陸上選手になるには? 企業の陸上部に入るルートも解説

陸上選手になるためには、一般的には幼少期や学生時代から競技を始め、指導者やコーチに指導を受けながら技術を磨くことが一般的です。

高校や大学での活動を通じて実績を上げ、プロとしての道に進むこともあります。

この記事では、陸上選手として活躍するにはどうすればよいのか、またどのような進路を選べばよいのかを解説します。

陸上選手になるまでの道のり

陸上選手となって競技生活を続けるには、大きく2つのパターンがあります。

パターン1.陸上選手として活動するための条件を満たす

陸上選手として活動するためには、大きく2つの条件を満たす必要があります。

条件1.日本陸上連盟に会員登録する

条件のひとつは、日本陸上連盟に会員登録することです。

会員登録の方法には、団体登録と個人登録があります。

【団体登録】
実業団の陸上部やクラブチームに所属している人は、通常、チームで団体登録されます。

各都道府県の陸上連盟に所属する団体に入ることが必要です。

【個人登録】
個人が居住する都道府県の陸上連盟に申請することで、個人登録が可能です。

自己記録などの制限はありません。

なお、日本陸上連盟に会員登録しなければ、次のような制約が生じます。

  • 日本陸連の公認大会に出場できない
  • 記録が公認されない
  • 国際大会での日本代表としての出場が認められない

まずは日本陸上連盟に登録することで、競技生活を続ける上での基本的なステップを踏むことができます。

活動資金と生活費を稼ぐ

陸上選手として競技生活を続けるための第二の条件は、選手としての活動資金や生活費を確保できることです。

トップ選手として競技生活を続けるには、以下のような費用がかかります。

  • 生活費:ふだんの暮らしに必要な生活費
  • 遠征費:大会や合宿など、競技のために他の場所に移動する際の費用
  • 合宿費:集中的なトレーニングや指導を受けるための合宿にかかる費用
  • コーチやトレーナーへの報酬:選手のサポートやトレーニングを担当するコーチやトレーナーに支払う報酬

これらの経費を賄うためには、賞金を得ることがひとつの手段となります。

プロの陸上選手は、世界各地の賞金レースに参加して、競技生活を維持する資金を稼ぐことが求められます。

ただし、これには競技のトップクラスの実力が必要であり、厳しい競争を勝ち抜かなくてはなりません。

パターン2.企業の陸上部に所属する道も

企業の陸上部に所属することで、陸上競技に出る方法もあります。

企業の陸上部に所属した人は、その会社の社員として働きながら、陸上競技の活動も行います。

社員とはいっても、陸上部に所属すれば仕事量が調節されるため、競技に専念できる時間は確保しやすく、仕事と陸上競技の活動を両立させることができます。

生活費を安定して稼げることは大きなメリットといえるでしょう。

また、企業は大会参加費、合宿費、トレーニング費など、陸上競技にかかるさまざまな費用をサポートしてくれることがあります。

さらに一部の大手企業は、専門のトレーナー、医療スタッフ、栄養士などトップアスリートに対して高度なサポートを提供しています。

一般的に、企業の陸上部に所属するには、学生時代にインターハイやインカレ、国体、日本選手権などの大会に出て、優れた成績を残すことが必要です。

陸上選手になるまでのルート

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陸上選手になるための学校

陸上選手を目指す場合に、どのような学校へ進学すればよいのかを説明します。

高校や大学への進学事情

陸上選手を目指す人にとって、進学や所属先の選択は、とても大事なステップです。

なお、陸上競技では、選手の実力は「記録」によって評価されます。

充実した環境でトレーニングを重ね、優れた記録を出すことは進学や所属先を決定する上で有利となるため、多くの陸上競技者は陸上で有名な高校や大学に進学をします。

名の知れた高校や大学には、優れた指導者やトレーナーが在籍しており、指導体制が整っています。

また、インターハイやインカレの常連校は、陸上関係者やスカウトの注目を浴びやすい環境であるため、活躍のチャンスを広げやすいのもメリットです。

なお、陸上で有名な高校や大学は、推薦入学の制度を設けていることがあります。

中学や高校で、全国大会レベルか、少なくとも都道府県レベルの記録を出していれば、推薦で入学することも可能です。

陸上選手が進学する高校は?

陸上選手を目指す場合、優れた指導体制や競技環境に恵まれた強豪校や、有名選手を輩出した学校に進学することで、自分の実力を伸ばしやすいでしょう。

強豪校の例としては、2019年の全国高校駅伝で男女優勝を成し遂げた、宮城の仙台育英高校があります。

そのほか、男子では大迫傑選手の母校・長野の佐久長聖高校、女子では東京オリンピック女子マラソン代表の前田穂南選手の母校・大阪薫英女学院なども強豪校としてあげられます。

そのほか、愛知の豊川高校、岡山の興譲館、京都の洛南高校など、全国に陸上の強豪校があります。

ただしそれぞれの学校や指導者には特有の特徴があります。

選手自身のやりたい競技やスタイルに合った学校を見つけることが重要です。

競技実績や大会での活躍が、将来の進路や評価に影響を与えることも考慮して、進学先を考えるとよいでしょう。

陸上選手が進学する大学は?

