環境工学とは? 大学で学ぶことや就職先は?

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環境工学の概要・理念

環境工学は、私たちが暮らす社会における環境問題に対して、科学技術の力で解決するための具体的な方法を考える学問です。

環境問題と聞くと自然環境がイメージされますが、環境工学で研究対象とされるのはこうした自然環境に留まらず、都市環境や建築環境といった私たちが暮らす中で関わるあらゆる環境について研究が行われています。

具体的には、水や大気、土壌といった身近なものから、気候変動、生体系といった地球規模の課題、さらには放射線、廃棄物、騒音、エネルギー問題といった人工物を主体とした研究まで、多岐にわたる研究テーマが存在します。

近年では持続可能な社会の実現について、グローバル規模で考えていかなくてはならない段階に入ったと言われ、研究機関や産業がさまざまな取り組みをしています。

環境工学では、こうした現実的な問題に対して、具体的にどのような対策が取れるのか、その結果どれだけの効果が見込めるのか、といったことにまで踏み込んで研究を進めていきます。

環境工学で学ぶこと

環境工学は幅広い研究対象を持つ学問ですが、基礎となるのは水や大気、土壌といった身近な環境についての知識です。

1・2年次を中心に、こうした基礎にあたる内容をひと通り学び、環境工学の研究を進めるための土台を築いていきます。

大学や指導教授の方針にもよりますが、環境工学の研究は理論に留まらず、フィールドワークなどの実習を積極的に取り入れているのが特徴です。

たとえば騒音問題の解決策について考えるのであれば、一般論に終始するのではなく、実際に街頭で騒音を測定し、その結果を分析するといったように、常に「今ここにある問題」が研究対象になるのです。

3年次以降は専門分野に的を絞った研究が進められ、実験や実習を交えながら卒業研究に向けてテーマを策定していきます。

環境工学の大学での授業科目の例

大気環境学

屋外の大気と室内環境を研究対象とし、分析方法や汚染評価、汚染源解析などの手法について学びます。

環境統計解析

環境問題の実態やそれらの原因、対策に至るまで、統計を利用して解析する手法を習得します。

水環境学

自然の水循環系と都市インフラとしての水利用システムを包括的に捉え、水に関する自然現象と人為的な影響との関わりを学びます。

環境モデリング

環境問題の現状と今後必要となる対策を講じるために、現象をモデル化して記述する手法について学びます。

廃棄物処理工学

廃棄物処理における現状と課題点を分析し、現実的な解決策を工学的な観点から考案することを目指します。

環境工学のレポート・テーマの例

環境工学では環境に関するテーマを決め、そのテーマを深掘りしていくことで課題や対策を具体的に考えていきます。

そのため、レポートにおいても特定の環境問題に関する因子について取り上げ、詳細な調査とその解析結果をまとめるものが中心となります。

  • ・化学物質の起源別リスク評価
  • ・水中の有害化学物質の処理方法
  • ・遮音壁等など音環境保全のための制御技術
  • ・廃棄物発生・分別・収集システムについて
  • ・持続可能な社会を目指した循環計画の策定

環境工学と関連する学問

環境工学は環境問題を工学的観点から解決することを目指す学問ですので、化学・物理学・数学といったさまざまな学問の理論や知見を総動員して研究が行われます。

環境工学と名称の似た学問分野に環境科学がありますが、環境工学が現実に起きている環境問題を解決するための具体的方策を考えるのに対して、環境科学は現在起きている現象や問題点を明らかにしていく段階から科学的な視点で研究が進められるという違いがあります。

ただし、環境問題を扱うという点では環境工学と環境科学は重なる部分も多く、研究分野によっては環境科学と同様の手法が用いられることもあります。

環境工学を学んで就職に有利な業界・仕事

環境工学は地球規模の環境問題や長い時間軸での課題について研究することも少なくないことから、巨視的に環境問題に取り組む仕事に就く際に環境工学の知識が役立つ可能性があります。

たとえばコンサルタントやシンクタンク研究員など、膨大な資料や調査結果を解析し、解決策を提言する仕事においては、環境工学の研究に取り組んだ経験が存分に活かせるでしょう。

また、浄水場や下水処理場に設置される設備や装置の設計や改良を担う環境装置メーカーを目指す道もあります。

電気・ガス・石油などのエネルギー産業、建設や建築といった業界も、自然環境との深い関わりを持っていますので、環境工学の専門知識を持つ人材が重宝される可能性があるでしょう。

発展途上国の環境問題を解決するという意味では、商社に就職して都市開発を進める上でも環境工学の知識は活かせるはずです。

このほか、都市や国といった大きな枠組みで環境対策に取り組む環境省や厚生労働省、国土交通省などで国家公務員として活躍することも考えられます。

環境工学の知識は人生でどう役立つ?

環境工学は、科学技術の発展とともに私たちの暮らしが便利で快適になってきたことに伴い、歪みや偏りとして生じてきた環境問題の解決にあたる学問です。

具体的に「何とかしたい」「解決したい」という積極的な行動力と高い関心がなければ、研究への情熱を維持するのは難しいでしょう。

それだけに、環境工学を研究してきた経験を通じて、今まさに起こりつつある環境問題へのアンテナが高くなり、常に行動を志向する人材になっていく上で大変役立つはずです。

環境工学が扱う問題の多くは解決に向けて課題が山積していますが、それらを1つ1つ粘り強く解決に向けて行動していった経験は、これからの世の中を能動的に考えて生きていくための強みとなることでしょう。

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