トリマーの仕事で大変さややりがいを感じるのはどんなとき?
トリマーのお悩み解決ブログ『とりまーる。』というサイトを運営しているりんごです。
とりまーる。
主婦で子育て中の現役トリマーで、自宅トリミングサロンを開業して10年になります。
トリマーは犬を飼っている人には割と身近な職業ですが、意外とまだまだ知名度の低い職業なのでまずはトリマーの仕事内容について少し解説したいと思います。
トリマーの仕事内容
トリマーは簡単に言うと「犬の美容師」です。(猫も扱えるトリマーもいますが、大半は犬専門です。)
犬の美容師といっても洗って乾かしてカットする、だけではありません。
犬の体全体のお手入れをするので、爪切り・耳掃除・肛門腺しぼり(定期的にしぼる必要があるため)なども行います。
その他、お客様のご要望をしっかり聞くことも大切です。
・おうちで過ごしてて気になることはあるか
などもじっくりお伺いします。
トリミングが終わってお返しするときも、気になったことをきちんとお伝えします。
・もつれができていた
・嫌がる作業があった
・爪が伸びすぎて巻き爪になっていた
など、気付いたことはメモにして伝え忘れがないように注意します。
お客様とのコミュニケーションがしっかり取れていないと、不満・クレームが増えてしまいます。
トリマーは技術職であると同時に接客業でもあるので、お客様に寄り添った接客は大事にしています。
お店によってはペット美容だけではなく生体販売(仔犬・仔猫の販売)もしているところもあります。
そういったお店に就職すれば、仔犬・仔猫のお世話も仕事内容に加わります。
中には糞尿の処理といった不衛生な仕事もありますが、生き物のお世話をする以上避けては通れない部分です。
私が最初に就職した老舗トリミングサロンはある犬種のブリーダーでもあったので、オーナーの犬たちのお世話(給餌・運動・定期的にシャンプーをして良い状態を保つ)もしていました。
仕事の大変さを感じるとき
トリミングには大人しい犬ばかりが来るわけではありません。
・嫌がって咬みつこうとしてくる犬
・老犬でじっとできなくなっている犬
そういった「難しい犬」たちを怪我なく、安全にお返しする。
それが一番難しいところだと感じています。
特に私は一人でお店をしているので、スタッフのいるお店のように「この子動くからちょっと持ってて」というような手助けを求められません。
なので時として、「キレイな仕上がりでお返しする」ことよりも「とにかく安全に、ケガをさせることなくお返しする」ということを優先させるようにしています。
お客様には事前に「嫌がり方がひどい場合は無理せず、できる範囲での仕上がりになります」とお伝えしておきます。
特に老犬の受け入れは慎重にしています。
呼吸の仕方がおかしかったり、自力で立つのが難しい場合、ずっと動き回って作業が難しい場合など、自分の技術では安全に仕上げることが難しいと判断したときはお断りする勇気も必要だと思っています。
作業中に様子が急変して、途中で犬が亡くなってしまうという不幸な状況も稀に起こります。
飼い主様だけでなく、担当したトリマーにも深い心の傷(トラウマ)が残るのです。
そういった最悪の状況を作らないようにする努力として、自分の力の範囲を自覚しておき、無理な場合はお断りするということが自分自身とお客様のためにも必要だと考えています。
仕事のやりがいを感じるとき
毎回トリミングする犬が少しずつ苦手な箇所を克服していき、だんだんと嫌がらずさせてくれるようになるときもうれしさを感じます。
自分の技術が少しずつ向上していることを感じられることもやりがいにつながっています。
前回よりもちょっと可愛く仕上げられたとか、少しずつ思い通りのカットができるようになってくると、カットが楽しくなります。
そして一番のやりがいは、自分の手でカットした犬がキレイな状態になり、それを見た飼い主様が「可愛い~」と喜んでくれることです。
お客様から頂く「ありがとう」の言葉は最大のご褒美です。
犬を飼っていない人にはあまりなじみのないトリマーというお仕事ですが、少しでも分かっていただけたでしょうか?
トリマー向けのお悩み解決ブログ「とりまーる。」やTwitterもしていますので、コメントしに来ていただけたらうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。