ロードレース選手の多くは、箱根駅伝を目指して関東の大学に進学します。

箱根駅伝は日本の大学駅伝の中でもとくに注目される大会であり、選手たちが競技力を高め、実力を証明する場となっているためです。

青山学院大学、東洋大学、早稲田大学などが強豪校として知られており、日本大学、日本体育大学、中央大学、東海大学、順天堂大学もほぼ毎年箱根駅伝に出場しています。

これらの大学では、強化合宿や独自のトレーニングプログラム、経験豊富なコーチ陣による指導などがあり、選手たちが実力を伸ばすのに適した環境が整っています。

また、先輩後輩のつながりや駅伝のチームワークにも強みがあり、協力しながら競技に取り組むことで好成績につなげています。

大学の進学先は、自分が馴染める環境や指導スタイル、将来的なキャリアプランも考慮して選ぶとよいでしょう。

陸上選手に向いている人

ここからは、陸上選手に向いている人の特徴を紹介します。

陸上というスポーツの性質に合う資質を持った人が活躍しやすい世界です。

小、中学校で目立つくらいの才能は必要

陸上競技の世界ではは、なるべく早い段階から、成績を残せる才能や実力が求められます。

ただし、中学や高校で目立たなくても、その後の成長や努力によってトップ選手になることができる例もあります。

多くの陸上選手は小学校や中学校から競技に親しんでいますが、高校になってから本格的に陸上を始める人も少なくありません。

大切なのは、自身の目標を持ち、継続的な努力とトレーニングを重ねることです。

競技のレベルや才能はもちろんですが、地道な努力や意欲も重要な要素となります。

努力を継続できること

陸上選手に限らず、ひとつのスポーツをコツコツと続けることは容易ではありません。

生活の中でさまざまな出来事や誘惑がある中で、10代の若者が目標に向かって継続することは困難なことかもしれません。

しかし、その中で努力を続けることができれば、その成果は大きな自己満足や達成感として返ってくるでしょう。

日々の継続的な努力が好成績や目標に近づくための一歩となることを意識して、強い気持ちで日々過ごせるかどうかが大事です。

陸上選手に向いている人・適性

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陸上選手のキャリアプラン・キャリアパス

陸上選手になったら、どのようなキャリアを歩んでいくのかを説明します。

陸上選手を目指せる年齢は?

陸上競技は早い段階から始める人が多いですが、はっきりとした年齢制限はありません。

プロランナーやトップアスリートになるには、早い段階からの練習や経験が有利であることは確かですが、例外もあります。

近年では、前田穂南選手や川内優輝選手のように、高校時代やそれ以前には目立たなかった選手が後に活躍するケースもあります。

個々の体力や才能、練習量、継続的な努力が大きな影響を与えるため、遅くとも高校時代までには競技を始めることが望ましいとされていますが、夢を追い求めることには明確な時期はありません。

スポーツ選手である以上、身体的な条件も影響してきますが、新たな挑戦や目標を持つことは年齢に関係なく可能です。

引退年齢は20代後半から30代が多い

陸上選手として活躍してきた人は、早ければ20代後半、一般的には30代で引退をすることが多いです。

引退理由として多いのは怪我によるもので、競技を続けたくても続けられない状態になってしまった場合に、第一線から退くケースが目立ちます。

陸上選手は、中学校くらいから陸上一本でやってきた人がたくさんいますが、引退後の長い人生をどう生きていくかは、きちんと考えていくことが重要です。

なお、企業に属していた選手の場合は、引退後はいち社員としての仕事を続けることがあります。

それ以外には陸上のコーチや監督になる人、まったく異業種へ進むような人もいます。

陸上選手の引退後の生活については、以下の記事で詳しく紹介しています。
陸上選手のセカンドキャリア・引退後の生活

女性でも陸上選手になれる?

陸上競技は男女を問わず、個人の実力や才能が生かされる競技です。

とくにマラソンや駅伝などのロードレースでは、女子選手も大きな注目を集め、国内外で活躍する選手が多くいます。

実際、オリンピックや世界陸上選手権などの大会では、女子種目も男子と同じくらいの注目を集めています。

近年では、女子陸上選手が数々の記録を塗り替え、多くの人々に勇気と感動を与えています。

その結果、女子陸上競技の人気は高まり、さまざまな大会で熱い戦いが繰り広げられています。

東京オリンピックでは男子24種目、女子23種目が行われました。

女子の場合、50km競歩がないことのほか、男子の10種競技とは異なり女子は7種競技であること以外は、すべて男子と同じ種目が行われます。

なお、4×400mでは男女混合リレーがありますが、それ以外はすべて女子のみで競います。

「陸上選手になるには」まとめ

陸プロの陸上選手としてのキャリアを築くためには、学生時代から陸上分野で活躍し、優れた実力や成績を残していくことが重要です。

そのため、学生は陸上の強豪校や大会の常連校に進学するのが一般的です。

これから陸上選手になりたい人は、できるだけ早いうちに進路を定めて、地道にトレーニングを続けていくことが必要です。