棋士の資格・年齢制限はある?
棋士の資格とは
資格ではなく奨励会(しょうれいかい)への入会が必要
棋士になるために、資格は必要ありません。
しかし棋士になるためには棋士のプロ養成機関である「奨励会」にの試験に合格して入会し、対局をして勝ち進んで昇級・昇段をして、四段以上になることが一般的です。
アマチュア棋士として成績を残してプロ棋士となった人もいますが、大変レアなケースと考えておきましょう。
日本将棋連盟に属していない人は一般的に「アマチュアの棋士」と呼ばれ、正確には棋士ではなく「選手」といわれています。
奨励会の受験資格
奨励会に入会するには受験資格があり、満19歳以下で、四段以上のプロ棋士から奨励受験の推薦が必要です。
上記の条件をクリアすれば6級から1級までを受験することができますが、満15歳以下は6級以上、満16歳以下は5級以上と年齢によって級位も決められているので、事前によく確認しておきましょう。
またプロの推薦がなくても、全国大会で好成績を残している人などは例外的に受験することもできます。
棋士になる難易度
奨励会に入会してもそこからが難関で、全国の強者が集結しているライバルに勝ち、昇給・昇段しなければいけません。
最後の砦となる「三段リーグ」には30名ほどが属していますが、その上位2位以内に入ると無事にプロである四段に昇段することが可能です。
半年に1回のチャンスで、1年に4人しかプロとして認められないため、棋士になる難易度のハードルは相当高いことがわかるでしょう。
そのため棋士を目指す人は、対局以外の時間も将棋の勉強や研究を行い、多くの経験を積むことが必要です。
棋士になると自動的に、名人を頂点とするリーグ戦(順位戦)に属します。
女性の棋士
また女性においても男性と同じステップを踏めば棋士になることは可能ですが、現在のところ、残念ながら女性の棋士は存在しません。
女性だけで戦う「女流棋士」という制度もあり、こちらは将棋連盟の女流棋士会に属している棋士のことを指します。
また数年前には新たに日本将棋連盟とは別に、独立した「日本女子プロ将棋協会」という組織ができました。
そのため女流棋士には日本将棋連盟所属、日本女子プロ将棋協会所属、どちらにも属さないフリーの女流棋士がいます。
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棋士の年齢制限
年齢制限の壁
棋士になるための奨励会で段位を上げていく過程で、関門となっているのが年齢制限の壁です。
ほかにもさまざまな決まりはありますが、基本的には19歳までに入会し、26歳までにプロ棋士となる四段にならなければなりません。
10年以上将棋に人生を捧げてきたのに、26歳で四段に昇段できずに、奨励会を退会しなければいけなかった人もいます。
棋士の引退
なお棋士に定年はありませんが、順位戦の最下位リーグであるC級2組でも成績が残せず降格すると、フリークラスという立場になり、棋士の活動の柱である順位戦に参加できなくなるのがルールです。
ほかの棋戦などで結果を残すことで昇格を目指すことになりますが、昇段などの規定をクリアできずに10年経つと引退となる場合があります。
また、宣言によるフリークラス棋士は原則として65歳になると引退となります。
それ以外のフリークラス棋士は原則として60歳になると引退します。
つまり勝ち続けることができれば年齢制限がなく、極端にいえばいつまでも働くことができる数少ない「プロ」のひとつです。
最年長勝利記録を持つ加藤一二三棋士は、77歳まで63年間も現役で活躍され、レジェンドとして多くの棋士から尊敬されています。