麻薬取締官の需要・現状と将来性

麻薬取締官の現状

不正麻薬は、海外からの密輸入や暴力団などのルートで密売されるケースが多く見受けられます。

そしてその取引といえば、かつては繁華街など一部の危険な場所で行われるのが一般的でしたが、いまでは一見安全そうに見える住宅地などでも麻薬が広がりつつあります。

その大きな理由といわれているのが、スマートフォンやインターネットの普及です。

これらは私たちの生活を便利にしてくれた反面、麻薬が取引される「危険な世界」に近づくことが容易になりました。

その結果、未成年者や麻薬とはほど遠い場所にいそうな主婦でさえも、ちょっとした好奇心から簡単に麻薬に手を出してしまうようになり、その後立ち直れずに苦しい思いをしている人が増えています。

薬物の乱用は、どんな人でも確実に自分の身体をむしばみます。

また、中毒性が高いため「一度だけ」と思っていても、実際には簡単にやめることが非常に難しいものです。

このような時代の変化もあり、麻薬取締官は一人でも多く違法薬物に手を出す人を減らすため、日々厳しく目を光らせています。

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麻薬取締官の需要

麻薬取締官は、厚生労働省に所属する国家公務員です。

そのなかでも特別司法警察官としての権限を与えられており、状況に応じて武器の所持が認められています。

そんな麻薬取締官には政令によって定員が定められ、平成30年4月時点の定員数は288人となっています。

この数字を見てもわかる通り、麻薬取締官は少ない人数で業務を行うことが特徴で、毎年の新規採用人数も少なければ10名以下など決して多くはありません。

定員は時代の流れによって変化するものの、今後も麻薬取締官の人数が大幅に増えることは考えにくく、なるためには狭き門をくぐり抜けるための努力が必要です。

麻薬取締官の将来性

近年では有害性のある「危険ドラッグ」の取り締まりを強めるため、麻薬取締官を増員する動きがありました。

薬物の流通や乱用は重要な社会問題のひとつであることから、麻薬取締官が背負う使命や責任、そこで期待される役割は、今後ますます大きくなっていくものと考えられます。

麻薬取締官は、警察や税関、海上保安庁などの関係機関とも協力しながら、国外から密輸される薬物の押収、薬物犯罪収益の没収、泳がせ捜査による犯罪組織の首謀者の逮捕などに取り組みます。

近年ではSNSを利用した薬物の取引事例が増えており、薬物犯罪はさらに広がり、複雑化しているとされます。

こうしたなか、麻薬取締官は時代の変化に迅速に対応しながら、犯罪をなくすための活動に広く取り組むことが求められています。

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麻薬取締官の今後の活躍の場

麻薬取締官は、厚生労働省の地方厚生局内にある「麻薬取締部」に勤務します。

麻薬取締部の活躍の場は、北海道から沖縄まで全国12ヵ所にあり、転勤を繰り返しながら日本の薬物犯罪の取り締まりに携わっていきます。

最近では全国に危険ドラッグの専任チームを置くなどの対策がとられ、人口が多い地域以外でも、麻薬取締官の仕事量が増えているようです。

税関と連携した水際対策も進められており、関連機関と協力しながら専門知識を生かして活躍します。

また、麻薬取締部では薬物犯罪をなくすための啓蒙活動にも力を入れており、今後、講演やセミナーなどで麻薬取締官が活躍する機会も増えていくことが考えられます。