正社員の副業は禁止? その理由とバレにくい方法【税金・保険をわかりやすく】

正社員の副業は法律で禁止されているわけではありませんが、会社の就業規則で禁じられていることもあります。

また、副業をしていることが会社の人に知られると、気まずい思いをすることもあるでしょう。

この記事では、会社に副業がバレる理由とバレにくい副業について解説します。





正社員はそもそも副業できる?

「正社員は副業ができない」と思われがちですが、法律で禁止されているわけではありません。

一方で、就業規則で禁止と定めている会社もあり、懲戒や減給など厳しい罰則を設けているところもあります。

この章では、正社員の副業の現状を掘り下げて解説します。

正社員の副業は法律で禁止されていない

正社員の副業は、法律上で禁止されてはいません。

また、厚生労働省による「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では副業に関して下記の見解を示しています。

自身の能力を一企業にとらわれずに幅広く発揮したい、スキルアップを図りたいなどの希望を持つ労働者がいることから、~(中略)その希望に応じて幅広く副業・兼業を行える環境を整備することが重要である。

つまり、企業は労働者の様々なキャリアプランを実現できるように、副業・兼業が可能な環境を整備することを、厚生労働省は推奨しています。

一方で、厚生労働省が定めている同ガイドラインの中には下記の記述も見られます。

厚生労働省が平成 29 年 12 月時点で示しているモデル就業規則では、労働者の遵守事項に、「許可なく他の会社等の業務に従事
しないこと」

つまり、副業をしてよいかどうかの判断は企業にゆだねられていると言えます。

企業の就業規則に「副業禁止」と明記されているにもかかわらず、副業していることが会社側に知られると以下のような厳しい処分が科されることもあります。

副業による処罰の例

  • 懲戒解雇
  • 出勤停止
  • 降格
  • 減給
  • 戒告

正社員の方で副業を始めたいと考えている場合、就業規則などの副業規定をしっかり確認し、不明点は上司や人事部の指示を仰ぐ方が良いでしょう。

企業が正社員の副業を禁止している理由とは

企業が正社員の副業を禁止している理由はおもに3つあります。

正社員副業禁止の理由
  • 本業がおろそかになる懸念
  • 情報漏洩の危険性
  • 会社の信用を損なう恐れ

副業をするとなると、休日や就業後に行うことになります。

休息を十分に取れなくなり、本業の仕事にも身に入らなくなる、といった懸念が企業側にはあります。

副業が軌道に乗って独立したいと考える社員も出てくると、人材の流出にもつながります。

また、本業で得た知識を活かして副業をする場合、企業秘密の漏洩の恐れも考えられる他、副業の種類によっては会社の信用を失墜することもあり得るなど、副業の容認には企業側にはデメリットも多いと考えられています。。

副業には、スキルアップや社外の知識・人脈の獲得といった企業側へのメリットもありますが、「会社への忠誠心」の欠如になるといった理由で副業を禁止している会社も多いようです。

正社員で副業がバレる理由とバレにくくする方法

正社員で副業を始めたいが、会社に知られたくない、と考える人は多いです。

この章では、副業が会社にバレる理由とその防止方法を解説します。

正社員で副業がバレる理由1. 住民税

正社員の副業が発覚することが最も多いのは、住民税と言われています。

住民税で正社員の副収入がバレてしまうのは以下の流れです。

  1. 役所が前年所得で住民税を計算、会社へ通知
  2. ①の計算額を会社が給与から天引きして納税
  3. ②の金額が他の社員よりも大きいと会社にバレる

このように会社に住民税の金額が大きくなってしまうことを会社に知られないようにするには、副業で得る所得の分の住民税を「普通徴収」にする必要があります。

普通徴収とは住民税を給与から天引きではなく、自宅に送付される納付書をもってコンビニなどで本人が納付する方法のことです。

住民税を普通徴収にするには、確定申告の書類2枚目の「住民税・事業税に関する事項」に「自分で納付」の箇所に〇をします。

会社員の住民税の徴収方法は「特別徴収」が一般的で、会社が給与から天引きして代わりに納付しています。

正社員で副業がバレる理由2. 雇用保険

雇用保険は週に20時間以上31日以上働く場合に加入が必須となっています。

雇用保険は1社でのみ加入ができますが、副業が発覚してしまうのは以下の流れです。

  1. A社で本業(雇用保険加入済み)とB社で副業を20時間以上始める
  2. B社で雇用保険加入手続きが行われる
  3. ハローワークからA社に雇用保険の喪失届忘れがないか連絡

雇用保険は1社でのみ加入ができるので、上記の例のようにすでにA社で雇用保険に加入しているにもかかわらず、B社でも加入手続きが行われてしまうと、ハローワーク経由でA社に連絡が入ってしまいます。

