専門学校を留年してしまったら? 学費はどうなる?

必要な単位を取得できなかった場合、もう一度同じ学年で学ぶことを「留年」といいます。
専門学校においても単位制が採用されていますが、専門学校でも高校や大学と同様に留年することがあるのでしょうか。
専門学校で留年する可能性や、仮に留年した場合に学費がどうなるか、詳しく見ていきましょう。
専門学校で留年することはある?
まず気になることとして、専門学校にも留年という制度はあるのでしょうか。
もし専門学校にも留年制度があるとすれば、必要な単位を取得できない場合に留年する可能性があることになります。
また、留年することがあるとすれば、何年まで留年して専門学校に在籍できるのでしょうか。
留年する条件も合わせて確認しておきましょう。
専門学校にも留年制度はある
結論から言うと、専門学校にも留年制度はあります。
専門学校は正式には専修学校専門課程のことであり、卒業するには規定の単位数を取得していることが必須となります。
定められた単位数を取得できない場合、卒業や進級が認められません。
専門学校によっては極力留年しないで済むよう再試験の制度を設けている場合もありますが、それでも合格できなければ単位を落とすことになります。
留年すれば専門学校での在籍期間が1年ずつ増えていきますので、当然のことながら就職するタイミングも遅くなってしまいます。
専門学校で単位を取得し切れず留年が決定する人は実際にいますので、留年することのないよう注意してしっかりと勉強する必要があります。
留年できる年数には制限が設けられている
所定の単位数を取得できない場合に留年が決定するのは前述の通りですが、留年を繰り返した場合、ずっと専門学校に在籍できるわけではありません。
具体的に何年間留年できるかは、それぞれの専門学校によって規定を設けています。
よく見られるのは、「同学年を2年を超えて続けることはできない」と規定で定めているケースです。
専門学校が2年制の場合であれば、留年した年を含めて最長4年間まで在籍できることになります。
では、定められた在籍年数を超えて留年しなくてはならない場合はどうなるのでしょうか。
規定以上の年数を留年することはできませんので、留年が決定した場合は学校を除籍処分となり辞めなくてはなりません。
どのような場合に留年することになる?
専門学校で留年する原因は、進級するために必要な単位数が足りないことにあります。
ただし、きちんと学校に通い授業を受けていれば、よほどのことがない限り単位を落とすことはありません。
専門学校で学ぶ知識・技能は職業に直結する専門性の高い内容ですが、入学した時点で初めて学ぶ内容である点では全員が同じ条件からのスタートとなります。
もし授業でわからないことが出てきたとしても、講師に質問すれば解決できるはずですし、自分で分かるまで調べるなどすれば分からないままになることもないでしょう。
留年するほど単位を落としてしまうとすれば、専門学校で学ぶ内容に興味がなくなってしまったケースなどが考えられます。
あるいは、クラスの人間関係になじめず通学をやめてしまうケース、アルバイトや遊ぶことに夢中になってしまい学校に行かなくなってしまうケースなどもあり得ます。
また、専門学校に通う人の中には働きながら通学している人もいますが、仕事が忙しくなり通学できない時期ができてしまう場合もあるようです。
専門学校を留年するデメリット
致し方ない事情の場合もあるかもしれませんが、一般的には専門学校で留年するのは好ましいことではありません。
とくに本人の努力不足で留年が決定したとなれば、本来やるべき勉強を怠っていたと言われても仕方がないでしょう。
では、専門学校を留年すると具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか。
もう1年間同じ内容を学ぶことになる
留年すると、同じ学年にもう1年留まって勉強を続けることになります。
すでに習ったはずの内容を繰り返して学びますが、一緒に学ぶクラスメートはもう1学年下の学生になります。
とくに1年次に留年してしまうと、一緒に学ぶのが新入生のため、4月に新学期が始まった当初はごく基本的な内容から学び直さなくてはなりません。
留年していても試験や課題は他の学生と同様にこなさなくてはなりませんので、すでに知っていることや習った内容であっても繰り返し学ぶ必要があります。
習う内容が前の年と重複していたり、理解していることでも試験を受けなくてはならなかったりするため、学ぶ効率としては悪くなります。
専門学校を進学先として選んだ人の中には、大学に進学するよりも早く社会に出られる点をメリットと感じていた人もいるはずです。
留年によって就職するタイミングが遅くなってしまうのも大きなデメリットといえます。
実習に行けなくなることがある
専門学校では実習がたくさん実施されるカリキュラムになっているケースがよく見られます。
カリキュラムの中で実習が大きな位置を占めていることもめずらしくないため、実習は多くの学生にとっての関心事です。
ところが、留年が決定してしまうと本来参加できるはずだった実習に参加できなくなる場合があります。
なぜなら、実習に参加するにはそれまで講義で学んだ内容をしっかりと理解している必要があり、単位を落とした学生は理解が不十分と見なされる可能性があるからです。
とくに看護学校などでは、実習開始の前の年に単位を落としてしまう人が少なからずいます。
所定の単位を取得することは、習った知識・技能をしっかりと身につけていることの証にもなると肝に銘じておきましょう。
奨学金の給付が停止される
奨学金を受け取りながら専門学校に通っている人は要注意です。
本来、奨学金は進学して勉学に励む学生を援助する趣旨で給付されています。
留年すると決定すると、勉学への意欲や取り組みが不十分と見なされ、給付が停止される可能性があります。
奨学金の給付額は留年することなく卒業できると想定した金額設定になっていますので、留年した分まで援助することは想定されていません。
進級することができれば奨学金の給付が再開される場合もありますが、利用している奨学金のルールによって異なりますので注意が必要です。
奨学金の給付が停止されると学費の支払いに苦慮するケースも考えられますので、最悪の場合は経済的な事情で中退せざるを得なくなる可能性もあります。
留年しても学費は必要になる
専門学校で留年した場合、学費の支払いはどうなるのでしょうか。
留年すると同じ学年の授業をもう1年分受けることになりますので、1年分の学費が上乗せされてかかります。
専門学校によっては、留年すると学費の一部が免除されるなど独自の規定を設けている場合もありますが、一般的には留年した年の授業料や諸経費は追加で必要になります。
多くの家庭が入学から卒業までにかかる学費を試算し、それに合わせて学費を準備しているはずですので、留年によって1年追加で学費がかかるのは大きな負担となるはずです。
1年分の学費が追加で必要になれば、両親に事情を説明して学費を納入してもらうようお願いしなくてはならないでしょう。
このように、留年すると家計への負担という面でもデメリットとなり得ます。
専門学校で留年しないためには?
