正社員のメリットは? 正規雇用の見落としがちなデメリットも

正社員の一番のメリットは安定した定期収入があること。

社会保険にも加入でき、社会的な信用もあるのでローンなどの審査にも通りやすいメリットがあります。

一方で希望しない転勤や異動にも従う必要があり、プライベートとの両立が図りにくいデメリットもあり、求めている生活スタイルによっては必ずしも正社員の方が良いとは限りません。

この記事では正社員のメリット・デメリットを、契約社員等の非正規雇用との比較で解説します。





正社員のメリット・デメリット

正社員 メリット デメリット

 

正社員のメリット・デメリット
  • メリット1.安定した給与収入
  • メリット2.社会保険に加入できる
  • メリット3.社会的な信用がある
  • デメリット:自由な働き方はできない

正社員の一番のメリットは「安定性」だといえます。

一般的な企業であれば、社会保険・各種手当も適用され、住宅ローンの審査が通りやすい等の社会的信用が高い点もメリットです。

一方で、正社員のデメリットとしては残業や転勤などの会社の命令に従わざるを得ないという点があります。

この章では、正社員のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

正社員のメリット1.安定した給与収入

正社員は無期の雇用契約を結ぶことから、解雇に関しては厳しく制限されています。

したがって、正社員は長期にわたって安定して働くことができ、安定した収入を得られます。

仕事を通じて徐々にスキルアップすることによって、昇給したり役職がついて賞与(ボーナス)に反映されたりすることもあり、給与がだんだん上がっていきやすいです。

例として、派遣社員と正社員との年収の比較を見てみましょう。

派遣社員 年収 年齢別 正社員 比較

上の図で、非正規雇用の派遣社員の年収が伸びにくいのに比べて、正社員の年収は右肩上がりに伸びていきやすいことがわかります。

また、年収には含まれない以下のような会社の福利厚生が正社員のみに適用されることも多いです。

正社員に適用される福利厚生の例

  • 住宅手当
  • 資格手当
  • 扶養手当
  • 退職金

したがって、見かけの年収以上に正社員の収入は非正規雇用に比べると多いと言えます。

また、正社員は出産前後の休暇制度や育児中の短時間勤務が認められるなど、仕事を続けてきちんと収入を得ながら家庭も両立させやすいできる仕組みが整っている傾向があります。

正社員のメリット2.社会保険に加入できる

社会保険とは、広義では以下の5つを指します。

社会保険

  • 医療保険(健康保険)
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

会社はすべての正社員を社会保険加入させる義務を負っています。

一方でアルバイトやパートの場合は週に20時間以上勤務などの条件を満たさない限り、社会保険に入ることができません。

正社員として社会保険に加入すると、保険料の半分を企業が負担するので、正社員の側から見て支払いが軽くなるメリットがあります。

厚生年金保険に加入することで、将来受け取れる年金が多くなるのもメリットが大きいと言えます。

正社員のメリット3.社会的な信用がある

正社員は安定した給与収入があると社会的に見なされるため、クレジットカードや住宅ローンの審査に通りやすいメリットがあります。

非正規雇用や個人事業主に比べても、この点は大きなメリットと言えます。

正社員のデメリット

正社員のデメリット
  • 転勤や残業によりプライベートと両立しにくくなる
  • 副業が禁止されていることが多い
  • 長く働くほど仕事の責任が重くなる

正社員のデメリットは、非正規雇用に比べると、会社に拘束される時間が長いことや、会社が定める就業規則を厳しく守らなくてはならないことだといえます。

勤務時間や休日についてはもちろん、転勤や部署異動といった、さまざまな会社の業務命令にも基本的に従う必要があり、残業(サービス残業含む)や休日出勤を命じられることもあります。

また、就業規則に「副業禁止」と書いている会社も少なくありません。

正社員の副業について、法律で禁止されているわけではなく厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、副業ができる環境を会社が整えることを推進しています。

正社員の副業を解禁すると、本業に身が入らなくなる等の会社側のデメリットも考えられることから、まだあまり進んでいないのが現状です。

正社員の副業について詳しくは以下の記事をご覧ください。
正社員の副業は禁止? その理由とバレにくい方法【税金・保険をわかりやすく】

正社員は長く働くほど役職が付き、部下の面倒を見たり会社の業績を大きく左右するような重要な仕事を任されることもあり、やりがいがある半面、プレッシャーが大きすぎてデメリットであると感じる人もいます。

このように、正社員のデメリットは契約社員やアルバイト等と比べて、会社からの拘束時間が長く、転勤などのライフプランを左右するような業務命令にも従わなければならないことと言えます。

正社員とはそもそもどんな働き方?

