多様化するプロサッカー選手のセカンドキャリア
プロスポーツ選手は若くして現役を引退するため、セカンドキャリアをどう生きるかも重要な問題です。
Jリーグなどでプレーするプロサッカー選手は特に引退年齢が若い傾向にあり、引退後は選手以外の新しい道を進まなければいけません。
選手としての実績や経験を生かして引退後は指導者や解説者などになるのが一般的ですが、近年はセカンドキャリアの選択肢が広がってきています。
プロサッカー選手は他の競技以上に引退年齢が若い
JリーガーのセカンドキャリアをサポートするJリーグキャリアサポートセンターによれば、Jリーガーの平均引退年齢は約26歳です。
プロ野球選手は約29歳、大相撲の力士は約32歳となっており、プロサッカー選手は他の競技の選手と比べても引退年齢が早いと言えます。
そのため、セカンドキャリアについて考えておくことが他の競技以上に重要です。
他の競技と同様に、プロサッカー選手も現役時代に高い実績があればサッカー中継の解説者になったり、プロチームに残って指導者となる道があります。
解説者やプロチームの指導者になるほどの実績がなければ、アマチュアチームの指導者になったり、全く別の職業を選択する場合もあります。
サッカー選手の場合は引退の平均年齢が20代半ばと特に若いため、引退後に就職活動をして一般企業に就職する例も珍しくありません。
クラブの運営に携わり、社長となることも
近年はサッカー選手がセカンドキャリアとしてプロチームのフロントに入ったり、オーナーとなったりするケースも増えています。
たとえば日本代表としても活躍した中田浩二さんは引退後、選手として所属していた鹿島アントラーズのクラブスタッフとなりました。
現役時代の実績があったため指導者としてチームに残る選択肢もありましたが、クラブの運営に関わるというセカンドキャリアを選択しました。
中田さんのように引退後にクラブのスタッフとなるプロサッカー選手は増えており、クラブの社長となるケースもあります。
選手からクラブの社長となった例では、セレッソ大阪の森島寛晃社長や北海道コンサドーレ札幌の野々村芳和社長などが有名です。
また、サッカー界はクラブ数が非常に多いため、引退後のセカンドキャリアでクラブのオーナーとなる人もいます。
現役時代は日本代表としてもプレーした望月重良さんは、引退後に自ら全額出資してSC相模原を創設し、クラブの代表としてJリーグ入りを実現しました。
海外でサッカーに関わるセカンドキャリアも
世界中で広く愛されるスポーツであるサッカーならではのセカンドキャリアもあります。
近年、アジアなどの海外のリーグでプロサッカー選手としてプレーする日本人が増えています。
海外で現役生活を終えた選手が、そのままその国に残ってセカンドキャリアを送るケースも少なくありません。
長く海外でプレーしていれば語学力なども身に付くため、そういった武器を生かして日本とその国をつなぐエージェントとなったりすることもできます。
また、現地での知名度を生かしてその国でサッカースクールを運営したり、新しいビジネスを立ち上げたりする人もいます。
海外でのセカンドキャリアの選択肢が幅広くあるのは、世界中に職場のあるサッカー選手ならではと言えます。
選手時代から海外でのセカンドキャリアも視野に入れて、海外のクラブでプレーするという選択をする方法もあります。
平均引退年齢が非常に若いプロサッカー選手は、他の競技のアスリート以上にセカンドキャリアについて考えておく必要があります。
選手時代の経験を生かして指導者や解説者になる人もいますが、裏方に回ってクラブの運営に携わる人も増えています。
また、サッカーならではの選択肢として、海外でプレーして引退後もその国でセカンドキャリアを築いていく方法もあります。