浪人生の割合はどれくらい? 勉強時間を確保するには?
ところが、少子化の影響を受け2009年頃から「大学全入時代」と言われるようになり、志望する大学や学部さえ選ばなければ現役合格を目指せるようになりました。
そのため、近年では現役合格の割合が高まり、浪人してまで大学を目指す人は減っていると言われています。
実際に浪人生の割合はどのくらいなのでしょうか。
また、浪人した場合に必要な勉強時間を確保するにはどうしたらいいのでしょうか。
大学受験生に占める浪人生の割合と合格率
大学全入時代と言われるようになったとはいえ、とくに難関大学を中心に浪人して第一志望校合格を目指す人は一定数います。
しかし、現役生が多勢を占めると言われる時代ですので、浪人するという決断を下すのはある程度の覚悟が必要になっているのも事実でしょう。
大学受験生に占める浪人生の割合がどのくらいいるのか、浪人して第一志望校に合格できる人の割合はどうなっているのか、データをもとに確認しておきましょう。
大学受験生に占める浪人生の割合とは?
文科省が公表している学校基本調査によれば、2019年度の大学受験生のうち現役合格者は77.6%、一浪での合格者が17.0%、二浪以上の合格者が5.4%となっています。
出典:文部科学省 学校基本調査
7割以上の受験生が現役で合格しており、浪人する人の割合はおよそ2割強ということになります。
1990年代には、大学合格者のおよそ3人に1人は浪人生という時代もあったことを考えると、浪人生の割合は少なくなっていると言えます。
このように、統計データを見ても「大学全入時代」は決して大げさな表現ではなく、受験生の大多数が現役で合格する時代になっていることが分かります。
大学受験を目指すための予備校においても、現役生向けの講座をいかに充実させるかが重視されるようになっており、予備校への通塾層もかつてのように浪人生が中心に通うというよりは、現役合格を目指す人が多くなっている傾向があります。
浪人生が第一志望に合格する割合は?
では、浪人して第一志望を目指す場合、実際にどのくらいの人が合格を手にできているのでしょうか。
大学合格という観点で言えば、一浪、二浪あたりまででほぼ全員の受験生が達成できています。
しかし、第一志望の大学に合格する割合となると、浪人生のうちの1割から2割程度しか叶えることができていないと言われています。
現役生と比べると、第一志望に合格する割合としてはかなり低くなっていると考えていいでしょう。
浪人生が第一志望に合格しにくい原因の1つに、自己管理の難しさが挙げられます。
浪人生は現役生とは違い、丸1年間を受験勉強だけに費やすことができますので、一見すると時間的な面では有利なように思えます。
ところが、実際には1日24時間を自由に使えるとなると自己管理ができない人も少なくないため、結果的に浪人しても成績があまり伸びず、第一志望合格が叶わないケースがあるのです。
難関大学になると浪人生はより多くなる傾向に
先に挙げた浪人生の割合は、大学受験全体で見た場合の数値です。
難関国立大学や早慶大といった難易度の高い大学になると、現役で一発合格することができず、浪人して再挑戦する人の割合が高くなる傾向があります。
ただし、難関大学で浪人生の割合が高いことと、浪人すれば合格できる可能性が増すこととは意味合いが異なります。
難関大学になればなるほど、現役生のレベルも高くなり、ライバルが優秀になっていきます。
1年間の浪人生活という助走期間をもってしても、合格ラインを余裕をもって超えるのは厳しいケースが少なくありません。
志望校のレベルが高くなればなるほど、浪人しても合格できない確率が高くなるのは事実ですので、志望校の選び方や併願校の選定をより慎重に考えておく必要があるでしょう。
浪人生の1日の過ごし方と必要な勉強時間
浪人生の1日の過ごし方は、現役時代とは大きく変わります。
高校に通う必要がなく、1日をフルに受験勉強に費やすことになるからです。
ひと口に浪人と言っても、予備校に通う人と完全に自力で勉強を進める人(宅浪)があります。
それぞれ、必要な勉強時間とその時間を確保するための過ごし方について、詳しく見ていきましょう。
浪人生が合格するために必要な勉強時間
浪人生が合格するために必要な勉強時間を考えるとき、「どれだけ勉強すれば合格できるか」という考え方をしがちです。
浪人生がどのぐらい勉強すべきか?という問いへの答えとしては、「勉強に充てられる時間はすべて勉強に費やす」となります。
現役生は高校への通学時間や、大学受験には直接関係のない科目の授業を受ける時間などがあり、純粋に受験勉強に充てられる時間は限られています。
一方で、とくに進学校の場合は授業内で受験対策のような予備校さながらの授業をしていることもめずらしくありません。
浪人生は、現役生のこうした時間も自力でカバーしていかなくてはなりません。
