【お笑い評論家】「世の中にとっては全く必要のない仕事」 好きなことを突き詰めた ラリー遠田さん
今回は、お笑いに関するニュースなどは24時間チェックしているという、お笑い評論家・ラリー遠田さんからお話を伺います。
お笑い評論家の活動内容
「お笑い評論家」とはどのような職業でしょうか?
月に10~20本程度、お笑い関連のテレビ、ラジオ、動画、雑誌、本、記事、ライブなどを、チェックして評論する記事、また、芸人や業界関係者のインタビュー記事を書いています。
なぜあの芸人のあのネタがウケているのか、なぜあの番組は面白いのか、といったことを分析する記事を書いています。
記事を書くだけでなく、お笑いコンテストの審査員、お笑いバーの一日店長、テレビ・ラジオ出演など、幅広くお笑いに関わる活動をしていますね。
「お笑い評論家」というのは、世の中にとっては全く必要のない仕事だと思います。
だからせめて、お笑い業界にとって、芸人さんにとって、少しでもプラスになるような活動ができればと思って活動しています。
どのようなスケジュールでお仕事をされているのでしょうか?
日によって変わりますね。
記事を執筆する場合、リサーチから執筆まで含めて仕事時間は1日6~8時間くらいです。
お笑いに関するニュースなどは24時間チェックしている感覚です。
(ラリー遠田さんの著書『教養としての平成お笑い史』)
お笑い評論家になったキッカケ
社会人になってすぐにお笑い評論家(ライター)の道へ進まれたのでしょうか?
いえ、大学卒業後はテレビ制作会社に入社しました。
当時は、テレビ番組の制作の仕事をしていました。
情報番組、ドキュメンタリー番組、バラエティ番組など、いろいろな種類の番組を担当していました。
その仕事を辞めたあと、フリーライターになりました。
なぜ、フリーライターの道へ進まれたのか教えてください。
もともと文章を書くこと、本を読むこと、理屈をこねることが好きでした。
また、お笑い関係のテレビ番組を見るのも好きで。
自分に合っている職業を探した結果、たまたま今の仕事にたどり着きました。
テレビの制作現場の実状や業界の雰囲気が分かっていたことが、テレビやお笑いに関する文章を書く仕事をする上では強みになっていると思います。
会社に通勤する移動時間が無駄だと感じていたので、家で仕事をするのが合っているというのもありますね。
お笑い評論家の楽しさ、つらさ
お笑い評論家には、どのような場面で楽しさを感じていますか?
自分の書いたものを、多くの人に読んでいただけるのは嬉しいですね。
また、評論することで新しい視点を提供したり、インタビューでその人の新しい一面を引き出したりして、それを読者のみなさんに評価していただけるのは、とても嬉しいです。
逆につらいな、大変だな、と思うことはありますか?
書くことが思い浮かばないときが一番大変です。
そういうときは、何でもいいからとりあえず書いてみる、というのを心がけています。
実際に手を動かしてみると、それがきっかけで新しいアイデアが浮かんだりするものです。
お笑い評論家としての目標
今後、お笑い評論家の活動で目指していることを教えてください。
特に考えたことはありませんが、お笑い業界の新しいトレンドは常に追いかけていようとは思っています。
評論家を名乗るからには、古いものから新しいものまですべてを一通り押さえておく必要がある。
そんな風に考えているからです。
好きを仕事にしたい人に向けてメッセージを
最後に、好きを仕事にしたい方へメッセージをお願いします。
「好きなことを仕事にするのは無理だ」「好きなことは仕事にしない方がいい」とかいろいろ言う人がいます。
しかし、それらには何の根拠もないです。
好きなことを仕事にしている人は世の中にたくさんいます。
ただ、好きなことを仕事にするのにはちょっとしたコツが必要です。
そのコツを簡単に言うと、「自分が何をどう好きなのか」を深く深く掘り下げて理解すること。
ほとんどの人はこれができていません。私も昔はできていませんでした。
例えば、同じ「映画が好き」でも、「恋愛映画を見てドキドキするのが好き」「きれいな映像を見るのが好き」「映画を撮るのが好き」「映画の物語を考えるのが好き」「好きな映画を友達に広めて見てもらうのが好き」というのは、それぞれ別の好きなんです。
ほとんどの人は、自分が何を好きなのかは何となく知っていても、どう好きなのかを知りません。だからそれを仕事に結び付けられないのです。
好きなことを仕事にするのは、端的に言って「最高」です。
ぜひそれを目指していただきたいと思います。
ラリー遠田さんに学ぶ、ライターに必要な3つのスキル
1. 好奇心
好きなことや気になることがあったら、すぐに見てみる、調べてみる、やってみる、という好奇心を持つことが大事です。
どんなことにも自分なりの興味を持って取り組めるといいと思います。
2. 行動力
ライターに限らないと思いますが、どんなことでもやり続けていれば結果が出ます。
「ライターになりたいなあ」と思いながら家で寝転んでいるだけでは仕事は来ません。
何でもいいから具体的な行動をするということが重要です。
3. 責任感
一度受けた仕事は何があってもやりきる、という責任感を持つことが大事です。
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