【回転寿司評論家】「目標に向かって種をまき、水を与える」全国各地年間500店舗を回る 米川伸生さん
今回は、TVチャンピオン2の「回転寿司通選手権」でチャンピオンになった経験のある回転寿司評論家・米川伸生さんからお話を伺います。
回転寿司評論家の活動内容
回転寿司評論家として、どのような活動をしているのでしょうか?
回転寿司に関わる広報的な活動を中心に、回転寿司店のコンサルティングなども行っています。
テレビ、雑誌などのメディアで回転寿司特集が組まれる場合は、大抵僕のところに話がきます。
あとは、回転寿司に関する記事の執筆とか。
回転寿司企業様向けの講演会を月に2回ほど行ったり、メニュー開発やお店のプロデュースを頼まれたりすることも。
回転寿司産業の相談は何かと僕にきていると思いますね(笑)
回転寿司に関わることはすべてやられているということですね。中でもどのお仕事が収入としては大きいのでしょうか?
外部と回転寿司業界を繋げる企画が、一番収入として大きいですね。
メディアなどはお金を得るよりも、回転寿司評論家として知ってもらうための仕事だと思っているので。
そうすることで、色んな仕事が来るようになります。
知ってもらわない限り仕事は来ない。
そのためにメディアにも出ている感じですね。
おかげで回転寿司評論家としての仕事はとどまることなくあります。
かなりお忙しいのでは…?
そこまでではないですよ。
月に10日近くは出張に行ったり、何かと打ち合わせがあったりしますけど…それなりにゆっくりする時間もあります。
休みの日には、お酒を楽しみに回転寿司店に足を運びます。
回転寿司に興味を持ったキッカケ
本当に回転寿司がお好きなんですね。
好きですね。
未だに、週5日行くこともあるほど。
5歳の時からずっと回転寿司に通っているので、これまでどれくらいの数のお店に行ったか覚えていませんね。
回転寿司を好きになったキッカケは?
もともと寿司が好きで。
小さい頃、おばあちゃんの家に行くと、毎回寿司の出前を取ってくれました。
それがすごく楽しみだった。
寿司を食べるには出前を取るのが当たり前だったのですが、5歳くらいの時におばあちゃんの家の近くに回転寿司屋ができて、連れて行ってもらって。
出前の時は、決まったものしか食べさせてもらえなかったけど、回転寿司だと自分の好きなネタが食べられる。
そこから、回転寿司に行くのが大好きになりました。
大学の時には近所に回転寿司店があったので、高頻度で通っていましたよ(笑)
そうやって食べていくと、知識として身についてきます。
この回転寿司は何のネタがあって、どんな雰囲気のお店なのかが分かるようになる。
でも、回転寿司の知識がある人なんて、ほとんどいなかった。
大人になるにつれて、色んな人から回転寿司のことを聞かれ始めるようになりました。
回転寿司評論家になった経緯
回転寿司評論家として活動を開始したのはいつ頃から?
1990年半ばに回転寿司ブームが到来したときに、初めて“回転寿司評論家”を名乗りました。
なので、当時は本業として回転寿司評論家の活動をしていたわけではありません。
本業をしながら、色んな場所で「回転寿司が好きで、めちゃめちゃ詳しいんですよ!」ってずっと言い続けていました。
そしたら、回転寿司ブームがきた時にメディアの特集で呼ばれるように。
回転寿司に詳しい人なんていなかったので、詳しいと言い続けてきた僕に仕事が来始めるわけですよ。
専門家的な立ち位置でどんなお店があるかというような話をするようになりました。
そこからどうやって本業になっていったのでしょうか?
2007年にTVチャンピオン2の「回転寿司通選手権」でチャンピオンになったことが大きいですね。
それまでは、ただただ回転寿司が好きで詳しいだけだった。
でも、チャンピオンになったことで、「もう少し極めてみようかな…」と思うようになりました。
そこで、1年間全国各地の回転寿司500店舗巡ってブログに書こうと目標を決めました。
北海道から沖縄まで日本列島横断して、誰に言われるでもなく毎日回転寿司で寿司を食べて、ブログに書くということをしました。
多いときは一日5店舗巡ることもある。
そんなことをする人間はいなかったから、メディアから目をつけられます。
「あいつは、ただ者じゃないな」と。
そこから、徐々に仕事が増えていって本業になった感じですね。
それまでは放送作家やライターのお仕事も続けていたということですか?
そうですね。
続けながら、回転寿司に関わる仕事をするための壮大な種まきを並行して行っていました。
結果的に、その種まきが成功して、物凄い量の芽が生えてきた。
なので、一本に絞るように。
また、放送作家として叶えたかった目標が叶ってしまったというのもあります。
僕が放送作家になったとき、クレイジーキャッツ、ドリフターズ、サザンオールスターズと仕事をする、と目標を立てていたのですが、3つとも叶ってしまった。
放送作家はやり切ったなと。
そんなタイミングでもあったので、回転寿司評論家を極めようと決意しました。
回転寿司評論家のやりがい、つらさ
回転寿司評論家の活動をする中で、どのようなやりがいや楽しさを感じますか?
