大学院の面接ではどんなことを聞かれる?

大学院の入試では、筆記試験のほかに口頭試問や面接を実施するケースがほとんどです。

大学入試と比べると院試に関する情報は限られており、面接に際してどのような対策をすればいいのか分からない人もいるはずです。

そこで、院試の面接はどのような形式で行われるのか、よく聞かれる質問は何かについてまとめました。

院試の面接対策をしておきたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。





院試における面接の形式と意味合い

院試の面接対策を練る上で重要なポイントとして、一般的な面接の形式と院試における位置づけを知っておくことが挙げられます。

院試全体の中での面接がどのような意味を持つのかを理解すれば、適切な対策を講じておきやすくなるはずです。

そこで、まずは一般的な院試面接の概要について確認します。

一般的な院試面接の時間と形式

院試では面接のほか筆記試験や口頭試問が実施されますが、筆記試験で合格基準を満たしていることが合格するための条件となります。

筆記試験の成績が振るわないにも関わらず、面接で熱意が伝われば合格できるということはまずありません。

あくまで学力が重視されるという点は理解しておく必要があるでしょう。

一般的に、院試の面接は短い場合は5分程度、長い場合でも30分程度で実施されます。

面接時間の長さと合否はほとんど関係なく、短時間でも合格していることもあれば長く話しても不合格のこともあります。

多くの大学院では、面接官として教授や准教授3〜5名に対し、受験者1名の形式で行われます。

ごくまれに受験者複数名で実施されることがありますが、その場合は募集要項などに面接の形式について記載されていますので、事前に確認しておきましょう。

研究に対する姿勢や熱意を確認する

大学院に進学するということは、一人の研究者として自立して研究に取り組むことを意味しています。

研究を進める中で困難な課題に直面したり、場合によっては振り出しに戻って研究し直さなくてはならない状況に陥ったりすることも考えられます。

そのとき、研究に対する姿勢や熱意が中途半端であれば、研究を完遂することができず、途中で諦めてしまうことになりかねません。

面接では、研究をやり遂げるという情熱を持って取り組める人物かどうかを確認する意味合いがあります。

また、学部での研究内容に関する質問を投げかけることによって、研究者としての資質が十分に備わっているかを確認していることもあります。

とくに卒業研究についてはほぼ確実に聞かれると考えられるため、面接前に改めて卒業論文を見直しておくようにしましょう。

専門性の高い研究に耐えうる論理性を確認する

院試の面接では専攻ごとの知識だけでなく、そもそも研究者として求められる論理的思考力が備わっているかどうかも見られています。

そのため、面接では淀みなくすらすらと答えることよりも、論理的に矛盾のない回答ができることのほうが重要です。

研究テーマや研究の進め方、テーマに対する仮説に関する質問とそれらに対する回答の中で、つじつまの合わない点や曖昧な点があると厳しく追及される場合もあります。

こうした背景から、院試の面接はいわゆる圧迫面接となる場合があるといわれています。

研究という厳しい世界に研究者として飛び込むわけですから、高い論理性が備わっている人物かどうかが厳しい目で判断されることは覚悟しておく必要があります。

院試の面接で想定される質問とは?

