【クッキーアーティスト】「お菓子で笑顔に」世界に一つだけのオリジナルクッキーを生み出す平井理紗さん

(読了時間:6分51秒)

好きを仕事にしてる人を紹介するインタビュー記事。
今回は、お客様からオーダーをもらい世界に一つだけのクッキーをつくるクッキーアーティストの平井理紗さんからお話を伺います。

クッキーアーティストの活動内容

クッキーアーティストの活動内容について教えてください。

お客様からご希望のイメージをヒアリングし、世界に一つのオリジナルクッキーを作成しています。

また、現在は焼き菓子全般の製造販売、例えば季節に合わせたクッキー缶の販売なども行っています。

これまで手掛けてこられた作品(クッキー)のコンセプトは? また、代表的な作品について教えてください。

空間全体で楽しめる作品を意識して制作しています。

代表的な作品は、大学の卒業制作でつくった「盆栽クッキー」と「お寿司のクッキー」です。

盆栽部分はもちろん、地面の芝生を砂糖でつくったり、座布団も砂糖でつくりました。

タイトル『garden-bonsai-』

作品づくりのスケジュール

クッキーアートの制作スケジュールについて教えてください。

作品の規模によってさまざまですが、基本は約1週間です。

一例として、1日目に作品の構想と生地づくり、2日目に焼く作業、3~5日程度でアイシング(砂糖に卵白を加えて練ったものをクッキーの表面に塗る)をし乾燥させていきます。

オーダークッキーの場合、作品制作の1~2ヶ月前にお客様とイメージをすり合わせしています。

また、『盆栽』や『お寿司』など空間や世界観をつくるような大きな作品の場合は、クッキー以外の部分(周りの盆栽の台、ちゃぶ台など)の制作もするため、半年くらいかかる場合もあります。

作家さんは休みなく創作活動をしている印象があります。どのような割合で仕事とお休みの時間を取っていますか?

基本的にはすべての時間が制作につながっていると感じています。

クッキーを制作して実際に手を動かしている時間はもちろんですが、別件で出かけている時間も「このデザインやアイディアは創作に使えそう」と面白いものを探していることが多いです。

作業場にこもって制作することが多いので、意識的に出かけたり人と話したりすることで気持ちを切り替えて、スッキリした気持ちで作業するようにしています。

創作のインスピレーションを促進させるためにお気に入りのお店に行ったり、歩くことが好きなので散歩したりもしています。

とはいえ、仕事が詰まってくるとどうしてもずっと作業をしていますのですが…。

クッキーアーティストを目指したキッカケ

幼い頃から絵を描くこと、またクッキーづくりはお好きでしたか?

子どもの頃から絵を描くことは好きでしたが、とても上手というわけではなかったと思います。

加えて恥ずかしがり屋だったため、あまり人には見せていませんでした。

クッキーづくりに関しては、小学生の頃に型抜きクッキーをつくったのが最初だったかと思います。

さまざまな形に型抜いて焼き上がっていく様子を眺めているのが好きでした。

当時のことはそこまで覚えていないのですが、どうやら焼いたクッキーはほとんど自分で食べていたそうです(笑)。

大学では油画を専攻されていますが、そこからなぜクッキーアートをしようと考えたのでしょうか?

大学1~2年生のときは課題を与えられて作品を制作するスタイルでしたが、3年生からは個人でそれぞれの作品を制作していくスタイルになりました。

そのタイミングで先生と面談をした際、「最近どんなものをつくっていたか」という話しに。

そこで、当時趣味で制作していたアイシングクッキーやシュガークラフト(砂糖の手工芸品)について話しをしたところ、先生から「作品として制作してみたら?」と言葉をもらって、作品としてはじめて『お寿司クッキー』を制作しました。

『お寿司クッキー』の展示をしたとき、周りの方々の驚いた表情や思わず笑顔になる様子を見て、「もっとつくってみよう!」と感じるようになりました。

お寿司クッキー

クッキーアーティストへの道のり

クッキーアーティストになるために学んだこと・行動したことを教えてください。

クッキーに絵を描く部分は美大時代に学びました。

大学卒業後もクッキーアートを続けていくにあたって、しっかりしたお菓子の知識も必要だと感じたので、製菓専門学校に入り学びを深めました。

いつ頃からクッキーアーティストとして稼ぎを得ることができたのでしょうか?

