、簡単にいえば、政府とは異なる民間の立場から世界的な問題に取り組むのがNGOです。

具体的には、NGOでは途上国の貧困問題、地球環境問題、人権問題など、国境や民族、宗教の壁を越えて、さまざまなテーマに取り組んでいます。

NGOは世界にもたくさんある

現在、国際協力活動に取り組んでいる日本のNGOの数は400団体以上あるといわれています。

NGOは貧困・平和・環境といった地球規模の問題に取り組むことから、外務省がNGOに資金協力等の支援を行うなど、協力して活動を進めるケースも増えています。

世界にもNGOは数多くあり、有名なところでいうと「国境なき医師団(フランス)」や「SAVE THE CHILDREN(イギリス)」などが挙げられます。

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NPOとNGOにはどんな違いがある?

NPOとNGOは、先述したように単語からの定義付けはできるものの、実際にはさまざまな解釈がなされています。

両者に共通しているのは「政府と企業のいずれからも独立した民間の団体である」という点です。

つまりNPOもNGOも非営利であり、さらに非政府であるということです。

こうしたことから、両者の違いについて考えるのは難しいところもありますし、そもそもNPOとNGOは決して対立した概念ではありません。

あえて違いを明確にしようとするならば、とくに営利を目的としないことを強調したのが「NPO」、政府とは異なる立場であることを強調した組織が「NGO」だと考えてよいでしょう。

また、最近の日本では、NPOはおもに国内で活動をする比較的小さな組織のことを、NGOはグローバルな活動をする比較的大きな組織のことを、このように呼ぶことが増えているようです。

しかしながら、NPOでも国際的な活動をしている組織はありますし、規模の大きな組織もありますので、その点は柔軟に考える必要があります。

NPOやNGOで働く方法は?

NPOやNGOで、新規採用を行っている組織はあまり多くありません。

欠員が出たり、事業拡大をしたりする際に採用を行うケースが大半で、そのときの採用人数もほんのわずかとなっています。

NPOやNGOの事業で得た利益は、必要経費を除いて全て活動費用に回す必要があります。

もちろん、どちらの組織も収益を上げない組織ではありませんから、給料をもらって働く人もいますが、給料が出るとしても一般企業や公務員の5割~7割程度であることも珍しくはありません。

実際には少人数のスタッフが、ボランティアや支援者に支えられて活動しているのが実情といわれます。

就職するのは決して楽な道ではありませんが、団体によって活動内容も異なれば、仕事内容も、どのような人材を必要としているのかも異なります。

グローバルな活動を行うNGOであれば英語力などが求められるケースも珍しくありませんし、高い事務処理スキルを活かして事務職運営に携わる人もいます。

まずは自分がどのような活動をしたいのかしっかりと考えたうえで、それに見合う組織の求人情報を探していくことが必要になるでしょう。

この記事のまとめ

NPOもNGOも非営利かつ非政府の組織でありながら、一般的にはNPOはおもに国内で、NGOはグローバルに活動するというのが、両者の大きな違いといえるでしょう。

ただし、NPOもNGOもさまざまな組織があり、組織によって活動方針や規模は異なっています。

言葉だけにとらわれず、組織の実態についてもよく見ていくようにしましょう。

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