大学の入試方法にはどんな種類がある?

大学入試にはさまざまな試験の種類があり、試験科目や実施方法は試験方式によって異なります。

大学入試の代表的な試験の方式としては、次の4つ挙げられます。

・一般入試
・センター試験
・推薦入試
・AO入試

どの試験方法で受験するかによって、力を入れて勉強しておくべき科目や試験の傾向に違いが出てきますので、それぞれの入試方法についてよく理解しておくことが大切です。





一般入試とは

一般入試とは、多くの大学が最もオーソドックスな入学試験として実施している試験の総称です。

学力試験であり、試験を実施して得点によって合否が決まるのが基本となります。

高校入試までは、出身校から受験校へ送られる調査書などの書類についても合否に影響することがありますが、大学受験の一般入試では「学力のみ」で判断されるのが特徴です。

ただし、同じ一般入試という呼称でも、国公立大学と私立大学では試験の実施方法や科目に大きな違いがあります。

そのため、国公立大学の一般入試と私立大学の一般入試は分けて考えたほうがいいでしょう。

国公立大学の一般入試

国公立大学の一般入試は、センター試験と二次試験の二段構えになっています。

センター試験は全大学で共通の問題となっており、大学ごとに受験を必須とする科目数は異なります。

国公立大学の8割以上がセンター試験で5科目以上を必須としていることから、国公立大学を受験するならセンター試験は5科目以上を受ける必要があると考えておいて問題ないでしょう。

二次試験は大学・学部ごとに独自の問題が出題され、試験内容も試験科目数もまちまちとなります。

二次試験には前期・後期があり、大学によってはさらに中期を加えた最大3回の日程を設けています。

ただし、前期日程で合格し入学手続きを完了すると、中期・後期日程で受験しても合格できないルールになっていますので、第一志望の大学は必然的に前期日程で受験することになります。

私立大学の一般入試

私立大学の場合、試験問題は各大学が独自に作成しており、試験科目や試験内容は大学によってまちまちです。

受験科目として3科目を課している大学が多いことから、私立大学を志望するのであれば3科目以上を受験することになると考えていいでしょう。

科目ごとの配点についても、大学・学部によってさまざまであり、特定の科目の配点を高くしているケースも見られます。

私立入試の人気校は一般入試の倍率が高くなる傾向がありますが、国公立大学と併願している人や、第二志望以降の出願校の人も少なくないため、実質倍率は見た目ほど高くないケースがほとんどです。

一般入試の科目と特徴

国公立大学の場合、二次試験で5科目が必須となっていることが多く、英語・数学・国語のほかに理科・社会のそれぞれ1科目を選択するケースがほとんどです。

私立入試では3科目受験が中心となっており、文系学部では英語・国語・社会、理系学部では英語・数学・理科の組み合わせが多く見られます。

ただし、経済学部のように文系・理系の両面の性質を持つ学部の場合、数学を選択できるようになっていたり、数学が必須科目となっていたりすることもあります。

私立大学の中には、英語・国語のみなど2科目以下で受験できるケースもあります。

こうした入試方式の大学・学部は出願者が多くなりやすく、倍率が高くなる傾向がありますので、受験科目が少ないからと言って合格のハードルが低いわけではないことに注意が必要です。

センター試験とは

かつては「共通一次」と呼ばれていたことからも分かる通り、受験する大学によらず全国共通の問題内容で行われる試験です。

もともと国公立大学の一次試験として設けられた試験ですが、近年では私立大学もセンター利用入試を導入する大学が増えており、試験の目的が拡大しています。

なお、2021年1月には従来のセンター試験に代わって「大学入学共通テスト」がスタートします。

ここでは、従来のセンター試験について、試験内容や科目について確認しておきましょう。

国公立大学の1次試験として

国公立大学を受験する場合、センター試験が1次試験となりますので受験は必須となります。

6教科30科目のうち、最大9科目を選択して受験することができます。

どの科目を受験するかは、大学の学部によって異なります。

センター試験実施後、主に国立大学では二次試験を受験するために必要な基準点を設けていることがあります。

いわゆる「足切り」と呼ばれるもので、センター試験の結果が一定以上の基準に届かなかった場合は二次試験の受験資格を与えない仕組みです。

大学ごとに目安となる点数がありますので、その点数を超えられるように勉強していく必要があります。

私立大学のセンター利用入試での活用

私立大学においても、センター試験の得点によって合否が決まるセンター利用入試を導入する大学が増えています。

国公立大学志望の受験生にとっては、必ず受験しなくてはならないセンター試験の結果を活用できることから、滑り止めとして受験する人もいます。

センター利用入試で受験した場合、大学による個別試験の受験は原則必要ありませんが、一部の大学では個別試験も課していることがあります。

試験科目は大学によってまちまちで、「外国語、国語、地理・歴史、公民から2科目」「外国語、国語、地理・歴史が必須、公民、数学、理科から1科目を選択」といった選び方をするケースが見られます。

