理学療法士に将来性はある? 必要とされる理学療法士になるには
理学療法士は飽和しているという言葉は、近年になって良く聞かれますが、実は私が理学療法士になった8年前から既に飽和状態であると良く表現されていました。
実際、理学療法士の数は数十年前から右肩上がりで増加し続けており、平成31年に厚生労働省は、理学療法士を含むセラピストの需要と供給に関する問題について情報を発信しています。
今回は、データから理学療法士の現在と未来について考察し、『将来性』についてどう考えるべきかを解説します。
理学療法士の将来性|供給過多の時代を生き抜くために
理学療法士数は、厚生労働省が発表しているデータを参考にすると、セラピストの供給量は2021年時点で既に需要を超えているとされています。
厚生労働省の発表しているデータを参考に理学療法士の需要と供給について考え、供給過多の時代をどう生き抜くべきかを以下に解説します。
理学療法士の供給量が増えすぎる
理学療法士は2021年時点で既に十分供給されており、今後も供給数が伸び続けることが予測されています。
厚生労働省は、以下のように発信をしています。
理学療法士を含むセラピストの数は、2040年には平成31年時点の3倍近くになると推計されており、供給過多の時代が訪れると予測されるでしょう。
供給過多の時代を生き抜くためには
理学療法士が十分に供給されている環境で、生き抜くためには、特徴作りが大切になります。
『あなただから頼みたい』と言われるような、特徴のある存在になることが大切でしょう。
理学療法士の供給過多とは、必要とされる数よりも、理学療法士の数が多い状況を指します。
つまり、重要と供給の関係によって『必要とされない』理学療法士が生まれてしまう可能性があるのです。
私は、新卒から介護業界で働き、4〜5年目には管理職の経験をしました。
その管理の経験を活かし、理学療法士が1人しかいない職場への転職を成功させました。
現在でも、管理の経験を活かして職場の書類や新たなマニュアルの管理や組織マネジメント等をし、分かりやすい実績を残すように努力しています。
供給過多の時代を生き抜くためには『必要とされる』ような、特徴を持った存在になることが重要になるでしょう。
理学療法士の年収は安定している
理学療法士の年収は、過去10年のデータから見ても安定していることが分かります。新型コロナウイルスが流行した時期においても、明らかな給料の低下は見られませんでした。
理学療法士の年収について、以下に解説します。
理学療法士の年収の推移
2020年から過去10年間のデータを見てみると多少の変動はありますが、だいたい年収400万円から420万円の間を推移しています。
新型コロナウイルスが流行した2020年においても、年収の大幅な変動はありません。
コロナ禍でも年収が保たれていることから、景気変動に大きな影響をされにくい安定した職業だと言えるでしょう。
しかし、推移から見ると年収が増加傾向にある職業ではないことは認識する必要があります。
理学療法士は若い人が多い
平均年収を見る上で、平均年齢を確認することも重要です。
なぜなら、日本において給料は、一般的に年齢と一緒に上昇するからです。
私の経験した職場でも、年1回の昇給があり、年齢による給料の変動もありました。年齢や勤続年数による給料の上昇は日本においては一般的でしょう。
厚生労働省によると、理学療法士の平均年齢は33.3才とされており、医療・介護職の中で比較的に若い職業になります。
理学療法士の国家試験合格者数は近年まで右肩上がりに増え続けていました。
つまり、新卒22才の理学療法士が常に1番多い状態が続いてきたのです。
その中で平均年収をほとんど下げることなく維持しているという面では、安定した給料が得られやすい職ではないでしょうか。
理学療法士の将来性の捉え方
将来性の捉え方は人それぞれです。厳しい時代が到来する中でも、成長して発展し続ける人はいるでしょう。
将来性とは、『将来が期待されるという見込み』や『将来の発展が見込まれる状態』という意味をもちます。
理学療法士は供給過多の時代が訪れようとしています。理学療法士全体で考えれば、全ての人に需要がある状態は難しくなるかもしれません。
しかし、将来への期待は自分自身で作り出すものです。
理学療法士の専門性をより深めたり、管理職の道を辿ったり、あるいは理学療法士を活かしながら別の道を進むなど、さまざまな可能性が個々人にあるはずです。
たとえば、私は文章を書くことや分析をすることを好みます。今まで、論文作成やブログ記事の作成など、文章を書くことを継続してきました。
継続した結果、私の好きな文章を書くことが仕事になりつつあります。
理学療法士が一般的に行う症例分析や論文作成が知識の土台にあってこそ、仕事の幅を広げることができたのです。
もちろん、理学療法士の専門性を深めて活躍する方も多くいるでしょう。それだけでなく、インストラクターの道で成功する人もいるでしょう。
理学療法士協会における新部門の解説などもあり、理学療法士の働く場所が拡がりつつあるのもまた事実です。
将来性とは、自分自身に見出すものです。たとえ、厳しい時代が到来するとしても、自ら進みたいと信じる道を選ぶことは決して悪いことではありません。
広い視野を持ち、自分自身の進むべき道をしっかりと見定めていくことが大切です。