はじめて注文をいただいたのは大学生の頃。

展示で知り合った方から、ウェディングクッキーのオーダーをいただきました。

その後、本格的にオーダークッキーや焼き菓子を売るようになったのは約二年間働いていた都内のお菓子教室を退職した2017年頃からになります。

働いていた教室を辞めて、独立に踏み切った理由を教えてください。

特に大きな理由はなかったのですが、いずれは自分で仕事をしていきたいと感じていました。

独立のタイミングとしては、現在借りているシェアキッチンのメンバーが空いたと連絡をもらったことが一つあったと思います。

独立後には並行して都内のお菓子教室兼お菓子屋さん(辞めた教室とは別のお店)でスタッフとして勉強しながら自分の活動をしており、教室とクッキーアーティストの両立は現在で2年半くらいになります。

週1~2回程度なので、自分の活動とスケジュールを合わせて勤めています。

クッキーアーティストのやりがい、むずかしさ

クッキーアーティストの活動をする上で、どのようなやりがいや楽しさを感じていますか?

自分のつくったものが直接お客様のもとへ届き、それを喜んでいただけることが嬉しいです。

オーダークッキーの場合、お客様のリクエストに応えるため内容は本当にさまざまです。

お客様のイメージに近い、世界に一つのものを作ろうと心がけています。

お客様から「期待通り」「期待以上!」と言っていただけた時は、とても嬉しく、やりがいを感じます。

逆にむずかしさや大変だな、と思うことはありますか?

一人ですべての業務を行っているので、スケジュール管理や体調管理などセルフマネジメントに気を配っています。

タイトル『sukiyaki』

クッキーアーティストとしての目標

どのような想いを持って作品をつくられていますか?

クッキーアートを見た人、食べた人が笑顔になったらいいな、お菓子をキッカケに会話が弾んだらいいなと思ってつくっています。

だからこそ、丁寧なものづくりを心がけているので、大量生産ではなく自分のできる範囲で作品をつくっていこうと思っています。

今後、クッキーアーティストの活動を通して目指していることを教えてください。

現在行っているクッキーの制作・販売、お菓子のオンライン販売などは引き続き、そして少しずつ活動を充実させていきたいと思っています。

以前は展示会のためにお菓子をつくっていたのですが、最近は作品の展示があまりできていないので、展示会を意識した作品づくりも行いたいですね。

また、現在は間借りのキッチンを使用して制作しているため、自分のアトリエ(お店)を構えることも今後の目標の一つです。

好きを仕事にしたい人に向けてメッセージを

最後に、好きを仕事にしたい方へメッセージをお願いします。

一見すぐ仕事に直結しないことでも、自分の好きなことはどんどん追求した方がいいと思っています。

「好き」だけでは仕事にならない、お金にならないという意見もあると思います。

しかし、「好き」という気持ちは仕事を続けていく上で一番の原動力になると感じています。

私自身、クッキーアートを始めたときはこれが仕事になるとはまったく予想していませんでした。

けれど、続けていくうちに自然と今のお仕事のスタイルになっていきました。

結果はすぐに出ないかもしれません。

でも、コツコツと続けることが大切なのだな…と日々感じています。

タイトル『picnic』

平井さんが手掛けた作品お気に入り3選

1. garden-bonsai-
一番時間をかけて制作した作品です。

空間全体を使って表現しようと、時間だけでなく労力もかかりましたが、同時にやりがいも感じました。

個展での展示がキッカケで多くの方の目にふれ、クッキーアートの活動が広がるキッカケになりました。

2. sukiyaki
鍋に入った肉や豆腐などの火の通り具合にこだわって制作しました。

この作品を展示するまではただ作って展示するだけだったのですが、展示終了後にはテーブルを囲んでクッキーを食べました。

「食べる」行動を入れることで、クッキーアートの面白さをより深く感じた作品です。

3. picnic
初めて学校外で展示した作品です。

搬入日の直前に徹夜で芝生を絞り、ミキサーが壊れてクリームづくりは手で混ぜたり、運搬中にポロポロと取れたり、ハプニングだらけの作品でした。