社会福祉士のイメージと現実とのギャップ②【支援には正解が無い?】
どうもこんにちは!
社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすと言います。
※リアル年齢は30歳ではなく30代です(笑)
社会福祉士の仕事って、皆さんはどんなイメージがありますか?
・社会福祉士は感謝される仕事
・社会福祉士の仕事には答えがある
・社会福祉士は相手のことに集中して頑張れば良い
このように思う方は多いかもしれません。私もそうでした。
でも、実際に社会福祉士になってみると「あれ?何か違うぞ!?」という現実とのギャップに気づきました。
こうしたギャップは後になって気づくと軌道修正しづらいのですが、事前にわかれば対策しやすくなるでしょう。
今回のテーマは「支援には正解が無い?」です。
・・・出だしからネガティブなテーマで引いた人がいるかもしれません。
けど、これこそ社会福祉士の仕事を、スペシャルたらしめる性質であり、AIでは代わり難く、人が担い続けていくことになる性質と言えるでしょう!
「これから先の社会福祉士はどうなっていくのか?」「将来性はどうなのか?」というヒントにもなるはずです。
暗記で何とかなった学生時代
私自身が高校生・大学生の頃は、授業にいつも集中しているタイプではなく、よく居眠りをしているタイプでした。
でも、テスト前になると暗記に力を入れて、成績や単位はそれなりにクリアしていました。
先生や大学教授の出す問題、テストにはいつも答えがあったと思います。
インターベンション = 介入
このような断片的な知識でも、覚えておけばカンタンな問題は解けていました。
社会福祉士国家試験の問題も暗記で何とかなった
社会福祉士の国家試験も同じでした。
例えば、社会福祉士の国家試験には「相談援助の理論と方法」で事例問題がよく出されます。
事例問題は、複数の選択肢から適切な答えを1つか2つ選ぶスタイルで、明らかな不正解がだいたいあります。(と思います!)
なので、消去法で正解を選びやすかったんですね。
それに、社会福祉士の国家試験では「問題」も「選択肢」も用意されていますから、知識を詰め込む暗記で何とかなりました。
あまり考えなくて済んだのです。
身もフタもない話ですが、こうして私は社会福祉士と精神保健福祉士の国家試験に受かりました。
学生の間は、これで大丈夫でした。
自分で深く考えなくても、暗記すれば何とかなったのです。
問題も選択肢もセルフサービスな福祉現場
けれど、いざ社会人になって福祉現場に出てみると、覚えただけの知識では役に立たないと痛感しました。
「何が正解か?」以前に、何が問題かわからないのです。
利用者さんや患者さんが「〇〇で困っていて、選択肢は〇〇と〇〇です。」のように相談してくれることはありませんでした。
まとまりなく話す方で、話の切れ目が無く、問題がつかめず困ったこともありました。
問題整理はできても、選択肢が思いつかないこともありました。
「特に困っていないから」と関わり自体を敬遠されることもありました。(精神疾患があるけど医療中断している方には、こうしたことがよくありました)
相談支援では、「問題」も「選択肢」も、その都度、まずは自分で考えることになると気づきました。
社会福祉士のイメージと現実とのギャップ【支援には正解が無い?】
社会福祉士国家試験の事例問題での正解の選択肢は、実際場面で考えると確かに「ひとまずは適切な答え」だと思います。
でも、"ひとまず"なんですよね。
結局は、その後の反応、新たな情報をもとに、繰り返し繰り返し「妥当な答え」「適切な対応」を考え続けることになると思います。
学生の間は「問題」も「選択肢」もセッティングされていました。
先生や教授がお膳立てしてくれるんですね。正解も教えてもらえました。
いつしか私の社会福祉士イメージは・・・
「社会福祉士の仕事には答えがある」
このようになっていました。
しかし、社会福祉士として福祉現場で働きだしたとたん、「問題」も「選択肢」も、まずは自分で考えることになりました。
私はイメージと現実とのギャップに「聞いてないよ~!」と感じました。(たぶん言われていたはずですが)
食事に例えるなら、今まで席につくだけでご飯にありつけたのが、いきなり材料も現地調達というサバイバルになるかのようでした。
それに、正解かどうかの答え合わせもできないので、不安でした。(先の例でいうなら、「この材料、この味付けで良いのか?」という不安感)
私の結論
これまで私の現場には上司やすごい先輩がいました。まるで仙人のようなベテランに出会うこともありました。
そうした方々に、"正解が知りたい"私はたびたび支援の相談をしてきました。
でも、正解を教えてくれるわけではありませんでした。
結果、私がたどりついた結論はこういうことです。
「みんな悩みながら、問題探しと、より良い答え探しをしてるんだな・・・」と。
どんなに経験を積んでも、「何が問題か?」と考えたり、「より良い答えは何か?」と悩むことは変わらないのでしょう。(個人的には、スゴイと思われる人ほど本質的な問題をとらえる力に長けているように思います)
ほんの一部ですが、こうした要素で「適切な答え」は変わり続けるでしょう。
不変の正解など無いように私は感じます。
当然ですが、一人でモンモンと考えるのではなく、利用者・患者さんとのやり取りのなかでともに考えることが基本です。
社会福祉士は迷ったり悩んだりする仕事。
要は「自分で考える」ということが必要なんですが、苦手な方はとても多いです。
私だってそうだったし、今も苦労しています。
「やばい。私もそのタイプだ・・・。」
という方もいるでしょう。私と同じですね!
でも、「自分で考えるのが苦手な私は社会福祉士に向いていないかも」と考えなくて大丈夫です!
ちまたでは「社会福祉士に向いている人(向いていない人)」というテーマの話も関心を集めていますが、私の持論は「継続しているうちに向いた人に変わっていく」です。
適性は固定的ではなく、変化・成長していくものではないかと思います。
じっさい、自分で考えることが苦手だった私も、社会福祉士・精神保健福祉士の仕事をおよそ10年続けられています。
この道に進まれる方は、ぜひ、一緒に「問題探し」と「より良い答え探し」にチャレンジしていきましょう!
なお、私のブログでは社会福祉士・精神保健福祉士のリアル、職業人生に役立つ情報を発信しています。
よければチェックしてみてくださいね!
https://syahukusan.com/
それではまた!