このような事態を防ぐには、B社に「雇用保険は既にA社で加入済みです」と事前に伝えておくことです。

正社員で副業がバレる理由3. 社会保険

アルバイトやパートなど給与所得を得る副業をする場合、条件を満たしたら社会保険料を徴収されて本業の会社に連絡されるため、副業が発覚する可能性があります。

ここでの社会保険とは、下記の5つを指します。

社会保険

  • 健康保険
  • 介護保険
  • 厚生年金保険
  • 労災保険
  • 雇用保険※

※雇用保険は上述の通り1社でのみ加入できるので、社会保険料の徴収対象になるのは4つです。

アルバイトやパートの人の社会保険加入が必須になるのは、下記のいずれかの条件を満たした場合です。

1.週の所定労働時間および1月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上
2.次の5要件をすべて満たす人
・週の所定労働時間が20時間以上あること
・雇用期間が1年以上見込まれること
・賃金の月額が8.8万円以上であること
・学生でないこと
・常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること

日本年金機構より

社会保険料の負担が本業・副業の会社両方で発生すると手取り金額が減ることになります。

社会保険料の徴収が発生しない副業は事業所得雑所得です。

正社員は社会保険に入ることが義務付けられているため、個人で行った副業へは社会保険料はかかりません。

また、副業で得た金額が大きくても、本業の所得のみが社会保険料の料率計算に使われます。

以下の章で、事業所得や雑所得について詳しく説明していきます。

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正社員のためのバレにくい副業

これまで述べてきた通り、税金や保険などで本業の会社への何らかの通知が行われる場合に、副業が発覚しやすくないrます。

副業が禁止されていない会社に勤めていても、なるべく知られたくない方も多いでしょう。

この章では、正社員が副業する場合にバレにくい仕事を紹介していきます。

給与所得の副業は会社にバレやすい

税金や保険料などを雇用主から徴収される「給与所得」の副業は会社に通知されてバレやすくなります。

給与所得の副業の例は以下の通りです。

  • 会社員
  • 派遣社員
  • パート
  • アルバイト

飲食店やコンビニ店員などは、同僚などに見られて発覚することもあります。

会社に人に絶対に知られたくない場合は人目につく仕事を選ぶのはやめておきましょう。

自宅で完結する雑所得・事業所得の副業がバレにくい

下記のような仕事が雑所得事業所得になります。

  • アフィリエイト
  • ネットオークション
  • フリマ
  • ハンドメイド作品の販売
  • 原稿料
  • FX

個人事業として行えば、社会保険が発生しませんし、住民税の納付を普通徴収にすれば会社に通知されることもありません。

自宅で完結し、一目に触れる可能性がないのも副業が発覚しにくい理由です。

いずれも年間の所得が20万円を超えた場合には確定申告が必要です。

なお、副業として人気のある株式投資については、特定口座(源泉徴収あり)で取引している場合には確定申告が不要です。

利益が発生するたびに証券会社が税金を代わりに徴収して収めているからです。

正社員の副業禁止の理由とバレにくくする方法まとめ

正社員の副業は法律で禁止されてはいませんが、会社によっては社内の規則で禁止されていることもあり、懲戒などの厳しい罰則を科される場合もあります。

副業を始める場合には、事前に就業規則などをしっかり確認しておくべきでしょう。

会社が副業を禁止している理由は、本業がおろそかになったり、情報漏洩の危険があったりするなど様々です。

副業を会社に知られたくないのであれば、給与所得ではなく雑所得や事業所得などの仕事を選びましょう。

確定申告で住民税を普通徴収にしていれば発覚する可能性は低くなります。

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