介護士とケアマネのちがいとは? 押さえておきたい3つのこと
介護の仕事をしている人は「ケアマネジャー」という職種があることを知っていると思います。
介護職の次のステップとして、ケアマネジャーを目指す人も多いです。
ですから介護士の延長線上にケアマネジャーがあると思っている人も多いですが、仕事内容はもちろん、必要な力も違います。
この記事では、「介護士とケアマネジャーのちがい」を整理してみます。
その1 ケアマネジャーは体を使うことが少ない
「ケアマネジャーは体を使うことが少ない」、当たり前すぎてビックリですよね(笑)
介護士も日々のケース記録をつけていく仕事がありますが、ケアマネジャーも利用者ごとに「介護サービス計画」を作成するのが大事な仕事のひとつなので、どうしてもデスクワークが多くなります。
デスクワークが苦手、体を動かすほうが良い、という人は、介護士向きだと思います。
その2 ケアマネジャーは生活全般を見る
介護士は、目の前にいるご利用者のことをしっかり見て仕事をします。
優れた介護士は、「顔色悪い」「傾いて歩いている」「昨日はなかったアザがある」など、ご利用者のわずかな体調の変化や異変に気付きます。
これに対してケアマネジャーは、ご利用者のことはもちろん、その家族や住んでいる部屋の様子などにも注意を払います。
さらに、必要に応じて近所づきあいや年金など経済状況も知っておく必要があります。
そして、とても大事なのがどんな生活を送りたいか希望を聞くことです。
介護士やケアマネジャーは、ご利用者の希望する生活を決めることはできません。
ご利用者が希望する生活を支えることが仕事です。
ここは介護士もケアマネジャーも共通しています。
介護士は狭く深く、ケアマネジャーは広く浅く見ていきます。
介護士出身のケアマネジャーは、ご利用者の身体をよく観察していますが、ケアマネジャーとしては不十分です。
ご利用者の身の回りのこと、すべてを把握するつもりでいることが大切です。
ご利用者の中には、内緒にしておきたいこともあるでしょう。
自分に置き換えてみれば分かりますが、だれでもプライベートなことを赤の他人に話すことは抵抗があります。
でも、話してもらうことで生活が改善することもあります。
むしろ、隠されていることから生活改善のヒントがもらえることも多いです。
優れたケアマネジャーはご利用者との間に信頼関係を築くことに最大の注意を払います。
ですから、徹底的に聞き役に徹することができる人がケアマネジャー向きでしょう。
このように、ご利用者の生活の困りごとを聞き、生活課題を見極めることをアセスメントといいます。
その3 ケアマネジャーは調整役
介護士とケアマネジャーの最大の違いは介護士はプレーヤー、ケアマネジャーはマネジャーということです。
ケアをマネジメントする、つまり、ケアの調整役です。
ケアマネジャーはどこまでやればいいの?という疑問をよく聞きます。
介護士出身か否かに限らず、「ご利用者の生活を良くしてあげたい」と考える、真面目な人に多い傾向かもしれません。
仕事に真面目過ぎて「燃え尽き症候群」となってしまう残念な例もあります。
ご利用者の生活の困りごとを解決するのがケアマネジャーですから、ありとあらゆる困りごとがご利用者から寄せられます。
それをすべてケアマネジャーが直接手を下して解決することはできません。
日本の介護保険は、ケアマネジャー1人につき、40人近くを担当する制度設計になっているからです。
ケアマネジャーはアセスメントにより見つけたご利用者の生活課題を、介護士、医師、看護師、栄養士など、さまざまなプレーヤーを巻き込み(マネジメントし)ながら解決する仕事です。
ケアマネジャーが直接手を下さないのは、その1 ケアマネジャーは体を使うことが少ないと関連しています。
必要なサービスを調整できていれば、あとはケアマネジャーが出る幕なし、です。
なお、さまざまなプレーヤーはその道の専門家なので、ケアマネジャーは専門家の意見に耳を傾けなければいけないことも多いです。
そこで大切なのは、「知ったかぶり」しないことです。
知らないことを恥と思わずに、謙虚な気持ちで専門家たちと付き合う必要があります。
また、ここで得られた知識や情報は大切な宝物です。優秀なケアマネジャーになるにはどれだけ知識と情報を知っているか、がカギを握ります。
ケアマネジャーの仕事には、ご利用者とプレーヤーをつなげるためにをサービス担当者会議を開催したり、提供されるサービスがご利用者に役立っているか確認するモニタリング・評価があります。
その1 ケアマネジャーは体を使うことが少ない
その2 ケアマネジャーは生活全般を見る
その3 ケアマネジャーは調整役
介護士からケアマネジャーに転身した人は、はじめは必ずと言ってよいほど戸惑います。
介護士からケアマネジャーへは地続きだと錯覚しているのが原因の一つだと思います。
「介護士とケアマネジャーのちがい」としっかり認識しておくことはとても大切です。
ケアマネジャーについてもっと知りたい方は、拙ブログ→https://ameblo.jp/method3573/に訪問してもらえればと思います。