マスマーケティングとは

全ての消費者を対象に、大量生産、大量プロモーション、大量販売を行うマーケティング戦略を「マスマーケティング」といいます。

では具体的にマスマーケティングとは一体どのようなものなのか、詳しくお話します。





マスマーケティングの性質

マスマーケティングとは、第二次世界大戦後から1970年代にかけての高度経済成長期の大量消費時代に生まれた手法です。

その時代、ベルトコンベアの普及による大量生産、交通網の発達による大量流通が可能になりました。

さらにテレビなどのマスメディアが発達したことにより、消費者の購買量が増加し、大量の利益を生み出すことができるようになったのです。

マスマーケティングに成功すれば、生産から販売までの全てのコストを抑えることができ、大きな利益につながるという利点があります。

しかし、その分はじめに莫大なお金がかかるので、マスマーケティングを行える企業は大手企業であることがほとんどです。

マスマーケティングで扱う商品は、家庭の食卓に並ぶような食料品や、歯ブラシやシャンプーといった日常品など、多くの人が使うような商品が中心です。

セグメントマーケティングとの違い

マスマーケティングは不特定多数の人をターゲットにするマーケティングですが、不特定多数の人を対象にするのではなく、ターゲットを分割して絞り込むマーケティング方法をセグメントマーケティングといいます。

セグメントマーケティングでは国や地域といった地理データや、年齢、性別等の人口統計データ、また購買力、購買習慣など心理的傾向データをもとに対象をグループ化していく方法です。

さらにターゲットを絞ったものをニッチマーケティングといいます。

生産量は圧倒的に少ないものの、はじめから特定の分野に興味のある人をターゲットにしている分、成功率は高くなるため、投資に見合った資金を回収できるというメリットがあります。

もともとの資金をあまり持てない個人や中小企業ではニッチマーケティングの方法をとることが多くなります。

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コカコーラ社のマスマーケティング

マスマーケティングを行った代表的な会社の一つにコカコーラ社があります。

1923年に社長に就任したロバート・ウッドラフ氏は「いつでも・どこでも・だれにでも」をキャチフレーズに、コカコーラという製品一つでマスマーケティングを行いました。

コカコーラという言葉を聞いて、商品をイメージできないという人は少ないと言えるほど世界中で認知され、消費されました。

たとえば白いあごひげに赤い服を着た世界共通のサンタクロースのイメージはコカコーラのCMで登用したことから定着したイメージと言われています。

現在でも「企業のブランド価値評価ランキング」で上位の座を維持しているコカコーラは、企業のブランドイメージを作るCMづくりにも抜きん出ているということもその理由の一つです。

時代の流れによる変化

しかしマスメディアしか主要なメディアがなかった時代はCMは強い影響力を持っていましたが、今の時代は若者層を中心にテレビ離れも目立ち、人々の趣向が細分化している傾向にあります。

さらにSNSの普及によって一人一人が受け取る商品情報が膨大になっているので、従来のようなマスマーケティングは通用しなくなっています。

コカコーラ社はセグメントマーケティングも導入し、カロリーゼロの「コカコーラ・ゼロ」やスポーツ飲料の「アクエリアス」、健康茶をブレンドした「爽健美茶」など、それぞれの趣向に基づくニーズに向けたさまざまな種類の飲料を発売しています。

最高マーケティング責任者ジョー・トリポディ氏はもうスプレーでばらまくように大量にテレビCMを流して後は神頼みというマーケティングはやめようというスローガンを打ち出しました。

そこで自社メディアを立ち上げてデジタルマーケティング戦略を行ったり、独自のアプリを開発するなど、試行錯誤しながら時代に合ったマーケティング方法を模索しているのが現状となっています。

この記事のまとめ

マスマーケティングはコカコーラの事例に代表されるように、今の時代にマッチしたマーケティングとは言えなくなってきています。マスマーケティングの手法も取り入れながら、時代に合わせたマーケティング手法を作り出していく時代になったといえるでしょう。

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