大学院に行くメリットはある? 就職には有利?

(読了時間:6分12秒)

大学院への進学を考えている人にとって、大学院に行くことによって本当にメリットがあるのかどうかは気になるところでしょう。

また、大学院へ進学するべきか就職するべきか迷っている人は、将来の就職に有利になるのか知りたいはずです。

そこで、大学院に行くメリットとデメリット、さらに就職にどう影響するのかをまとめました。

大学院への進学を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

大学院に行く3つのメリットとは?

まずは、大学院へ進学することで得られる代表的なメリットについて確認しておきましょう。

大学院に行くことで得られるメリットは確実にありますが、研究のために費やす労力や時間は決して少ないものではありません。

進学することで得られるメリットが自分にとってどうしても必要なものかどうかを見極めることが重要です。

大学では不可能な専門的な研究に取り組める

大学の学部では専攻ごとに学びますが、研究に取り組むために必要な知識や論文の書き方といった基礎から習得する必要があるため、専門性の高い内容まで扱い切れないのが実情です。

大学院では、こうした基礎はすでに学部で習得してきたことを前提としていますので、初めから専門的な内容に特化して研究に取り組むことができます。

研究テーマや研究の進め方に関しても自分で決めていきますので、学部とは比較にならないほど研究の自由度が高くなります。

また、研究に必要な設備・施設が大学と比べて充実しているのも大きな特徴の1つです。

大学では学生数が多く、高額な設備は大勢の学生と共有しなくてはなりませんが、大学院であれば限られた人数で使用できるため、自分の研究のために使える頻度が高くなります。

このように、大学では不可能だった専門的な研究に取り組める環境が大学院では整備されています。

研究職など大卒では就職が難しい進路を視野に入れられる

とくに研究職のような専門性の高い知識・技能が必要とされる職種の場合、大学院を修了していることが採用の必須条件となっているケースが多く見られます。

専門性の高い職種と聞くと理系のイメージがあるかもしれませんが、文系でも経営学修士(MBA)を取得することでコンサルティングファームなどに就職しやすくなる場合があります。

特定の分野における専門知識を有する人材そのものが少ないため、希少性の高い人材として重宝される可能性もあります。

専門性の高い職種に大卒で就職することが絶対にできないわけではありませんが、選べる進路としては限られているため、選択肢を広げたいのであれば大学院へ進学したほうが有利です。

就職時の初任給が高くなる場合がある

就職先にもよりますが、企業によっては院卒は大卒よりも初任給が高く設定されている場合があります。

厚生労働省の統計によれば、令和元年の初任給は院卒が238,900円であるのに対して、大卒は210.200円となっており、院卒のほうが初任給が高いことが確認できます。

参考:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況

大卒よりも高度な知識・技能を有している人材と見なされるため、就職後のキャリアパスの面で選択肢が広がることもあります。

ただし、企業によっては入社時の年齢によって初任給を決めていることもあるため、院卒であることを理由に初任給が高くなるわけではない場合もある点に注意が必要です。

大学院に行く2つのデメリットとは?

大学院に行くことで得られるメリットがある反面、人によってはデメリットと感じられる面も持ち合わせています。

メリットとデメリットのどちらも理解した上で、自分にとってメリットとデメリットのどちらが重要なものと感じられるかを判断することが大切です。

大学院に行くことによる主なデメリットとしては、以下の2点が挙げられます。

学費がかかり、研究内容によっては高額になることもある

大学院で研究に取り組むためには、学費を納入する必要があります。

大学4年間で学費がかかっている上に、修士課程なら最短でも2年間、博士課程なら短くともさらに3年間は学費が必要になりますので、総額ではかなりの額にのぼることが考えられます。

文部科学省の調査によれば、私立大学と私立大学院における初年度納付金額は下記の通りとなっています。

授業料 入学料 施設設備費 合計
私立大学 904,146円 249,985円 181,902円 1,336,033円
私立大学院
博士前期課程
759,865円 207,292円 74,299円 1,041,456円
私立大学院
博士後期課程
606,954円 198,103円 53,036円 858,093円

