ナレッジワーカーとは
ドラッカーの提唱したナレッジワーカーという概念
オーストリアの経営学者であるピーター・ドラッカーは、1960年の著書『新しい現実』の中で、ナレッジワーカーというモデルを提唱しました。
日本ではちょうど高度経済成長期に当たる時代です。
ドラッカーのいう「ナレッジワーカー」とは、従来の製造業などに求められた「マニュアルワーカー」と違い、企業に対して、知識を持って付加価値を生み出す労働者のことを指します。
マニュワルワーカーとは、高度経済成長期にモノを大量生産するべく、組織において労働者をマニュアル化して育てられた人々で、画一的に働く単純作業労働者です。
いわゆるブルーカラーという人々です。
ホワイトカラーとも違うナレッジワーカー
ここまで読むと、ブルーカラーではないという点や知識を活用する点から、「ホワイトワーカー」とどう違うのかという疑問が沸くと思います。
たしかにホワイトカラーもナレッジワーカーも、働く拠点は主にオフィスであることが多いですが、明確な違いとして、ナレッジワーカーは単に知識を活用するのではなく、経験やプロセスなどを経て得た「知恵」を活用します。
たとえば、会社で何かトラブルがあったとします。
そのトラブルに似た事例を自分が過去に経験しており、解決したことがあった場合、ナレッジワーカーはその経験を生かして、「こうすれば解決できるのではないか?」という問いかけを皆にし、アイディアをまとめていくのです。
単にアイディアを実行するだけでなく、皆のアイディアを編集する力を持つ人がナレッジワーカーであります。
つまり、従来のホワイトカラー、ブルーカラーに加え、新たにナレッジワーカーというもタイプが加わり、労働モデルは3タイプに分類できるとしたのです。
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ナレッジワーカーとされる条件とは?
ナレッジワーカーは、先にも述べましたが単に知識だけを持っていればよいというわけではありません。
ナレッジワーカーは、知識を集めて、それをまとめ、皆に共有する編集能力を必要とされます。
また、ナレッジワーカーは生産性をも重視します。
ただデスクワークをしているだけでなく、「どうすれば、この仕事を効率的に早く終わらせられるか」を意識していなければなりません。形の見えない仕事の成果に対し、効率性や生産性を求めるのがナレッジワーカーです。
また、彼らの多くは、賃金そのものよりも社会的な貢献などを重視する傾向にあります。
どのような職種がナレッジワーカーとされるのか
ナレッジワーカーは知的生産物を創造しますので、高度な情報収集能力や、分析能力が必要とされます。
たとえばコンサルティング業や、金融アナリスト、ディーラーなど、日々情報が更新されていく仕事はナレッジワーカーといえるでしょう。
情報を集め、分析することで、企業の生産活動に付加価値を与えるのがナレッジワーカーです。
ナレッジワーカーとなるには、常に問題意識を持ってアンテナを張っていなければなりません。
どのような問題が社内にあるのか、誰か困っている人はいないか。
それに対して、自分はどのようなアプローチで解決策を提案できるのかを考えられる人こそ、ナレッジワーカーといえるでしょう。
この記事のまとめ
ナレッジワーカーを活用する側も、常に明確な目標を掲げなければなりません。
具体的なゴールが見えたら、解決に至る道筋を経験と知識を持って、「知恵」に変え、実行する能力が必要です。
今後、情報化社会がさらに発展するのに伴い、ナレッジワーカーとして働くことがさらに求められるのではないでしょうか。
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