フリーランスになるには? 開業届は必要?





フリーランスにはどうやったらなれる?

特別な資格などは必要なし

自分の身ひとつで生計を立てていくフリーランスは、情報化社会の進展や終身雇用制の崩壊、社会全体の働き方が見つめ直されるなかで、注目を集める働き方のひとつです。

フリーランスになる人は年々増加傾向にあり、2019年の内閣府調査では300万人超という推計データが発表されています。

今後も人数が増えていくことが見込まれるフリーランスですが、なるために何か特別な資格などが必要なわけではありません。

企業などに所属しないで個人で仕事を始めれば、その場ですぐ「私はフリーランスとして働いています」ということも可能です。

フリーランスはどうやって仕事をする?

いくら簡単にフリーランスになることができても、フリーランスとして生活に困らないくらい継続的に稼げるかどうかはまた別の話です。

会社に勤めている人の場合、上司や会社から定められる担当業務に就き、月給・時給などの形で決まった給料が支払われます。

一方、フリーランスの場合は自分の力でクライアントや仕事を見つけ、業務委託契約を結ばなくてはなりません。

また、給料は「報酬」という形で、案件ごとにクライアントと相談や交渉しながら決めていくのが一般的です。

案件の内容や難易度、自分のスキル、経験などによって報酬には大きな差が出てきます。

また、一度はまとまったお金が手に入っても、その仕事が継続的にあるとは限りません。

フリーランスとして仕事を続ける苦労

クライアント側からすると、フリーランスとは雇用契約を結ばずに、必要なときだけ案件を依頼できる手軽さがあります。

フリーランスへの依頼案件は単発のものも多いので、フリーランスは安定した収入を得るために、さまざまなクライアントに自分のスキルや経験をアピールして仕事を獲得する必要が出てきます。

それでも、常に思うような案件が見つかるとは限りません。

フリーランスになることは簡単でも、フリーランスとして仕事を続けることの難しさが、このようなところにあります。

一方、実績を積んで信用を得たフリーランスのなかには、会社員よりも多くの収入を手にしている人もいます。

開業届とは? 出す必要はある?

事業所得がある場合に提出が必要

フリーランスになると、「開業届」という言葉を耳にすることがあるでしょう。

開業届は、正式には「個人事業の開業・廃業等届書」といいます。

事業を開始するとき、また事務所・事業所の新設や増設、移転や事業の廃止をした際に税務署へ提出する書類です。

開業に関していえば、「事業所得がある場合には、利益の発生の有無に関わらず、開業日から1ヵ月以内に提出しなければならない」と所得税法で定められています。

ちなみに事業所得とは「農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営む人の、その事業から生ずる所得」のことを意味します。

フリーランスといってもいろいろな活動をする人がいますが、たいていは事業所得にあてはまるでしょう。

なお、もし開業届を出さなかった場合、あるいは出し忘れた場合でも罰則はありません。

ただし、開業届を提出するメリットがいくつかありますので、見ていきましょう。

開業届を提出するメリット

確定申告時に青色申告ができる

開業届とあわせて「青色申告承認申請書」を提出することで、確定申告時の青色申告が可能になります。

青色申告では最大65万円の特別控除が受けられるので、節税につながります。

事業用の銀行口座の開設ができる

開業届を出すことで、個人名ではなく、屋号をつけて事業用の銀行口座が開設できます。

プライベート用と事業用の口座を分ければ、事業の収益や経費管理をしやすくなります。

赤字の繰り越しができる

開業届を提出すると、赤字を3年まで繰り越すことが可能です。

たとえば前期は赤字、当期は黒字となった場合、前期の赤字分を当期に繰り越して税金の支払いを抑えることができます。

開業届を出すときの注意点は?

上記のようなメリットもあるので、基本的には義務付けられている通りに開業届を出すに越したことはないでしょう。

ただし、注意したいことがあります。

そのひとつが会社員を辞めて、フリーランスになる前に失業手当(雇用保険の基本手当)の受給を考えている場合です。

失業保険の受給条件として、「再就職の意志・能力があり、求職活動を行っており、離職日以前の2年間の間に1年以上の被保険者期間があること」が挙げられます。

厳密にいえば、「フリーランスとしてやっていくので開業届を出す=再就職をする意思がない」とみなされ、失業保険の受給資格がなくなります。

この点を踏まえて、開業届を出すタイミングを考えたほうがよいでしょう。

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