以上のことから、最低でも1日8時間、睡眠・食事・風呂などの時間以外をすべて勉強に充てるのであれば最大で16時間が必要な勉強時間となります。
必要な勉強時間を確保するための1日の過ごし方
1日8時間以上の勉強時間を確保するための過ごし方として、予備校に通う場合の例を具体的に考えてみます。
《浪人生の1日の過ごし方》
7:00〜8:00 | 起床・朝食 |
8:00〜9:00 | 予備校へ向かう |
9:00〜12:00 | 授業(午前) |
12:00〜13:00 | 昼食 |
13:00〜17:00 | 授業(午後) |
17:00〜19:00 | 予備校での自習 |
19:00〜20:00 | 帰宅 |
20:00〜21:00 | 夕食・風呂 |
21:00〜23:00 | 自宅での自習 |
23:00〜24:00 | 休憩・就寝 |
0:00〜7:00 | 睡眠 |
このスケジュール例では、予備校での授業時間が1日7時間、それ以外の自習を4時間確保できており、合計すると11時間を勉強に費やすことができています。
それでも睡眠時間を7時間確保できていますので、現実的に十分可能なスケジュールと言えるでしょう。
宅浪の場合は自分で管理しなくてはならないのがネック
先に挙げたスケジュール例は予備校に通う場合のものでしたが、宅浪の場合は予備校の授業時間にあたる7時間を自分で管理しなくてはなりません。
宅浪は予備校へ通う必要がなく、完全に自宅で勉強するのであれば移動時間が節約できたり、その日に取り組む勉強の内容を自分で決められるメリットがありますが、一方で「いま取り組んでいる勉強法で本当に合格できるのか?」という不安と常に隣り合わせとなります。
日々の勉強時間を確実に確保していくための自己管理も必要ですが、年間を通じてどの時期に何の勉強をするのかを計画し、進捗を自分でチェックしながら進める必要があります。
そのため、定期的に模試を受けたり、夏期講習や冬期講習の時期だけは予備校を利用するなど、学力や勉強方法を見直す機会を設けるようにしましょう。
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浪人生が勉強時間を確保するための方法
浪人生が志望校に合格できるかどうかは、浪人生活での自己管理をしっかりと行い、勉強時間を確実に確保できるかどうかにかかっています。
では、勉強時間を確保するためには、具体的にどうしたらいいのでしょうか。
先に紹介したような1日の過ごし方のスケジュールを作成しておくのはもちろん必要なことですが、それ以外に2つ、勉強時間確保のためにおすすめの方法を挙げておきます。
隙間時間をこまめに勉強時間に充てる
何時間単位でまとまった勉強時間を確保できることが理想ですが、「まとまった時間を取れるタイミング」を待っていると、なかなか机に向かえなくなってしまいます。
参考書や問題集は常に持ち歩き、自宅ではすぐに手が届く場所に置いておくようにします。
こうすることで、ちょっとした隙間時間に参考書を開いて勉強する習慣を身につけ、「時間を見つけて勉強する」という癖をつけていきましょう。
たった10分間の時間を1日に3回取るだけでも、半年間で90時間もの勉強時間を確保することができます。
電車やバスでの移動中や食事を終えた後の時間、予備校の授業が始まるまでの時間など、ちょっとした時間を見つけようと思えば必ず見つかります。
勉強時間の目標を立てて実績を記録する
日々のスケジュールや予備校の授業数、自習室の空き状況、その日の集中力など、さまざまな要因によって勉強時間には波があるはずです。
1日の標準的なスケジュールはもちろん立てておくべきですが、それ以外にも1週間、1ヶ月単位で勉強時間の目標を立て、予定と実績の差異が常に分かるようにしておくといいでしょう。
具体的には、その日の勉強時間を手帳やカレンダーに記録していき、1週間、1ヶ月単位で見直していきます。
その週の勉強時間があまり確保できていないようであれば、翌週は意識的に勉強時間を見つけて増やす必要があります。
こうして記録した結果は、「自分はこれだけ勉強してきた」という自信にもつながるため、勉強時間の目標と実績を記録を元にチェックしていく方法はおすすめです。
この記事のまとめ
10年前と比べると、受験生のうち浪人生の占める割合は着実に下がっています。
だからこそ、浪人という道を選ぶのであれば、相応の覚悟を持ち、自己管理をしっかりとしていく必要があるのです。
浪人することで勉強時間を確保しやすくなるのは事実ですが、時間ができれば勉強が捗るかと言えば、必ずしもそうとは限らないのです。
浪人して第一志望に合格できるのは1〜2割という現実を直視し、気を引き締めて勉強に取り組む必要があるでしょう。
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