試用期間の残業代は?

試用期間は本採用までの間に、試用社員の仕事能力や、勤務に対する姿勢などの適格性を判断するために設けられている期間です。

試用期間の勤務時間は、企業によってさまざまですが、正社員並みのところが多いようです。

では、試用期間に残業した場合も、正社員同様の残業代を支給されるのでしょうか?





試用期間の扱いは、正社員とどう違う?

試用期間であっても同じ企業に勤めているのですから、正社員とそんなにかわりはないのでは…と思っている方も多いかもしれません。

しかし、試用期間の場合は正社員と明らかに異なる点があります。

・給与が正社員と同額ではないことが多い
・ボーナスが支給されない、もしくは少額であることが多い
・勤務時間が正社員に比べて短いこともある

以上のように、試用期間には正社員と比べて社会的に不安定な立場にあります。

では、正社員同様残業したとしたら、正社員のように残業代は支給されるのでしょうか?

試用期間でも残業代は出る?

そもそも、試用期間に残業は生じるのでしょうか?

試用期間は正社員よりも勤務時間が短縮されている場合もあります。

しかし、それはあくまでも「書類上の勤務時間」です。

現場で実際に勤務した際に、まだまだ忙しそうに働いている先輩方をさしおいて、「自分の仕事は終わったので、お先に失礼します」と言えるでしょうか?

試用期間は本来、本採用に適するかどうかを見極める期間ですから、気を使ってなかなか帰りにくい日も多いかもしれません。

このような理由から、試用期間であっても残業をする機会は大いにあり得るでしょう。

そして、残業をするからには、企業にはたとえ試用期間であっても残業代を支払う義務があります。

労働基準法により原則として、

・1日8時間を超過した場合
・会社の定める休日に勤務した場合
・22時~翌朝5時という時間帯に勤務した場合

これらの場合には、法に定める「割増賃金=残業代、休日出勤代、夜間勤務代」を支払わなければなりません。

つまり、試用期間であっても、8時間を超えた時点で残業代は発生するということです。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

実際のところ、残業代を請求する試用社員はいるのか?

法律では、試用期間であっても残業代の支払い義務が企業側にあることはわかりました。

でも、実際に働いている試用期間の社員は、残業代を請求するものなのでしょうか。

残業代は、タイムカードから事務員が算出し、経理担当が出金作業を行うところが多いでしょう。

ところが、実際はタイムカードを定時の時間帯で切ってしまい、その後サービス残業をしている試用社員もいるようです。

つまり、残業していたとしても、残業代を請求しない試用社員もいるということです。

しかし、試用期間はただでさえ給与・ボーナスなどの待遇面が正社員に比べて満額ではないケースがほとんどです。

そんな待遇で、しかも残業代のつかない仕事をしていれば、試用期間中に社員の士気は下がってしまうでしょう。

試用期間の社員には、なるべく残業させないようにするか、もしくは時間内に与えられた以上の仕事をこなして、気持ちよく退社することが必要なのではないでしょうか。

試用期間でも残業代を請求する権利はある

法律的には、労働基準法の定めるところによって、試用期間でも残業代を請求することはできます。

もちろん残業しないという工夫をすることは大前提ですが、それでも毎日の残業が課せられて、なおかつ残業代を支給されないときには、我慢せずに異議を唱えましょう。

試用期間でさえ社員に対して不誠実な企業の場合は、他の社員も同じように不満を抱えている可能性があります。

残業代を請求する権利はあるわけですから、一生懸命企業に貢献し、あなたが企業の利益になることを証明した上で、申し立てを行う必要があるでしょう。

この記事のまとめ

試用期間であっても本来残業代は支払われるべきです。

試用期間はただでさえ収入面において正社員よりも少額ですから、残業代が出なければ生活も苦しいでしょう。

支払われるはずの残業代が支払われなかったら、あなたには請求する権利があります。

ただし、あくまでも試用期間であるため、その後の社内での立場も考えて、上司や関係部署に相談するようにしましょう。

30秒でわかる!転職サービス診断

当サイト人気の転職エージェント