正社員とは
正社員のメリット・デメリットを見てきました。

ここからは、そもそも正社員とは?という視点で非正規雇用との違いについて説明していきます。

正社員とは

「正社員」は法律上の用語ではないため、特別な定義はありません。

一般的に、正社員とは雇用期間の定めがなく会社で働く人のことを指します。

「非正規雇用労働者」との対比で、正社員のことを「正規雇用」と呼んだりもします。

正社員の場合、本人と会社は「半年」や「1年」といった短期間ではない無期の雇用契約を結ぶため、長期にわたって安定して働くことが可能です。

また、原則としてフルタイムで勤務し、勤続年数によって給料が上がっていったり、役職がついていったりすることが一般的となっています。

正社員と非正規雇用との比較

会社で働く非正規雇用には主に3つの種類があります。

  • 派遣社員
  • 契約社員
  • アルバイト・パート

上記のうち、派遣社員だけは働いている会社に直接雇用されているのではなく、派遣会社と雇用契約を結び、派遣会社から給料をもらう点が契約社員やアルバイトなどと大きく異なる点です。

派遣社員は勤務している会社でトラブルなどがあった時に、派遣会社が間に入ってくれるなどのメリットがあります。

派遣社員と正社員の違いについて詳しくは以下の記事にまとめています。

派遣社員と正社員の違いとは?メリット・デメリットでわかる最適な働き方
契約社員とアルバイト・パートとの違いは雇用期間が決まっているかどうかと勤務時間の長さです。

  • 契約社員:雇用期間が決まっている。フルタイム、月給制のことが多い
  • パート・アルバイト:週に2~3回勤務可能。時給制

契約社員は〇月〇日まで、と雇用期間が決められていますが、パート・アルバイトには雇用期間の定めがないことが一般的。

また、契約社員は月給制でフルタイム勤務のことが多い一方でアルバイトやパートは時給制です。

正社員と契約社員はどちらも会社と直接雇用契約を結んでいる点では同じですが、期間の定めの有無や福利厚生の適用などで違いがあります。

正社員と契約社員との違いについて詳しくは以下の記事をご覧ください。

契約社員と正社員の違いは?一覧表でわかりやすく解説

正社員になるには

非正規雇用から正社員になるには、大きく分けて3つの方法があります。

正社員になるには
  • 正社員登用制度を利用する
  • 紹介予定派遣に登録する
  • 転職活動をする

既に働いている会社で正社員になりたい場合には「正社員登用制度」があるか確認してみましょう。

正社員登用制度がある会社は以下の図の通り72%です。

正社員登用制度 導入企業割合

厚生労働省「労働経済動向調査(2019年2月)」より作成

会社側も、契約社員等で働く様子を見てから採用できるというメリットがあります。

正社員登用制度について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

正社員登用制度とは? 最新統計でわかる実態と正社員のメリット・デメリット

紹介予定派遣とは、派遣社員として働いた後、正社員になることを前提にした派遣社員の働き方です。

正社員登用や紹介予定派遣よりも転職活動をして、正社員の求人に応募した方が早く正社員になれることもあります。

情報を集めて自分に合う方法で正社員を目指しましょう。

正社員の試用期間とは

試用期間とは、正社員として雇ってもいいか会社が判断する「お試し期間」と言えます。

正社員の試用期間は一般的には1~6か月程度で、契約社員やアルバイトであっても試用期間を設けている会社もあります。

試用期間についての待遇は会社によってまちまちなので、「試用期間中の給料が思ったより少なかった」などとならないように、雇用契約の際にしっかり書類を確認しましょう。

正社員の試用期間については以下の記事にまとめています。

正社員の試用期間とは

正社員に向いている人、そうでない人

正社員のメリット・デメリットを踏まえたうえで正社員に向いているのは、「ひとつの会社に所属して長く働くことを重視したい人」だといえます。

給料も休日も会社によって定められているため、安定志向の人に適した働き方です。

また、正社員の場合、アルバイトやパート、派遣社員などとは異なり、会社側は「長く働き続けてもらうこと」を前提として採用しているため、会社の将来を左右するような重要な役割を任せることも多々あります。

社内で実力をつけて役職を上げていきたい人や、より大きな責任を持って働きたい人であれば、正社員として働くメリットを十分に感じられるはずです。

一方、責任をしっかりと果たすためには、残業(ときにサービス残業)をせざるを得ない場面も出てくることがあります。

アルバイトなどのように、決められた時間がきたら「帰ります」という風にはなかなかいかないのが正社員という立場です。

したがって、会社に縛られたくない気持ちが強い人や、会社の仕事以外で何か目指すものがあり、勤務時間などの融通を利かせて働きたい人などは、正社員にはあまり向いていないといえるでしょう。

ひとつの会社ではなく、さまざまな職場を経験してスキルアップしたいと考える人にとっても、正社員でない働き方を選ぶほうが都合よいことがあります。

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正社員のメリット・デメリットまとめ

正社員のメリット・デメリット
  • メリット1.安定した給与収入
  • メリット2.社会保険に加入できる
  • メリット3.社会的な信用がある
  • デメリット:自由な働き方はできない

正社員は安定した生活が望める一方で、転勤や残業で仕事とプライベートの両立が難しくなるデメリットもあります。

自分に合った雇用形態を選ぶことが大切です。

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