私が小型機のプロパイロットになるまで - 飛行教官と観光フライトのパイロット
どんな飛行機でも構わないしどんなフライトでもいいからパイロットの仕事をしたい!
これが私が定めていたゴールでした。
では、パイロットの仕事を実際にするまでの過程ってどんなものなのでしょうか。
今回は、私のケースをお伝えすることによって、プロパイロットになってゆくイメージをいくらかつかんでいただけたら幸いです。
事前の準備
訓練費用や生活費などを調べて試算し、それをベースに貯蓄にかかる期間を考慮し、飛行訓練の渡米を3年半後と定めました。
それまでの期間は英会話を独学していました。
所持品を売ったりして最終的には約500万円が用意できました。
しかし実際はその後、全然足らなくなってアルバイトで必要な費用を作りました。
フライトスクールを選ぶ
これは念入りに調べました。
それなりの飛行機や施設があり実績があるところ。
管制塔のある空港に立地していることも必須でした。
飛行機はセスナやパイパーといった小型機で装備も機体数も充実している所を選びました。
アメリカ、カリフォルニア州へ
周辺に空港が多い地域ということも考慮して選んだのがカリフォルニア州のサンノゼ市でした。
最初の居住でお世話になったのはホームステイでしたが、その後、あるパイロットのお宅に間借りさせていただくようになりました。
自家用操縦士
ここから下記は必要な免許の取得で、実際の順に沿ってお伝えいたします。
訓練の内容などは他のサイトでも見ることができますので、私のケースをご参考にしていただきたくお伝えいたします。
飛行機を飛ばすって本当に楽しいです。
一方、学科にしても飛行実技にしても初めて目にすることばかりで、とにかく大変だなー、と感じた過程でした。
自分は今まで飛行機の飛ぶ原理は熟知してつもりでしたが、その理解は間違いだったとわかって目からウロコでした。
訓練ではいろんな壁にぶち当たり、落ち込みと充実を繰り返し味わいました。
最初の試験に合格したときは本当に嬉しかったです。
計器飛行
なんと本当に文字通りだったので、ある意味衝撃でした。
外を一切見ずにパネルの計器だけを読み、基本的な飛行もナビゲーションも、滑走路への侵入まで飛行する技術を身に付けるのです。
私としては、図や計器の情報を理解するのも、いろんなことを覚えるのも、技術的なこともとにかく難しかったです。
フライト試験ではなんと、単純なミスを犯して落ちてしまいました。
後日、再試験では受かりましたが、計器飛行の訓練課程は「とにかく難しかった!」の一言でした。
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事業用操縦士
「人を乗せてお金をいただくフライトってこんな飛行技術も必要なんだ、なるほどなー」と思わせる訓練でした。
プロパイロットとの入口としては欠かせない訓練だと実感しました。
また、人に対しての責任ということも扱われるのでそういった法律も出てきて「なるほど」が多く感じられた訓練でした。
これで3種類の免許を取得してきましたが、その間、他の訓練生パイロット見てきた限り、いずれかの免許でつまずいてその先に進むことを断念したという人も複数名いました。
人との係わり
これまでどんな訓練過程にいるときでも、周囲に訓練生パイロットがいつも何人かいました。
勉強や訓練についての会話や、日常の話題など、対面で交流していたということは精神面で大きな助けになっていました。
私は勉強や訓練だけにエネルギーをつぎ込んでいてもそれだけでは乗り切れなかったと思うのです。
私には仲間が必要だったということです。
飛行教官の資格:陸上単発飛行機の公認飛行教官
訓練生を訓練するために必要な深い知識、心理学、事例、法律、訓練の仕方、レッスンプランの作り方、教官の責任、などを学びました。
このレベルになると個人によって課題として取り組むことも別々なんだなと感じるようになりました。
先輩教官は指導的立場からアドバイスを与えてくれますが、自分にしか発見できない必要なこともあります。
自分にとって本当に必要なこと、やるべき事を自力で見つけ出す力。
そしてその努力をすることが求められるレベルだと思うのです。
飛行教官になる為の実技試験は、準備と片づけを含めるとほぼ一日です。
連邦航空局、直属の試験官と一対一で向き合います。
いろんな質問もされて人間性までも試されているような感じもしました。
試験は合格しましたが本当に大変な試験でした。
実際に働く
一番可能性が高いと思われるのは、訓練を受けたフライトスクールで何らかのお仕事を手伝わせていただくというアプローチです。
私はこういうチャンスがあったので教官業務に従事させていただくことができました。
一人の訓練生を初めから最後の合格まで面倒みることができたとき、初めて自分は教官なんだなと自分を認めることができました。
観光フライト目的で、自分でお客様を探してフライトを提供したということもしていました。
現実的には、事業用免許や飛行教官の資格があるからというだけでは、飛行機をお借りして仕事をすることはできません。
それは飛行機にかけられている保険が影響しているからです。
しかし経営者からすでに認知されている飛行教官なら信頼されやすいです。
飛行教官になった先輩達は、さらにレベルの高い計器飛行の教官、双発機の教官へとなって行きました。
エアラインパイロットをめざしている人も何人もいました。
飛行教官はパイロットを育成してゆくことによって、結果的にパイロットに必要なことを自ら熟練させているのです。
エアラインパイロットになるための登竜門のようなお仕事とも言えます。
私の場合は正直言って、次のレベルに進んで行けるという自信がありませんでしたが、あとから考えてみると
「いや、できたかも!」