ロールプレイングとは
実践に備えて効果的な疑似体験を行うために、ロールプレイングの手順とポイントを紹介します。
心理療法から発展した「ロールプレイング」
ロールプレイングとは、実際の場面と同様の模擬的な状況を作り、登場人物を演じて疑似体験することです。
もともとはオーストリア系アメリカ人の精神科医、ヤコブ・レヴィ・モレノが提唱した心理劇と呼ばれる心理療法で、劇中の人物を演じることで客観性な視点を生み、患者が自ら問題解決への気づきを得る治療法として注目を集めました。
効果の汎用性が高いことから日本では教育分野での導入が進み、企業では人材育成手法のひとつとして、研修などで取り入れられています。
日本語では「役割演技」と訳されますが、「ロールプレイング」や「ロールプレイ」といわれることが一般的で、「ロープレ」と略して表現されることも多くあります。
また、ロールプレイングはゲームの種類のひとつとしても知られており、架空の設定の中で参加者がゲームのキャラクターを演じ(操作し)てゴールを目指すゲームを「ロールプレイングゲーム(RPG)」と呼んでいます。
ロールプレイングの手順と研修のメリット
ロールプレイングは、想定する状況が実際に訪れたときにきちんと対応するための練習(学習)で、企業内外で行われる研修では必ずといってもよいほど取り入れられています。
さまざまな設定が可能で自身の課題や解決法を発見することにも役立つため、年齢やキャリアに関係なく取り組むことも可能です。
ただし、ロールプレイングの内容が想定した場の擬似体験になっていなければ、ロールプレイングの効果は期待できません。
意味のあるロールプレイングを行うために、手順と注意したいポイントを紹介します。
ロールプレイングの手順
1.ロールプレイングのシナリオを作る
シナリオがなければ、行き当たりばったりのロールプレイングになってしまい、練習になりません。
どのような流れで進めるのか、あらかじめシナリオを用意しておきましょう。
2.役割(演者・観察者)を決める
シナリオに合わせて登場人物の担当を決め、また演者とは別に観察者も決めてください。
参加人数が多い場合は、グループごとに行うとよいでしょう。
3.ロールプレイングを行う
想定された状況をイメージし、それぞれの役割を演じます。
ここでは各演者が自分の役割や設定をきちんと理解し、真面目に演じることが重要です。
役割にあわせた言葉遣いや所作を心がけましょう。
また制限時間を設け、時間内に終わらせるようにしてください。
4.フィードバックを行う
ロールプレイングが終了したら、参加者全員で振り返りを行います。
観察者はもちろん、演者も自身への気づきや他者へのフィードバックを行いましょう。
手順の1~4までが終わったら、役割を変えて実施します。
例えば、プレゼンや営業トークのロールプレイングでは、一連の流れが自然にできるまで毎日続けることが効果的。
課題に合わせて新たにシナリオを作るのもよいでしょう。
ロールプレイング研修のメリット
ロールプレイングでは、演じることを通して気づきを得られることはもちろん、他の演者や観察者など第三者の視点から有益なアドバイスを得ることも可能です。
具体的には以下のようなメリットがあります。
・実践に必要なスキルや感覚が身に付く
簡単そうにみえても、やってみると思い通りにできないことは少なくありません。
一度体験することによって、実践で通用するスキルや感覚を身につける必要性を実感することができます。
また課題が明確になることで、スキルアップの機会も生まれるでしょう。
・客観的な視点
ロールプレイングでは自分の行動について他者から意見がもらえたり、観察者として他者の行動を見ることもできます。
それによって、多角的な視点から自身の行動を捉える力が養われます。
・柔軟性と対応力
何度も疑似体験をするとあらゆる状況を想定した対策ができるため、実践では余裕をもって柔軟に対応することができるようになります。
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この記事のまとめ
ロールプレイングは、実践に近い環境で経験やスキルを磨ける練習方法です。
例えば営業のロールプレイングであれば、商談相手役と観察者がいればすぐにでも取り組めるため、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
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