業界研究とは? その必要性は?

就職活動を始めるにあたって「業界研究」という言葉を耳にすることがあります。業界分析をきちんと行うことによって、就職活動がスムーズに進むことをご存知でしょうか。

業界研究とは何をすることなのか、なぜ必要なのかを見ていきましょう。





業界研究、業界分析とは何をすることか?

世の中には数え切れないほどの職業がありますが、具体的にどのような仕事内容をしているのかよく知らないことも多いのではないでしょうか。

たとえば「自動車業界」と聞くと、まず思い浮かぶのはトヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業といったメーカーです。

しかし、自動車の製造にはこうしたメーカーだけが関わっているわけではありません。

たとえば自動車の部品の元となる素材には、新日鐵住金、旭化成、東レなどの素材産業が大きな役割を果たしています。

また、部品の製造や加工は、日産工機、ブリヂストンなどの部品産業が担っています。

近年では電気自動車や自動運転の技術が急速に進歩しつつありますので、自動車業界の競合関係に変化がもたらされることも考えられます。

たとえば、これまで競合関係になかったグーグルやアップルといったIT関連企業と自動車メーカーが競合するようになることも予想されます。

このように、これまで消費者の一人として見てきた商品やサービスが実は多くの人の仕事によって支えられ、意外な企業と競合関係にあることが業界研究によって分かってきます。

こうしたリサーチを重ねることによって、社会人として働くことに対するイメージをより具体的なものへと変えていくための第一歩が業界研究なのです。

なぜ業界研究が必要なのか?

就職活動を始めるにあたって、「自分がどんな仕事をしたいのかよく分からない」という人は少なくありません。

そこで、まずはいろいろな業界のことをリサーチし、これまで意識していなかった業界の存在を知ることから始めてみましょう。

たとえば、工業製品の素材を取引したり、製品を市場に広く提供したりする役割を果たしているのが商社です。

商社の代表例として、三菱商事や三井物産、住友商事、丸紅、伊藤忠商事といった企業が挙げられます。

ふだん消費者として過ごしていると商社の存在あまり意識しないかもしれませんが、ビジネスの世界で商社が大きな存在感を持つことが業界研究を進めるうちに分かってくるのです。

このように、業界研究を通して仕事に対するイメージを明確化でき、エントリーシートに志望動機を記入する際に役立ちます。

さらに、面接で志望動機を伝えるとき、自分の言葉で自信をもって話すための基礎固めになるのです。

注意しておきたいこととして、業界研究の段階ではいわゆる人気企業や有名企業を抱える業界にこだわり過ぎないようにしたほうがいいでしょう。

業界研究は、就職活動を始めるにあたって視野を広げ、知識を深めることを目的としていますので、特定の業界に絞りすぎてしまうのはあまり得策とはいえません。

今まで知らなかった業界や企業のことも、先入観を持たずに調べてみることが重要です。

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業界研究のゴールとは?

業界研究には「ここまで終わればゴール」というはっきりとした基準はありません。

自分がなぜその業界を志望するのか、働いていく上で生かせそうなことや挑戦してみたいことは何か、見えてきたでしょうか?

また、その業界の今の状況や将来性がどうか、といったことをだいたい把握できたでしょうか?

こうしたことが自分の中で整理できたかどうかが、業界研究完了の1つの目安となります。

業界研究は必ずしもスムーズに進むとは限りません。思い描いていたイメージとは異なる厳しい現実を知ることもあるかもしれませんし、調べていくうちに想像していた仕事内容とは違っていると感じることもあるかもしれません。

分析する業界を1つに絞る必要はありませんので、関連する業界や、場合によっては全く異なる業界のことまで広げて調べてみると、より多くの情報を得ることができるはずです。

この記事のまとめ

業界研究は、職業についての視野を広げ、働くイメージを明確化するために重要なものです。多くの業界のことを調べていくうちに、これまで知らなかった仕事のことが分かってくることでしょう。

新たな発見や驚きを探しにいくような気持ちで、ぜひ業界分析を楽しみながら行ってみてください。

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