住宅設備メーカーがブラックと言われる理由は? クレーム体験談も紹介
こんにちは、トト郎です。
今回は住宅設備メーカーの働き方についてお話ししたいと思います。
私自身5年間営業として働いてきて、楽しいことやつらいことをたくさん経験しました。
住宅設備メーカーと検索するとブラックというキーワードが出てきますが、実際はどうなのかをお話ししたいと思います。
住宅設備メーカーがブラックと言われる理由
住宅設備メーカーがブラックと言われる理由は大きく3つあります。
①業務量が多い
②ゴリゴリの体育会系の業界
③クレームが多い
①業務量が多い
別の記事で業界の説明をしたときに住宅設備メーカーはルートセールスだと書きました。
ルートセールスということはメーカーはお客さんのお客さんも取引相手になります。
担当代理店の顧客数が100社でその100社の会社にそれぞれ50社の顧客がいれば5000社になるというとです。
厳密に言えば代理店の100社の顧客のうち数十社が主な取引先で、その数十社の先の顧客が全て違うわけではなく同じ会社が顧客の可能性もあります。
そのため5000社の顧客を担当するわけではありませんが、それでもかなりの多くの顧客を担当します。
あくまで全国トップクラスの販売をしていた私の経験ですが、朝8時過ぎから電話が鳴り始め、9時を過ぎると10分に一回電話がかかってきます。
内容は問い合わせ、雑談、クレームと様々です。
その間にメールも社内外問わずたくさんきます。
多い時で一日100通ほどきます。
そんな作業をこなしながら営業活動をしなければならず、残業はどんどん増えていきます。
仕事の取捨選択をできる人や、仕事を他人に任せることができる人でないと回らない仕事量です。
これは住宅設備メーカーに限らず、営業職全般に言えることかもしれません。
②ゴリゴリの体育会系の業界
この業界で働いている方を想像してください。
大手ハウスメーカー、インテリアデザイナー、一級建築士・・・だけではありません。
むしろ、工務店、材木屋、大工などのちょっと怖そうな人たちの方が多いです。
(担当するルートによって変わります)
そんな方たちと仕事をしますので、多少は人よりメンタルが強くないと厳しいかもしれません。
そして会社の上司などはそんな業界で結果を残してきた人たちなので、とても体育会系な方が多いです。
でも、体育会系な方は気に入ればとても優しくしてくれる方たちでもあるので、一生懸命仕事をしていれば特に問題はありません。
③クレームが多い
この業界で一番苦労するのはクレームかもしれません。
人が生活する場所に関わるクレームのため、緊急性が高いものが多いです。
また、ユーザーがそこまで怒っていなくても、伝言ゲームのように販売元から仕入れ先へと話が伝わるうちに大ごとになっていたりします。
基本は修理サービス会社が対応しますが、営業マンが呼び出されることも多々あります。
クレームが重なって辞めていく人もたくさん見ました。
いかに深入りしないかがクレーム対応の秘訣だと思います。
私の体験したクレームは次の項目でお話ししたいと思います。
私が経験したブラックな話
私が体験した少し大変だったお話をしたいと思います。
あくまで、私の経験なので全ての方がこんな目に合うわけではありません。
当時、私が担当していたリフォーム店で、納入された商品のサイズが違うというクレームが発生しました。
この段階では私自身、よくあるクレームだと思い、私の勤務していたメーカーの修理部門に現場確認を任せていました。
当日中に修理部門の担当は現場を確認して、図面と違うサイズの商品が納入されていると判断しました。
その日は正しいサイズの商品を再手配する段取りをして終わりました。
数日後、私に一本の電話がかかってきました。
相手は数日前にのサイズ違いの商品が納入されたリフォーム店の大工さんでした。
内容は、また違う商品が納入されてきたとのことでした...
さすがに2回間違えたこともあり、かなり強い口調で呼び出しをくらいました。
(ちなみにその地域の大工さんはとても怖いことで有名で、嫌な予感はしていました)
現場に到着していきなり罵声を浴びせられて、2時間ほど怒鳴られ続けました。
こちらが喋る隙も与えてくれません。
次にお前の上司を呼べと怒鳴り散らされ、渋々上司を呼ぶことになりました。
その時点で夕方17時を回ったくらいでした。
18時ごろに上司が到着して、私に怒鳴った内容を1時間ほど話していました。
上司が大工さんの荒ぶりかたに呆れ始めた頃に、次は商品を作った人間を呼べと騒ぎ始めました。
まさかと思い上司も私も聞き流そうとしましたが、大工さんの感情は収まりませんでした。
結局、上司の判断でメーカーの製造部門の責任者を呼ぶことになりました。
ちなみに現場まで片道3時間あります。
時刻は19時を回ったあたりでした。
基本的にはクレームで上司を呼ぶことはありません。
ましてや人命に関わるクレームでない限り製造部門の人間は現場に呼びません。
製造部門の責任者が到着したころには、夜の22時を過ぎてきました。
そこからまた1時間説教を食らって、新しい商品をすぐ用意することになり夜11時すぎに解散となりました。
私は15時から8時間説教をされ続けました。
大工さんの体力はすごいです…笑
(工場の人間は1泊してから帰りました)
その後、現場の写真などから、まさかの大工さんの施行ミスだとわかりました。
納入した商品は間違っていなかったのです。
ただ、最初に現場確認した修理部門の担当者の判断ミスもあったので、現場に合う商品を特注で作り、なんとか現場は収まりクレームは解決しました。
このクレームは商品ではなく、人が原因で起きたクレームでした。
私が最初からクレーム現場に同席していたら発生は防げたかもしれません。
社内も社外も信じ過ぎると、足元をすくわれることがあると私は学びました。
このクレームを経験してから、できる限りクレームには直接行くようにしています。
こんな内容のクレーム対応が年に数回発生するのが住宅業界です。
小さいクレームも合わせると毎日のように発生します。
クレーム対応は営業の大事な仕事の一つでもあります。
住宅設備メーカーで働くべき人
ここまでのお話を読んでいると、住宅設備メーカーには入社しない方がいいと思うかもしれません。
確かに万人にはお勧めできないかもしれません。
しかし、下記のような特徴をお持ちの方はお勧めできます。
・優良企業に入社したい
・個人の実力で成り上がりたい
私自身、学生時代は部活に専念して勉強はほとんどしてきませんでした。
就職するまで、エクセルもパワーポイントも使えず正しい日本語も使えていませんでした。
そんな人間でも3ヶ月経つと全てがある程度できるようになっています。
それくらいスピード感のある成長ができます。
また、住宅設備メーカーを数年経験すると転職業界ではかなりの人気者になります。
厳しい環境で営業してきたことを転職業界は知っているため、とても優良な人材なのです。
自分に特徴がないと思う方は営業スキルを身につけることができますし、住宅業界で営業をしたという箔がつきます。
そして、若いうちから何でも自分で判断して仕事をしたいという方にもお勧めです。
担当の顧客に対しては基本的に自分で考えて、様々な営業活動をおこないます。
チームプレーというより個人プレーが強い業界のため、好きなように仕事をして成果を上げられるのも魅力的な業界です。
住宅設備メーカーは確かにブラックな部分もあります。
しかし、自分自身を成長させる環境でもあります。
私自身、住宅業界で経験したことが今の業界でも役に立っていますし、他の社員との違いも生み出せています。
ぜひ怖がらずに挑戦してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。