院試の面接で質問される内容は、志望する大学院や専攻によって異なります。

面接を担当する教授の方針や考えによって質問内容に違いがありますので、「この質問に対応できれば確実に合格できる」と一概には言い切れない面があります。

ただし、院試の面接でよく聞かれる質問や、典型的な質問は存在しますので、必ず対策を立てて準備しておくようにしましょう。

専門分野への精通度・習熟度に関する質問

主に卒業研究について概要を発表し、その内容について質問されるケースがよく見られます。

ここで見られているのは、専門分野に対して精通しているか、研究を進められるだけの基礎的な素養が備わっているか、といった点です。

卒業研究に打ち込んできた中で多くの先行論や文献にあたってきたはずですので、質問の大半は基礎的な内容と感じられるでしょう。

別の見方をすれば、基礎事項に関する質問に答えられないようでは、研究者としての資質が怪しいと思われてしまう恐れがあります。

卒業論文を読み返しておくのはもちろんのこと、学部での授業やゼミの内容を復習しておくようにしましょう。

学部での研究テーマや志望動機に関する質問

大学院への進学を希望する理由や、なぜその専攻を選ぶのか、といった志望動機は必ず聞かれると考えておくべきです。

大学院で取り組みたい研究テーマについて、なぜそのテーマを選ぶに至ったのか、エピソードなども交えて伝えられるように準備しておく必要があります。

このとき重要になるのが、学部での研究内容との関連性です。

学部での研究をさらに深掘りし、専門性の高い領域まで追究したい、といった志望動機であればシンプルで伝わりやすいでしょう。

外部から大学院を受験する場合、なぜ在籍している大学の大学院に進まないかも聞かれる可能性があります。

どの大学院でもいいのではなく、志望する大学院の研究科だからこそ取り組める研究であることを伝えられるようにしておくと効果的です。

具体的な研究の進め方や研究の意義に関する質問

研究テーマがどれだけ立派でも、具体的な研究の進め方がしっかりと考えられていなければ研究を完遂できるか疑問視されてしまいます。

限られた面接の時間内に伝えられることは多くありませんが、研究をどのように進めていくつもりなのか、概要を簡潔に説明できるようにしておきましょう。

研究のオリジナリティや意義についても問われる可能性があります。

すでに先行論が多数存在する研究テーマなら、わざわざ同じ研究をやり直す意義がないと判断されてしまう恐れがあります。

これまでにない完全に新しい視点による研究テーマを設定するのは容易ではないため、先行論とは少々異なる切り口で研究に取り組む場合もあるはずです。

そうした場合であっても、自分なりの独自の視点による研究であることを伝え、意義のある研究であると理解してもらう必要があります。

修了後の進路に関する質問

大学院を修了後、どのような進路を希望するのかを聞かれることもあります。

大学院から優秀な人材を輩出し、将来的に実社会で活躍することも教授陣の目標の1つだからです。

また、研究のための研究に終始するのではなく、研究内容を実社会で役立てるための具体的なビジョンがある人は、研究の過程で困難に直面しても乗り越えられる可能性が高いでしょう。

就きたい職業など具体的な進路を答えられるのが理想ですが、実際には修了後の進路希望はまだ完全に固まっていない人も多いことでしょう。

少なくとも、進みたい方面や携わりたい分野といった大枠での方向性については決めておき、面接で伝えられるように準備しておくことが大切です。

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院試の面接に向けて講じておきたい対策

最後に、院試の面接に向けて講じておきたい対策についてまとめます。

面接で想定される質問の1つ1つに関して想定問答を用意しておくのも大切な準備ですが、面接全体を通じて総合的に「合格させて問題ない」と判断してもらえるかどうかが重要だからです。

そこで、次に挙げる2点については、面接対策を講じる過程はもちろんのこと、面接直前にも改めて振り返り、確認しておくことをおすすめします。

大学院への志望動機と将来の見通しを一貫させておく

大学院への志望動機、研究テーマ、将来の進路希望が1本の線でつながっていれば、研究に取り組む意義が伝わりやすくなります。

志望動機と将来の見通しが一貫したものになっているか、改めて確認しておきましょう。

ここで重要になるのが、自分の中では一貫していると思っていても客観的に伝わりにくい点がないかどうかをチェックすることです。

第三者が聞いたときに納得感の得られる伝え方ができているかどうか、面接で伝えようとしている内容を人に聞いてもらうなどして確認しておくようにしましょう。

見通しやビジョンと聞くと大仰なイメージを持ってしまいがちですが、論理的に成立しているかどうか、理屈として通っているかどうかをチェックしておくことが大切です。

圧迫面接でもひるまないよう十分な下調べ・準備を行う

前述のように、院試の面接は教授陣が真剣に問いを投げかけてくるため、受験者としては圧迫面接のように感じられる場合があります。

曖昧な点があれば厳しく追及されることも考えられますので、まずは抜けや漏れがないよう入念に準備をしておきましょう。

実際の面接では、事前に想定していなかった質問を投げかけられることも考えられます。

通り一遍の想定問答を整えるだけでなく、周辺知識や関連事項についても十分な下調べをしておくべきです。

反対に、十分な準備を整えておくことで、面接当日に少々圧迫面接と感じられる状況に置かれたとしても、ひるむことなく余裕を持って対応できるでしょう。

この記事のまとめ

院試の面接は入試全体の中では合否を判断する材料として優先度が高くなく、試験時間も決して長いものではありません。

しかし、1人の研究者として研究を完遂できるかどうかを見極める場ですので、限られた時間内で密度の高い質問がなされることを想定しておく必要があります。

準備できることは全てやっておくつもりで、十分な下調べをして臨むようにしましょう。

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