健康科学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





健康科学の概要・理念

私たちが健康に暮らしていくためには、病気を予防し健康増進を図るための知恵が必要です。

健康科学では、そのための理論と具体的な方法について研究し、人々の健康増進とその維持に役立てることを目指します。

健康を維持するために必要とされる知識は幅広く、さまざまな方法が考えられます。

たとえば、運動不足が健康に悪影響を及ぼすことは一般的に知られていますが、どのような運動をどの程度することが健康維持に役立つのかを明確にするのであれば、理論の裏付けと実際の運動を通じた効果の調査・分析が必要になります。

栄養のある食物をバランスよく摂取することも健康維持のために欠かせませんので、栄養が体にどのような影響を及ぼすのか、より効果的に摂取するにはどうすればいいのかを考える必要があります。

また、こうした健康維持のために必要なケアや指導の方法を体得し、指導する人を養成することも求められています。

健康科学においては、こうした知識・技能を見つけるため、人体の特徴や仕組み、運動や栄養が体に及ぼす影響といった観点から、健康増進とその維持に役立つ知識を習得していきます。

健康科学で学ぶこと

健康科学では、健康管理とその指導法について運動・栄養・教育心理の3つの分野に分けて学びます。

運動が体にどのような影響をもたらし、健康維持のために適切な運動量や運動の方法はどのようなものであるのかを研究します。

栄養については、食物に含まれる栄養素や体にとってどのような効果があるのかを知るとともに、必要な栄養をより効果的に摂取する方法を探求します。

教育心理の観点においては、健康維持・増進のための指導法を習得するとともに、健康を保つために必要とされる心のケアについても学び、専門家を養成することを目指します。

このように、健康増進とその維持ための理論や方法論について、科学的な視点から学ぶのが健康科学の特徴と言えます。

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健康科学の大学での授業科目の例

運動健康論

健康維持に役立つ運動のあり方や、運動が体に及ぼす影響・効果について理解し、役立てていく方法を研究します。

栄養管理学

栄養が体にどう作用するのかを知り、よりよい方法で栄養を摂取するための方法を探求します。

健康心理学

心の状態が健康に及ぼす影響や、体を健康に保つ上で必要な心のケアについて学びます。

健康教育学

健康についての正しい知識を伝え、健康増進に向けた意識向上を促す指導者としての基礎を習得します。

コーチング論

健康維持・増進について人に伝えるにあたって、適切なコミュニケーションの図り方や説得の方法について考察します。

健康科学のレポート・テーマの例

健康科学のレポートでは、健康の維持・増進に関わる栄養や生活習慣、運動の種類や頻度、健康状態を知るための計測方法といったテーマが与えられます。

スポーツ科学心理学といった健康科学と関わりのある分野も参考にしながら、科学的な視点で考察することが求められます。

  • ・朝食摂取状況と生活習慣
  • ・亜鉛および魚油の摂取が鉄代謝に及ぼす影響
  • ・高カカオチョコレート摂取による褐色脂肪組織の変化
  • ・スマートウェアによる睡眠時心電図計測
  • ・ハイヒール着用が下肢筋活動へ及ぼす影響

健康科学と関連する学問

スポーツ科学や栄養学は、健康維持・増進に役立てるという観点においてはどちらも健康科学と関わりの深い学問分野であり、研究テーマによっては研究内容が重複することもあります。

また、心と体の健康は密接に関わっていることから、心理学の理論や研究成果を健康科学において応用することもめずらしくありません。

人の体について科学的な視点から考察するという意味においては、医学看護学薬学といった分野とも関わりがあり、これらの分野の知見を健康維持・増進のために役立てることもあります。

健康科学を学んで就職に有利な業界・仕事

健康についての専門知識を得ることによって、スポーツや健康に関連する業界への就職が有利になる場合があります。

一例としては、スポーツメーカーや食品メーカー、サプリメントの開発や販売に関わる企業への就職においては、健康科学を学んできたことがアピールできるでしょう。

近年ではヘルステックと呼ばれるような、健康の維持・増進に役立つスマートウェアの開発なども進んでいますので、こうした端末やソフトウェアの開発に携わるという道もあります。

高齢化社会となり、健康に長生きすることに対する社会的な関心が高まりつつありますので、健康に関する書籍や雑誌を発刊する出版社など、マスコミ業界への就職を目指す方法もあります。

このように、人々の健康に関わる仕事はさまざまな業種・職種にわたっていますので、健康科学を学ぶことで得た知識や技能を活かせる分野を自ら見出だすような観点も必要とされます。

前述のヘルステックのように、健康に関わる新たな市場が生まれる可能性もありますので、健康科学の知識を活かせる仕事が今後ますます増えていく可能性もあるでしょう。

健康科学の知識は人生でどう役立つ?

年齢を重ねるにつれて病気のリスクと予防法について関心を寄せるようになるのは、誰にとっても当てはまることです。

健康科学を学ぶことで、食事や運動といった生活習慣が健康にどのような影響を及ぼすのかについて科学的な見地から理解することができますので、自らの健康についても若いうちから気をつけておくことにつながるでしょう。

健康に対する世の中の関心が高まっている中、健康法についての情報が氾濫しつつあります。

こうした情報を1つ1つ精査し、科学的な視点にもとづいて提唱されているものかどうかを見極める上でも、健康科学で学んだ知識を活かせるはずです。

健康科学の知識は、このように生涯を通じて役立てていくことができる汎用性の高い教養となり得るのです。

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