ここまで、専門学校を留年するとどうなるのか解説してきました。
しかし、本来であれば留年せず無事に進級・卒業できるのが理想であるのは間違いありません。
そこで、専門学校で留年しないためにはどんな点に注意したらいいのか、留年しやすい人の特徴や気をつけるべきポイントをまとめました。
留年しやすい人の特徴は?
専門学校で留年しやすい人の特徴として、3つのポイントが挙げられます。
単位を落とすことを前提に考えている人
専門学校では時間割通りに授業を受け試験をパスすれば、全員が単位を取得できるようにカリキュラムが組まれています。
進級や卒業に必要な単位ぎりぎりにならないよう、余裕をもって設定されているケースがほとんどです。
ところが、中には進級に必要な単位を取得できればよいと考え、初めから「〇単位は落としても大丈夫」と考える人がいます。
場合によっては急に体調を崩して試験当日に学校へ行けないことも考えられますので、どの授業も単位は落とさないことを前提に考えるべきです。
試験勉強を前もってしない人
専門学校の授業は専門的な知識・技能について学びますので、きちんと勉強しなければ試験で得点できません。
また、時間割は大学よりもハードと言われており、日々しっかりと復習していないと試験前に慌てることになります。
試験前に一夜漬けで対処しようとするなど、前もって試験に備えた勉強をしておかない癖がついてしまうと、単位を落としやすくなります。
生活リズムが不規則になりがちな人
専門学校での学校生活は高校よりも自由度が高くなります。
自分の時間を自由に使えるようになりますが、昼夜が逆転した生活になってしまうなど不規則な生活リズムが身についてしまうと、昼間の授業を休みがちになります。
授業に出席していなければ授業についていけなくなるだけでなく、欠席が続くと必要な出席日数の要件を満たせなくなる恐れもあります。
生活リズムの乱れは単位を落とす原因になりやすいので十分に気をつけましょう。
授業には必ず出席し試験勉強をしっかりする
せっかく進学した専門学校の授業に興味が持てなくなってしまう人がいますが、中には授業の内容が理解できない・ついていけないと感じるのが大きな原因となる場合があります。
専門学校では短期間で集中的に専門性の高い知識・技能を習得しますので、途中で授業内容が理解できなくなると日を追うごとに挽回するのが難しくなっていきます。
そもそも授業を欠席することが多くなれば、授業についていけなくなるリスクも大きくなります。
まずはできる限り授業に出席すること、試験に向けてしっかりと計画的に勉強を進めていくことが、留年を防ぐ上で重要な心がけといえます。
追試や補習を受けて留年を回避する
もし理解が不十分な授業が出てきてしまったとしても、留年を回避できるよう補習などのさまざまなサポートが用意されています。
授業内容が分からないと申し出るのは勇気がいるかもしれませんが、正直に申し出れば何らかのアドバイスやサポートを受けられるはずです。
ちょっとしたつまずきや勘違いで授業が分からなくなっているケースも考えられますので、まずは素直に申し出て理解不足を補うようにしましょう。
また、試験の点数が悪いとショックを受けるかもしれませんが、別日程で追試験を実施するなど、単位を落とさないための救済策が用意されていることもあります。
追試で合格できれば単位を取得できますので、追試に向けてきちんと勉強し、必ず追試を受けるようにしましょう。
この記事のまとめ
専門学校にも留年制度があると知って、留年してしまうのではないかと不安になった人もいるかもしれません。
しかし、きちんと授業に出席し、授業で習ったことを着実に習得していけば留年する心配はありません。
学びたいと思った分野の勉強をするために進学するはずですので、専門学校で意欲を持って学ぶと心に決め、入学後もしっかりと学んでいく姿勢を保つことが大切です。
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