①パイロット in カナダ 〜飛行教官の仕事とは〜
「パイロット」と聞くとどんなイメージをしますか?
大きなジェット機を操縦して、たくさんのお客さんを乗せて外国へ飛んでいくカッコいいイメージ?
パイロットの種類、実はもっとたくさんあるんです。
私は現在、カナダで飛行教官として日々空を飛んでいます。
「専門職コラム」第1回目は飛行教官の仕事についてお話ししたいと思います。
飛行教官(フライトインストラクター)とは
飛行機を操縦するには免許(ライセンス)が必要ですが、その免許を取得するためには飛行機を操縦する訓練が必要です。
飛行教官とは、その免許を取得するための訓練を担当するインストラクター。
私は現在セスナ172という小型機の飛行教官をしています。
皆さんが旅行に行く時に乗る大きなジェット機を操縦するパイロット達もみんな、1番最初はこの小さな飛行機で操縦の訓練を始めます。
そんな小型機の飛行教官としての私の仕事をご紹介します。
飛行教官の1日 天気の確認
飛行教官の1日は天気の確認から始まります。
飛行機の操縦方法(飛行ルール)は大きく分けて2種類あります。
一つは「計器飛行」と呼ばれる方法、そしてもう一つは「有視界飛行」と呼ばれる方法です。
「計器飛行」は自分の目で見た情報には頼らず、計器から得られる情報を元に飛行する方法。
例えば、私たちが海外旅行に行く時に乗るジェット機はこの方法で飛行していて、時には雲の中を飛行し続けることも出来ます。
一方、「有視界飛行」とは文字通り、パイロットが実際に目で見て得た情報を元に飛行する方法。
安全に飛行機を操縦するには視界が良いこと、風が強すぎないことなど、たくさんの気象条件が整っている必要があり、計器飛行とは違い、雲の中をと飛ぶことは出来ません。
私の仕事では「有視界飛行」で訓練をしているので、当日の天気/気象状況がとても大事です。
少しでも安全に飛行できない要素があれば、その日の訓練はキャンセルしなければならないことになります。
天気は常に変化しているので、たくさんの天気予報サイトから情報を収集したり、実際に空を眺めて状況を確認してその日のレッスンを行うか、最終判断をします。
飛行教官の1日 フライトレッスン
実際にフライト訓練に出る前に、プリブリーフィングを行い、その日に「どこで」、「何を」、「どのように」訓練するか、天気や練習エリアの安全確認も含めて生徒さんと一緒に確認を行います。
その後、訓練に使用する飛行機の点検、搭載する必要書類の確認を行い、問題がなければフライトへ出かけます。毎回のフライトは約1時間となります。
フライトから戻ると、フライト記録の記入、ディブリーフィングを行い、その日のフライトで良かった点や今後の改善点、その他、次回の訓練内容について確認を行い、レッスンは終了となります。
飛行教官のやりがい、楽しさ
なんと言っても、人が飛行機を操縦出来るようになるまで二人三脚で訓練を行い、その姿をすぐ側で見られることが最大の喜びであり、やりがいです。
飛行機の点検、地上走行、離着陸、巡航飛行や各種操縦方法の練習、管制官との無線でのコミュニケーションなど、フライト中は飛行機を飛ばしながらたくさんのことを同時進行で行わなければなりません。
その一つ一つを、着実に自分で出来るようになっていく姿を目の当たりにして、いつも感動しています。
「専門職コラム」第1回目は飛行教官の仕事、やりがいについてお話しさせて頂きました。
次回は、「パイロットになるには」というテーマでお話しさせて頂きたいと思います。
それでは。