グループディスカッションのテーマ、お題

グループディスカッションでは、当日その場で「お題」が発表されます。お題は企業や業界によってまちまちですが、過去に出題されたテーマを見ていくとある程度は傾向があることが分かってきます。

まずはグループディスカッションでよく出題されるテーマの傾向を知り、できるだけ対策を練っておくことが大切です。





経営戦略、事業計画系のテーマ

ある事業の売上を伸ばしたり、自社・他社の具体的な商品をより広めたりするための方法を具体的に考えるテーマです。

一例としては、

・ファミレスが売上を2倍にするにはどうすればいいか?
・若者に人気の百貨店を作るための戦略を挙げなさい
・新規出店の地区を選ぶ上で重視することとは?

といったお題が考えられます。

お題によっては現状の売上や顧客層についての資料が配付され、資料をもとに考えるよう指示されることもあり得ます。

こうしたテーマを出題する意図としては、論理的な説明ができるかどうかを見ていると考えていいでしょう。

ディスカッションなので、当然のことながらさまざまな意見が出てきますし、自分とは異なる考えを述べる人も現れます。

そうした場合に、自分の意見だけが一方的に正しいと思い込んでいたり、考えが異なる相手を言い負かそうとしたりせず、冷静に論理的な説明に終始することができるかどうかがポイントとなります。

斬新な発想をアピールしようとするあまり突拍子もない意見を述べるよりは、大多数の人にとって納得度の高い意見であるほうが、通過率は高くなるはずです。

社会問題、時事問題系のテーマ

ニュースでよく話題になっているテーマについて、解決策を考えるといったお題が多い傾向があります。

一例としては、

・通勤ラッシュを解消するにはどうすればいいか?
・ホテルなどの宿泊施設の不足を解決する方法
・日本人の英語力を向上させるには何が必要か

といったお題が考えられます。

その問題がなぜ起きているのか、原因を分析しながら「なぜ解決できるのか」を具体的に示すことが重要になるテーマです。

グループディスカッションでは制限時間内に結論をまとめる必要がある場合がほとんどですので、こうした難題を一挙に解決できるような斬新なアイデアを出すのは現実的に難しいかもしれません。

グループディスカッションの目的は、決して「結論」を出すことにだけあるわけではないことを念頭に置いておきましょう。

その結論に至るまでの議論の様子や建設的な意見交換ができているか、といった点も非常に重要なのです。

他の人の考えにもきちんと耳を傾け、同意できる点には明確に同意を示したり、疑問点があれば質問して解消しておいたりといったコミュニケーションが大切になってきます。

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働き方、業務改善系のテーマ

企業の中で日々起きている問題について、どのような姿が望ましいのか、あるいはどうすれば解決できるのか、といったことを考えさせるお題です。

一例としては、

・社員のモチベーションを上げる方法
・長時間労働の原因とその緩和策を考えなさい
・人事評価は成果と過程のどちらを重視すべきか

といったお題が考えられます。

周囲の意見を尊重しつつ、自分の考えをしっかりと述べることができれば問題ないでしょう。ただし、自分の考えは仕事に対して前向きであることが大前提となります。

組織の中で働く以上は、納得できないことや矛盾と必ずと言っていいほど向き合わなくてはなりません。

グループディスカッションにこうしたテーマが出題されること自体、これらの問題の抜本的な解決が難しく、多くの企業が頭を抱えていることの表れでもあるのです。

理想的な意見を述べようとするあまり、「こうあるべき」「こうしなくてはならない」といった断定的な言い方にならないように注意しましょう。

今後のキャリア、志望動機系のテーマ

その企業のどこに魅力を感じているか、実際に入社したら何をやってみたいか、といった、いわゆる志望動機に近いテーマがこれにあたります。

一例としては、

・〇〇(企業名)の新人に求められる資質とは?
・〇〇(企業名)の魅力について述べなさい
・10年後にどのような社会人になっていたいか

といったお題が考えられます。

自社に関するテーマであれば、事前にきちんと企業研究をしておいたかどうかが大きな分かれ目となります。

今後のキャリアや入社後の働き方がテーマの場合、社会人になるにあたって何を重視して働いていきたいのか、なぜその業界・職種を志望するのか、といった自己分析を十分にしておく必要があります。

複数人でこうしたテーマを話し合っていると、似たような意見が多くなることも十分に考えられます。

自分が発言する前に他の人が同じようなことを述べていたとしても、自信をもって自分なりの考えを述べるようにしましょう。

話す内容はもちろん大切ですが、それと同じぐらいに話しぶりや伝え方といった点もコミュニケーション能力を評価する要素になっているのです。

正解のない問いを扱ったテーマ

グループディスカッションでは、一見するとどのような意見を述べてもよさそうなユニークなテーマが出題されることもあります。

一例としては、

・努力とはどういうことか、定義しなさい
・ドラえもんの新しい道具を考えてください
・終身雇用は維持するべきかどうか

といったお題が考えられます。

こうしたテーマに対する正解はとくになく、自由に自分の考えを述べればいいように思えます。

ただ、ディスカッションとして実施する以上、自分とは考え方が全く異なる人と同じグループになることもあり得ます。

そのような場面に出くわしたとしても、むきになって反論したり、他の人の考えを否定したりといった極端な面を持つ人物でないかどうか、といった点を見られていると考えましょう。

与えられたテーマについて義務的に受け止めるのではなく、自ら楽しんで考えることができるかどうかも重要な点です。

必要最低限の答えだけを述べるのではなく、自分なりの考えを自分の言葉で説明するようにしましょう。

究極の選択系のテーマ

グループディスカッションでは、どちらかに決められないような極端な事例をあえてお題にし、就活生の思考力やバランス感覚を総合的に判断するための材料としている場合があります。

一例としては、

・無人島に漂流した5人のうち2人しか生き残れないとしたら、誰が生き残るべきか
・価値ある1人のために100人を犠牲にしてもよいか

といったお題が考えられます。

こうしたテーマは、どのような考えを述べたとしても万人を納得させるのは難しく、必ず意見が割れることになるのが特徴です。

場合によっては、自分が述べた考えに反対する立場で意見を述べる人がいる可能性もあるわけですが、その際、決して感情的にならないように注意しましょう。

考えが違うからといって露骨に嫌な顔をしたり、言葉にトゲが感じられたりすると、入社後に仕事で意見が対立した場合も同様の対応をする人物と評価されるかもしれないからです。

グループディスカッションは「正しい」結論を導くのが目的ではなく、意見をまとめていく過程で他の人の考えを尊重できるかどうか、他の人ときちんとコミュニケ−ションを取りながら話し合えるか、といった部分を見られているのです。

究極の選択形のテーマが出題されたときこそ、冷静に話すことにいっそう気を配るようにしましょう。

この記事のまとめ

グループディスカッションで出題されるお題は多くの場合、短時間で考え結論をまとめるのが簡単ではありません。企業側は、あえてそのようなテーマを選んでいるのです。

当日にお題を聞いて戸惑ってしまわないためにも、前もってパターンを知り、対策を立てておきたいものです。

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