④パイロット in カナダ 〜教官パイロットとして日々考え・大切にしていること〜
前回、「専門職コラム」第3回目では「パイロットになるまでの道のり 私の場合」と言うテーマで、私がカナダでパイロットになるに至った話を少しさせて頂きました。
第4回目の今回は、「教官パイロットとして日々考えていること・大切にしていること」と言うテーマで、これまでと少し違った雰囲気で、私が教官として仕事をさせて頂いている中で日々感じいていることや、考えていることについてお話させて頂きたいと思います。
カナダのフライトスクール、フライングクラブの雰囲気
私が実際に飛行訓練を行い、その後教官としてお仕事をさせて頂いているフライングクラブは、例えてみれば自動車の教習所の飛行機版と言うイメージで、そこに集う生徒さんの年齢、経歴、目標はまさに十人十色。
小さい頃から将来はパイロットになりたい!と言う明確な夢があって10代で訓練を始める人、普段は別の仕事をしながらあくまで趣味として休日に飛行機で飛びたい人、あるいは、リアイヤした後の趣味、新たなチャレンジとしてパイロットライセンスを取得したい人などなど。
もちろん、飛行訓練は安価なものではないですが、それでも例えば日本国内で訓練する場合と比べると1/3〜1/4(訓練費用詳細について今回は省略させて頂きます)と言うことや、訓練ができるスクールの数も充実していることからも、飛行訓練を始めることへのハードルが比較的低く、身近であると感じています。
生徒さんたちとの訓練
前述の通り、私が担当させて頂いている生徒さんたちも年齢、国籍、性別、目標、経歴などなど、十人十色。
それでも皆さん、0からのスタートで、先ずはPrivate Pilot License (自家用パイロットライセンス)の取得を目指して訓練を行います。
飛行機に乗り込む前の書類点検、機体の点検、管制官との無線でのコミュニケーション、離発着、その他、通常飛行時の操縦、緊急時の操縦など、毎回少しづつレベルアップしていきます。
最終的には自分1人で飛行機を安全に操縦でき、友人や家族など自分以外の人をお客さんとして乗せて飛行できる(自分がその飛行機のキャプテン・最終責任者になる)資格を取得します。
ライセンス取得の最終試験は筆記と実技、どちらにも合格する必要があり、本人の努力が無くては決して達成することはできません。
教官として日々大切にしていること
もちろん、教官として毎回の訓練を通して、新しい事を生徒さんたちに教えて、それができるようになるよう、トレーニングを行うのですが、上述の通り、日々の訓練や最終的な資格取得には本人の努力が必須で、教官は「先生」と言うよりは「専属トレーナー」と言う立ち位置だと感じています。
生徒さんの得意なところ、苦手なところをフライトしながら注意深く観察して的確なアドバイスをして、克服してもらう。
生徒さんごとに訓練の進め方やアプローチ(伝え方)の仕方を工夫する。
生徒さんがより楽しく、ワクワクして、「もっとやりたい、学びたい」と思えるような訓練の進め方を考えて、モチベーションを高めながら訓練を継続してして貰えるようにサポートする。
私は、「好きこそものの上手なれ」と言う言葉が好きなのですが、人は『好き/楽しい』と思えることは自発的に、もっとやりたい・もっと上手くなりたい・もっと知りたい、とモチベーションを上げることができて、その結果はより良いものになると信じています。
私が教官として日々大切にしているのは、生徒さんたちが毎回の訓練を『楽しい』と感じてもらえる内容や進め方にオーダーメイドすること。
生徒さんが変われば、その進め方は変わるので、私自分も毎回新鮮な気持ちで楽しい挑戦です。
「専門職コラム」第4回目は、「教官パイロットとして日々考え・大切にしていること」と言うテーマで、私が教官として仕事をさせて頂いている中で日々考えていることや・大切にしていること、挑戦していることについてお話させて頂きました。
次回、第5回目は、私が今後カナダでエアラインのパイロットになるとこを目標に現在行っていることや、今後の目標などについてお話させて頂きたいと思います。
それでは。