プロ棋士とアマチュア棋士の違いは?
プロ棋士とは
プロ棋士とは日本将棋連盟に所属して、将棋の対局を通して賞金を得る人です。
基本的にはプロの養成機関である「奨励会(しょうれいかい)」の試験に合格して入会し、リーグ戦で勝ち進んでよい成績をおさめないとプロにはなれません。
奨励会は1番下は6級、最高位は三段まであり、昇給や昇段を目指します。
1番上の三段リーグで上位2位以内に入ると、晴れて四段に昇段し、正式のプロ棋士として認められるのです。
プロ棋士は順位戦と呼ばれるリーグ戦に所属し、その対局料などを受け取りながら最高峰の名人位・最高位の九段を目指します。
棋士は女性もなることができますが、現在は男性の棋士しかおらず、現役の棋士と引退した棋士を合わせて約200名ほどです。
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アマチュア棋士とは
一方アマチュア棋士は、日本将棋連盟に登録されていなくても、愛好家であれば誰でもなることができます。
アマチュア棋士にも段級位が設定されていて、免状を取得することも可能です。
1番下は10級から、特例で七段・八段が発行されたことがありますが、最高位は六段まで用意されています。
日本将棋連盟主催のアマ全国大会で優勝すると六段、準優勝すると五段、各都道府県代表になると四段、同一大会で3回優勝すると特例の七段が授与されるのが認定基準です。
ちなみに、プロ棋士の6級はアマチュア棋士の三段〜五段に相当するといわれており、プロとアマは同じレベルの段級ではありません。
アマチュア大会は各地でたくさんの大会が開催されており、全国チャンピオンを決める「アマ竜王戦」「アマ名人戦」「アマ王将位大会」などが有名です。
そのほかチーム対局の「職域団体対抗戦」や、学生対象の「全国オール学生将棋選手権」、女性のみを対象とした「女流アマ名人戦」などがあります。
中にはプロアマ交流戦というものもあり、プロと対局する機会を得ることも可能です。
アマチュアとプロは別世界
アマチュアは基本的にプロにはなれない
将棋界の特徴は、必ずしもアマチュアがプロを目指す構図がないということがあげられます。
基本的にはアマチュアが力をつけてプロになるのではなく、子どもの頃からプロを目指すのが通常のルートで、圧倒的なレベルの差があるのです。
プロ棋士になるには26歳までという年齢制限もあることから、より若い年代が有利になります。
そのためプロの養成期間である奨励会には、小学校高学年から中学生で入会する人が多いです。
はじめからアマとプロがしっかり分かれている点は、ほかの競技と比べて特異といえるかもしれません。
アマチュアからプロになる編入試験
しかし編入試験を突破すれば、プロ棋士を目指すことも可能です。
たとえば、アマチュア大会で活躍していた瀬川晶司棋士が、約60年ぶりに将棋プロ編入試験に合格し、プロに転向したケースがあります。
またアマチュアからプロになる制度もあり、新人棋士5人と対戦して3勝すれば、試験合格となりプロ棋士になることができます。
2015年には今泉健司四段が、2020年には折田翔悟棋士が合格し、プロ棋士となる夢を叶えています。