介護・リハビリ分野の仕事で大切なこととは? どんな目的がある?
はじめに、介護・リハビリ分野の仕事に興味を持ってくれてありがとうございます。
色々な選択肢から「進路を決める」「仕事を決める」というのは、本当に難しくて悩むことだと思います。
この記事が、読んでくれた皆さんの決断に少しでも役立てば嬉しいです。
私の専門職コラム第一弾は、「介護の全てを知るプロ」として皆さんに伝えたいことを書きます。
「介護」の仕事を知る
一般的に「介護」というと高齢者介護をイメージすると思いますが、介護は
「病気で体を動かせない」
「身体的な障害がある」
「高齢で一人での生活が難しい」
など、「一人で生活をすることが難しい人たちを支援すること」を意味します。
「介護ってどんな仕事ですか?」と聞かれたとき、私はいつも『「その人らしく生きる」を支える仕事』と答えています。
私の専門は高齢者介護分野なので、ここからは高齢者介護の仕事についてお話しします。
高齢者介護の仕事内容って何を思い浮かべますか?
多分、食事介助・入浴介助・排泄介助(オムツ交換)のどれかだと思いますがどうですか?
この3つ(食事・入浴・排泄)の介助は「三大介助」と言われていて、確かに高齢者介護の仕事として欠かせないものですが、私が必ず一番最初に伝えている高齢者介護の仕事内容は違います。
私は、「コミュニケーション」と言っています。
先ほどの「三大介助」をイメージしてみてください。
食事・入浴・排泄の介助を無言でしてたら怖いですよね?
「今日のご飯美味しそうですね。」「お湯は熱くないですか?」「今からオムツ交換しますね。」など、全ての介助は必ずコミュニケーションから始まります。
どんなに、知識や技術を身につけても「お一人おひとりの気持ちに寄り添える人」でなければ「介護」の仕事はできません。
「リハビリ」の仕事を知る
リハビリ(正しくは、リハビリテーションと言います)は、「長期間の入院や骨折などで、筋力や身体の機能が低下してしまった人たちを元の状態に戻す(近づける)」というのがイメージとしては強いかなと思います。
間違いではありませんが、リハビリには「筋力や機能の回復」だけではない、とても大事な役割があります。
それは、「尊厳の回復」です。
「尊厳の回復」って言われても難しいですよね?
簡単に言うと「その人らしさを取り戻す」です。
リハビリと言っても領域としてはとても広くて、どのようなリハビリをするかによって専門分野が異なります。
リハビリ分野の資格が理学療法士・作業療法士・言語聴覚士と分かれているのは、それぞれの領域で高度な知識と技術が必要だからです。
私が「介護・リハビリ分野」と言っている理由
ここまで、「介護」「リハビリ」の仕事についてそれぞれお話をしてきました。
最後に、私が「介護分野とリハビリ分野」ではなく「介護・リハビリ分野」と言っている理由をお伝えできればと思います。
介護は、『「その人らしく生きる」を支える仕事』
リハビリは、『「その人の尊厳」を回復する仕事』
「その人らしく生きる」と「その人の尊厳」、表現や仕事の内容は違いますが介護もリハビリも目的は同じです。
高齢者の生活を支える
高齢者と同居している家族を支える
「介護」「リハビリ」は人が生きていく上で欠かせない仕事ですが、専門領域であるため職種間の連携や協同という点ではまだまだ不十分ですし、連携・協同の成功モデルを作る必要があると考えています。
ですから、私は「介護」「リハビリ」を分けて考えるのではなく「介護・リハビリ」と表現するようにしています。
私がこれまでの経験で作り上げた理論は【身体・心・脳はつながっている】です。
介護もリハビリも、「身体・心・脳」に対して個別にアプローチをしていては、状態の回復や改善は望めません。
大切なのは、『その人の「今」を見ること』『その人を知ること』です。
これは私が「ソーシャルワーカー(社会福祉士)」として学んできて、介護・リハビリの現場で動き続けたことでたどり着いた理論です。
「ソーシャルワーカー(社会福祉士)」は、「介護・リハビリ分野」にも欠かせない対人援助のプロフェッショナルなので、第二弾の専門職コラムで「ソーシャルワーカー(社会福祉士)」について書きたいと思います。
それでは、宮本法生(社会福祉士)でした。読んでいただきありがとうございます。