参考:私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について

研究内容によっては施設設備費や実験にかかる費用がさらにかかることも考えられますので、大学と同じかそれ以上の学費を負担しなくてはならない場合もあります。

また、大学院は大学とは違い、修了(卒業)するまでの年数が読めない面があります。

修士論文や博士論文が審査に合格しない限り修了できませんので、トータルでかかった学費が想像していたよりも多くなることもあり得ます。

社会人になるタイミングが大卒よりも遅くなる

大学院に通うということは、大学卒業時点で就職しないことを意味します。

仮に修士課程を最短の2年間で修了した場合、就職する時点での年齢は現役生で24歳となります。

博士課程も含めた5年間を修了した場合、最年少でも27歳で就職することになります。

大卒者が22歳や23歳から働き始めていることを考えると、社会に出るタイミングが遅くなるのは否めません。

その間、社会人としての経験を積むことはできないため、社会経験という面では大学院進学がデメリットとなる可能性があります。

院卒であることによって有利になる職種であれば問題ありませんが、大学院での研究内容が直接生かせない場合、社会人としてのスタートが出遅れてしまうことを覚悟しておく必要があります。

大学院に行くと就職が有利になるのか

大学院に行くことによって、就職時に有利になるかどうかは多くの人が気になっているはずです。

ときおり、大学院に通うとむしろ就職が不利になるといった意見を耳にすることがあります。

実際のところ、大学院への進学は就職にどのように影響するのでしょうか。

就職につながるかどうかは学部や研究テーマによって差がある

大学院は大学よりも上位に位置する研究機関ですが、学歴という点では就職に有利に働くとは限りません。

就職につながるとすれば、研究テーマが仕事に生かせるものであったり、専門性の高さが求められる職種であったりする場合がほとんどです。

理系の場合、学部から修士課程までの6年間をかけて研究に取り組むことが前提になっている場合もありますので、修士課程を修了することで仕事でも専門性を発揮できるでしょう。

一方、文系の場合は経営学修士(MBA)など一部の例外を除いて、就職に直接つながるケースはまれです。

このように、大学院で研究に取り組んだ=就職に有利になる、とは限らず、研究分野や研究テーマによって大きな差があることを認識しておく必要があります。

研究職としての就職は現実的には狭き門

理系の場合、大学院を修了することで研究職としての道が開ける場合があります。

大学院では学会のセミナーや勉強会に参加する機会を得られる場合がありますが、こうした機会を通じて研究職への就職につながる人脈を築いていく人もいます。

一方で、研究職の募集そのものが決して多くないため、大学院での指導教授や研究室の人脈を生かせるなどの条件がないと現実的には就職するチャンスは少ないでしょう。

このように、大学院に行ったとしても研究職など専門性の高い職種に就ける確率が高まるわけではない点に注意が必要です。

もし研究職を目指すのであれば、希望する就職先に人脈のある教授・研究室を選ぶなど、就職を意識した進路選択をしておくことが大切です。

とくに文系の場合は就職が有利にならないこともある

研究分野が文系の場合、社会に出て仕事に生かせるような研究に取り組めるチャンスは現実的にかなり限られます。

研究職や大学教員を目指すのであれば大学院進学は必須となりますが、卒業後は民間企業に就職する予定であれば、就職時に院卒であることが有利に働くわけではないと考えておいたほうがいいでしょう。

就職活動時には、大学院へ進んだ理由や取り組んできた研究内容について必ず聞かれるものと考え、自分なりの答えを用意しておくことが大切です。

「ただなんとなく大学院へ進んだのではないか?」といった目で見られる可能性もありますので、大学院で研究に取り組んだ意義を自分の言葉で伝えられるように準備しておきましょう。

純粋に研究という視点から見た場合、大学院へ進み研究に集中できる環境を手にできるのはすばらしいメリットです。

ただし、そのメリットは研究に費やす期間や学費と切り離せないものであり、デメリットとも表裏一体であることを認識しておく必要があります。

大学院に行ったとしも必ず就職が有利になるとは言い切れないため、将来進みたいキャリアをよく考えた上で、大学院進学の必要性について検討するようにしましょう。

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