センター利用入試は一般入試と比べると募集定員が少ないのに対して、出願者が多くなる傾向がありますので、倍率が高くなりやすいのが特徴です。

そのため、大学本来のレベルよりもやや高めの合格基準となることが少なくありません。

センター試験の科目と特徴

試験科目としては、地理歴史・公民と理科は最大2科目(理科は基礎を選択した場合に限り3科目)を選択でき、これ以外の科目は1科目のみとなります。

外国語は英語のほか、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語を選択することができ、英語を選択した場合はリスニング試験が必須となります。

センター試験は全問マーク方式で行われ、問題の難易度は基礎的なものとなっています。

そのため、いかにミスを防ぎ失点しないかが勝負となります。

また、センター試験特有の紛らわしい選択肢や、数学などで見られる数式の空所を補う形式の問題、ICプレーヤーで行われる英語リスニングなど、センター試験ならではの特徴に慣れておくことも大切です。

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推薦入試・AO入試とは

大学入試には、一般入試以外の試験方式もあります。

代表的なものとしては、推薦入試やAO入試が挙げられます。

これらの試験方式は、いずれも一般入試とは異なる考え方・合格基準に基づいて行われますので、それぞれの試験の特徴を押さえておくことが重要です。

推薦入試とAO入試のそれぞれの特徴と、一般入試との違いについて確認しておきましょう。

推薦入試の種類と特徴

推薦入試には公募制と指定校推薦があり、指定校推薦の場合は大学ごとに特定の高校の推薦枠が設けられています。

公募制には一般推薦と特別推薦があり、スポーツ推薦など特定の実績を高く評価されて推薦を受ける場合は特別推薦となることがあります。

どの推薦入試においても、出願するには高校の推薦書が必要になります。

一般入試のようにどの大学に出願しても自由なのではなく、高校から「あなたを推薦する」というお墨付きをもらう必要があるということです。

なお、指定校推薦や特別推薦の場合、推薦してもらえることが決まった時点でほぼ確実に合格となりますが、一般推薦の場合は不合格となる可能性も十分にあります。

推薦入試で不合格となった場合でも、同じ大学・学部の一般入試を受験することもできます。

AO入試の特徴

AO入試は一般入試と推薦入試の間に位置づけられるような試験方式です。

推薦入試のように高校からの推薦書は必要なく、自己推薦のような形で自由に出願することができます。

AO入試の試験内容は大学ごとに独自色が強く、面接や小論文だけでなく、プレゼンテーションの実施や事前課題の提出を求められることもあります。

一般的にAO入試では学力試験は課されませんが、大学によっては学力試験を行う場合もありますので注意が必要です。

また、AO入試の受験は「その大学・学部で学びたい」という強い意思があることが前提となりますので、基本的に専願となります。

一般入試との違い

推薦入試・AO入試と一般入試の大きな違いは、合格の判断基準にあります。

一般入試では専ら試験結果が合否の基準となるのに対して、推薦入試では調査書などから高校在学中の成績、活動実績、生活態度を総合的に判断して合格が決まります。

これに対して、AO入試は各大学が期待する学生像に該当する志願者を受け入れるための入試ですので、大学入学後の将来的な活躍への期待値が合否を分けます。

過去に焦点を当てるのが推薦入試、未来に焦点を当てるのがAO入試と考えるといいでしょう。

一般入試が学力のみを合格基準とするのに対して、学力以外の要素も合格の判断材料とする点が、推薦入試やAO入試の大きな特徴と言えます。

この記事のまとめ

大学入試にはさまざまな入試の実施方法があり、試験の違いによって合否の基準も異なっています。

自分が受験するにあたって適している入試方法はどれであるのか、仕組みを理解した上でよく考えておく必要があります。

入試方法によって必要な準備内容に違いがありますので、早めに調べて確認しておくことが重要です。

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