自分の素敵だと思う回転寿司店が増えることにやりがいを感じますよね。
これまで色々なお店に行ったこともあって、多くのお店の方たちと顔見知りです。
そのおかげで、ある程度業界的にリードしていける立場になっていると思います。
これまで培ってきた知識や関係が活かされて、僕の考える理想の回転寿司店が世の中に出始めています。
「どんな回転寿司店がいいか?」と相談を受けたときに、回転寿司店の“こうあるべき”を伝えていて。
それに賛同して実践したお店から喜ばれること、同時に自分の行きたいと思えるお店が増えたことは、大きなやりがいを感じます。
逆につらいな、大変だな、と思うことはありますか?
今はほとんどないですけど、それこそ年間500店舗回るのはつらかったですね…。
1日5軒回るとなると、一日中食べ続けるわけですよ。
しかも、僕、寿司だけじゃなくて温泉・地酒・B級グルメも大好きだったので、延々食べていました。
だいたい車で1週間くらいかけてツアーに出るのですが、あれはきつかったです(笑)
回転寿司評論家としての目標
今後、回転寿司評論家の活動を通して目指していることを教えてください。
回転寿司業界をもっと元気づけていきたいと思っています。
回転寿司自体の人気は衰えていないのですが、企業数自体はここ10年で約2割減。
というのも、大手寿司チェーンが増えた結果、地元にあるような個人店が軒並み無くなってきてしまったんです。
それが物凄く悲しい。
そういうお店にも必ず良さがある。
でも、それを知っている人はとても少ない。
回転寿司の良さって色々な部分にあります。
味だけでなく、ネタの豊富さ、魚の切り方、どこから仕入れているのか…お店によってさまざまなストーリーがあるんです。
そのお店ごとの違いやストーリーを公の場で伝えられるのは僕しかいないと思っているので、そこは今後も伝えていきたい。
回転寿司のプロデュースなどコンサルティング的なことは今後も行っていくのでしょうか?
“お客さんに楽しんでもらえる回転寿司店にしたい”という気持ちを持っているお店から相談があれば、引き続き僕の考える理想の回転寿司店を積極的に提案していこうと思っています。
とはいえ、企業には企業なりの考え方があるので、押し売りしようとは全く思っていません。
ただ、単純に回転寿司ってもっと遊べる、楽しくできる要素がとても多いです。
ところが、回転寿司業界にずっといる人たちから、そういったアイデアは生まれてこない。
放送作家やライターとして色んな業界と関わってきた僕は、その点色々なアイデアを出すことができます。
このアイデアを必要としてくれる人たちには提供していきたいです。
また、回転寿司業界を元気づけるためにも、僕一人の力では進めるのではなく、色々な人を巻き込んでいきたい。
僕の考えに賛同してくれる企業、異業種の人たちを増やす。
多くの新しい知恵を使って、大きな力で元気づけていきたいと考えています。
好きを仕事にしたい人に向けてメッセージを
最後に、好きを仕事にしたい方へメッセージをお願いします。
種まきをすることが大切です。自分の目標に向けて、色んなところに種をまく。
例えば、僕は放送作家の時も、回転寿司評論家になった時も、必ず色々な場所でその目標を口に出していました。
「クレイジーキャッツが大好きです!詳しいです!」と話していたら仕事に繋がりました。
「回転寿司が大好きです!詳しいです!」と話していたら、回転寿司評論家の仕事がきた。
ブログを書いていたのも同じです。
知識を身につけるために、全国各地の回転寿司を回っていましたが、同時に回転寿司店と関係を構築したり、僕が回転寿司に詳しい人だとブログを通してPRしたりと、壮大な種をまいている。
そして、芽が出るまで水をやり続ける。
関係を構築したお店とコミュニケーションを欠かさないとかね。
まいた種が芽になり、実になるまで、ひたすら水をやり続ける。
そして大きな実となったとき、初めて仕事に繋がります。
これは特別なことではなく、誰でもできること。
最終的なゴール(実)を定めて、その目標に向かうためには何(どんな種)が必要か。
その必要な種をとにかく色んなところにまいて、ゴールに近づくまでアクションを(水を与え)続けてください。
米川さんから教わる回転寿司で食べるべきネタ3選
1.アジ
理由:鮮度感がダイレクトに出るので、鮮魚に対する考え方や店の良し悪しがわかる。
高級寿司店ではアジは酢で〆るが、回転寿司ではそのまま捌いて提供するのが一般的。
良い店では朝獲れに拘ったり、活魚のまま仕入れ、注文が入ると捌くなどしている。
2.活貝
理由:活貝を提供している回転寿司店は意外と少なく、活貝を提供できるというだけでも店の姿勢が窺える。
何せ活貝は傷むのが早く、自信のない店では売り切れない恐れがあり、そのため、仕入れもしていない。
職人などがお客様にお勧めでればその心配もない。
中でも注文が入ってから貝を殻から剥くような店は素晴らしい。
3.おすすめボードに一番最初に書いてある魚
理由:グルメ回転寿司店(大手100円寿司チェーンの対極にある回転寿司店)ではほぼ例外なく、「おすすめボード」が掲示してあり、そこに本日のおすすめの魚が書かれている。
中でも一番最初に書いてある魚は、その日店が一番自信がある魚である。
これが単に「イカ」とか書いてあるようじゃなんだが、「函館産船上活〆真イカ」と表記してあれば、店が自信を持って売っている証拠になる。
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