陸上選手の体脂肪率はどれくらい？ 男子・女性選手の適性体重とは？

陸上選手の体重はどれくらい？

陸上選手は、どれくらいの体重を維持すればよいのでしょうか。

競技別の目安や考え方について説明します。

体重の軽さは有利な条件の一つ

陸上競技において、体重は非常に重要です。

陸上競技は体を前へ前へと運ぶ種目が多いため、体重が勝敗に大きく関係するためです。

同じ脚力や心肺機能を持っていても、体重が軽い人のほうが速い傾向があります。

そのため、体重を調整することは、陸上選手にとって競技で有利になる条件のひとつです。

陸上競技のトップ選手たちは、毎日体重計に乗って自分の体重を確認しています。

とくに長距離走やマラソンなどの種目では、適切な体重管理が大事なポイントです。

陸上競技界での適正体重は長距離と短距離で違う

陸上競技での適正体重は、競技種目や身長によって異なります。

社会人の長距離選手の場合、自分の身長から115〜120を引いた数値が適正体重とされます。

たとえば、身長が170cmの選手なら、50〜55kgが適正体重です。

一方、短距離選手の場合は、自分の身長から110〜115を引いた数値が適正体重とされます。

身長が170cmの短距離選手なら、55〜60kgが適正体重です。

ただし、あまりに体重が軽すぎると、健康を害したり、故障を起こしやすくなります。

適正体重を目指すのは大切ですが、過度に無理をして体調を崩さないように気をつけることも必要です。

陸上選手が気にかける体脂肪率

陸上選手にとって、体重に加えて気にしなければならないものがあります。

それは「体脂肪率」です。

ここでは、陸上選手の体脂肪率がどれくらいなのか、目安を説明します。

トップ選手の体脂肪率は低め

体脂肪率とは、体内にある脂肪の重さの割合のことで、陸上選手は「体重は軽くしたいけど、筋肉量は落としたくない」と考えるため、体脂肪率を減らすよう努力しています。

トップ選手の一例を挙げると、福島千里選手は、身長165cm、体重50kg、体脂肪率が9％と発表されていました。

一方、室伏広治選手は、身長187cm、体重99kg、体脂肪率が3％でした。

このように、トップ選手の体脂肪率は非常に低いですが、体脂肪率は低いほどよいわけではありません。

体脂肪率が低すぎると、低体温や筋力の低下につながるだけでなく、女性の場合は生理不順になることもあります。

競技と健康の両方を維持するために、体脂肪率を適正範囲でコントロールしなくてはなりません。

体脂肪率を減らすには健康的な食事と適切なトレーニングが重要

体脂肪率を減らすには、食事制限をしなくても大丈夫です。

普段のトレーニングをしていれば、まずは栄養バランスのとれた食事をしっかりとることが大切です。

パナソニックの女子陸上競技部は「食べて勝つ」というテーマで、選手たちがしっかりとした食事を摂りながら練習に取り組むことを目指しています。

何もかも食べないのではなく、競技に必要のないものを食べないように自分を律する強さが必要です。

また、強豪の実業団では、食事の面をサポートしてくれるスタッフがいるため、アドバイスを聞きながら体脂肪を減らせます。

けがをしないように、健康的な食事と適切なトレーニングを組み合わせて、競技と健康の両方を大切にしましょう。

体脂肪は邪魔者ではない

陸上競技では体脂肪率が低いほど競技成績が向上するといわれています。

しかし、高いからといって必ずしも運動能力が低下するわけではありません。

実際に、体脂肪率が高い選手でも、テクニックやスタミナ、筋力などが優れていれば、競技成績は優秀な場合もあります。

また、脂肪をある程度蓄えることができれば、競技中の疲労回復や怪我の予防にもつながります。

とくに女性の場合、体脂肪率がある程度保たれていることが、生理不順や骨粗鬆症の予防にもつながることが知られています。

体脂肪率が低すぎると、女性ホルモンの分泌が抑制され、将来的に生理不順や更年期障害のリスクが高まることがあるためです。

陸上競技においても、選手の目的や競技種目によって、適切な体脂肪率は異なります。

体脂肪率を減らすことも重要ですが、過度な減量による栄養失調や身体への負担は避けなくてはなりません。

とくに若い世代の場合、バランスの良い食事やトレーニング、十分な休息を取ることが、健康的で高い運動能力を発揮するためには重要です。

トップスプリンター（短距離走者）の身長と体重は？

トップスプリンター（短距離走者）の身長と体重は個人差があり、競技種目によっても異なります。

ただし、短距離種目で成功するためには、筋力とスピードが重要です。

筋肉量を増やすためには体重が重くなる傾向があるため、身長が低めで体重がやや重めの選手が多い傾向があります。

• ウサイン・ボルト選手（男子100mの世界記録保持者）：身長195cm、体重94kg
• フローレンス・ジョイナー選手（女子100mの世界記録保持者）：身長178cm、体重65kg

逆に、長距離ランナーは身体が小柄で、体重が軽い傾向があります。

これは、体型が軽量化されることで走る際の負荷を減らすためです。

一方、マラソンにおいては、筋力や持久力が必要とされるため、ある程度の筋肉量が必要です。

一般的に、男性のマラソン選手の身長は165cmから180cm程度、体重は50kgから65kg程度です。

女性の場合は身長が155cmから170cm程度、体重は40kgから55kg程度です。

ただし個人差があり、必ずしもこのような体型である必要はありません。

「陸上選手の体脂肪率はどれくらい？」のまとめ

陸上選手の体重や体脂肪率に一定の目安はあります。

しかし、数値ばかりを気にしていると、体調を崩したり、故障を起こしやすくなったりすることもあります。

体脂肪率や体重を適正に保つには、無理な食事制限をするのではなく、栄養バランスの良い食事をとることが大切です。