【これから美容師を目指す方へ】こんな人が美容師に向いている、意外な3要素
一般的には、「手先が器用」「センスがいい」「コミュ力が高い」とイメージされる美容師。
ですが現役美容師である僕目線の「美容師に向いている適性」は、それらではないと考えています。
では「美容師に向いている適性」とは、どんな要素なのでしょうか?
美容師は「手先が器用」じゃないとなれない?
一般的には「手先が器用」といったイメージが定着している、美容師。
お客様からも「細かい作業が得意なんだよね?」「絵も上手なんでしょ?」と、よく言われます。
もちろん、ヘアスタイルを作るには細々とした作業が必要です。
ですが、これから美容師を目指す人に「手先の器用さ」は必要なく、また実際に、絵を描くことが苦手な美容師さんは、沢山います。
なぜなら美容師の技術は、繰り返し練習しないと習得できないからです。
美容師の難しさは、「正確な手捌き」と「時間内にやる」
僕は後輩の指導も沢山してきましたが、不器用な人でも、必ず技術を習得することができます。
もちろん、技術を習得するのが早い、遅いはあるかもしれません。
ですが美容師の技術の難しさは、「正確な手捌き」を、「時間内にやる」ことです。
「正確な手捌き」ができるようにならないと、“前回は成功”、“今回は失敗”では、同じ技術を提供することができません。
また「時間内にやる」ことができないと、お客様がお店にいる時間が必要以上に長くなったり、塗布した薬剤に時間差が生じて、「薬の効き」にムラが出てしまいます。
そのため美容師は、「手先の器用さ」よりも「反復練習で身に付いた」技術を信用しています。
努力を惜しまない人が、美容師になれる
「正確な手捌き」を「時間内にやる」ためには、何度も反復練習して“身体”で覚える必要があります。
そのため不器用な人でも、一連の所作を繰り返し努力すれば、技術を覚えることができます。
美容師には、「できない」が「できる」ようになるまで、練習にかける時間や努力を惜しまない人の方が、向いているのです。
「センス」がない人は、美容師になれない?
美容師という職業は、大きく分けると「お洒落に正解はない」と言われるファッション業界に入ります。
ファッション業界は、奇抜でアーティスティックな、一般的には理解出来ないような提案がされることもしばしば。
そのためファッションは、「センス(感覚)」という曖昧な感性で語られがちです。
もちろん美容師は、ファッションが好きな人がなる職業です。
ですが僕が知る限り、自分の「センス」に頼ってヘアスタイルを作っている美容師はいません。
美容師がお客様を美しく、カッコよくするために頼っているのは、「ロジック(理論)」です。
「理論のかけ算」で美容師になれる
例えば、『黄金比』に沿って描かれた絵画。
ダヴィンチの絵に誰もが美しさを感じるのは、「理論」によって構成されているからです。
ファッショントレンドは形を変え続けていますが、美しさを構成する「理論」から外れることはありません。
トレンドのヘアスタイルもまた、いつくかの「理論」が組み合わさって構成されています。
そのため、美容師は勉強して得たたくさんの「理論」を使って、「理論のかけ算」を駆使することで、どんなヘアスタイルも作ることが出来るのです。
「コミュ力」がないと、美容師になれない?
様々な職業の中でも、とりわけお客様と接する時間が長いのが美容師。
「美容師は、コミュニケーション能力がない人には向かない?」と連想する方も多いはずです。
ですが、コミュ力に苦手意識を感じている人でも、美容師になることはできます。
「喜んでほしい」と相手のために考え、行動する人が美容師になれる
僕自身、根暗でコミュ力に自信のない人でした。
ですが、今では沢山のお客様に指名を受けながら、10年以上も美容師として働き続けています。
美容師に大切なのは、コミュ力ではなく、「お客様に喜んでほしい」と考え、行動する力です。
コミュ力が高い人のイメージは「初対面の人に話しかけるのが得意な人」です。
ですが、「話しかける」だけがコミュニケーションではありません。
その相手が「あまり話しかけて欲しくない」と考えている場合、それは逆効果ですし、程よい距離感を求めるお客様も沢山います。
「あの方は、コレを喜んでくれた」「コレは、あの方には喜ばれない」と、その人その人によって対応を考え、行動する人が美容師として活躍しています。
この記事が皆さんの将来の参考になれば、幸いです。
僕は「意外と知らない髪の毛の話」や「美容業界の話」などを、noteでも書いています。
操作イトウのnote @美容師なのにライター
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