大学のAO入試とは? 面接ではどんなことを聞かれる?

大学入試においてAO入試を導入する大学が多くなっています。

志望する大学がAO入試を実施している場合、AO入試での受験を検討する可能性もあるはずです。

一般入試とも推薦入試とも異なるAO入試とは、どのような入試の仕組みなのでしょうか。

また、AO入試で実施される面接試験では、どのような質問をされることが多いのでしょうか。

AO入試の仕組みや面接対策について、詳しく見ていきましょう。





AO入試とは?一般入試や推薦入試との違い

AO入試のAOは「アドミッションズ・オフィス」の頭文字を取ったものです。

admissions officeとは大学の入学管理局のことですから、学力試験など他の試験方式とは異なり、大学が独自に定める選考基準によって評価を行う入試方式のことを言います。

では、大学が独自に定める選考基準とは、受験生のどういった面を判断するためのものなのでしょうか。

AO入試は「大学・学部にふさわしいか」を判断する入試

AO入試では、それぞれの大学または学部・学科が掲げる「期待する人物」を満たしているかどうかを基準として合否が決定されます。

大学が掲げる教育方針や学部の研究内容に対する適性、学ぶ意欲や向上心といった点について総合的に判断し、人物を評価する点が大きな特徴です。

より端的に表すとすれば、「その大学・学部にふさわしい人物かどうか」を観られる入試と考えればいいでしょう。

そのため、AO入試での選考方法は大学によってさまざまです。

ただし、学力試験のみによって合否を判断するのではなく、面接や作文、課題提出などの方法によって人物評価を行うのは、どの大学においても共通していることです。

入学時点での学力だけで合否を判断するのではなく、入学後に期待される取り組みや意欲といったことを評価するのがAO入試なのです。

AO入試と一般入試の違いとは?

一般入試では学力試験によって合否が決定されます。

受験した時点での学力を得点から判断し、点数の高い順に合格が決まるのが一般入試と考えていいでしょう。

一般入試の場合、試験の得点以外のことは合否の判断に加味されていません。

たとえば、全体の8割を得点したAさんと、7割を得点したBさんがいたとすれば、より多く得点したAさんが合格となります。

一方、AO入試では学力試験の得点ではなく、内申書・活動報告書・学習計画書・志望理由書といった事前に提出される書類や、面接・小論文により選考を行い、人物を中心に合否を判断します。

先の例で言えば、AさんとBさんのどちらがその大学で学ぶ人物としてふさわしいかを、いろいろな角度から判断して決定していくのがAO入試なのです。

AO入試と推薦入試の違いとは?

AO入試と推薦入試はよく混同されるのですが、実際には全く異なる入試方式です。

推薦入試では高校からの推薦状が必須となりますが、AO入試は高校の推薦は必要なく、自分で出願して受験することができます。

AO入試と推薦入試で最も顕著に異なるのは、その選考基準でしょう。

推薦入試において重視されるのは、高校在学中の成績や生活態度、各種活動への参加といった点です。

つまり、受験生の「過去」を重視して選考する試験と言えます。

これに対してAO入試は、受験生の「現在」を総合的に判断して合否を決定します。

受験生の人物を多角的に判断する必要があることから、AO入試の面接は複数回行われることが少なくありません。

そのため、推薦入試より試験期間が長くなりやすいのが特徴です。

AO入試の面接で聞かれることの多い質問

AO入試の面接においても、推薦入試などでも必ずと言っていいほど聞かれる志望理由や高校生活の思い出、自身の長所と短所といった定番の質問があると考えていいでしょう。

ただし、推薦入試とは異なるAO入試独自の質問もあります。

実は、この「AO入試ならでは」の質問こそが、AO入試で重視したいと大学側が考えている要素がつまった質問の可能性が高いのです。

とくに次のような質問については、事前に答え方をしっかりと考えておきましょう。

志望理由・入学後に取り組みたいこと

その大学・学部をなぜ志望したのかという、いわゆる志望理由を聞かれるところまでは、推薦入試など他の入試方式と同様です。

AO入試では、さらに「入学後にどのようなことに取り組みたいか」「どのような大学生活を送りたいか」「興味のある研究テーマはあるか」といったことにも踏み込んで聞かれる傾向があります。

これらの質問はすべて、その大学が求める人物像に合っているかどうか、学部の研究に対して適性があるかどうかを確認するために投げかけられています。

ただ何となく志望したのではなく、明確な目的や目標があり、入学後に取り組みたいことが具体的になっているほど、説得力が増すでしょう。

論理的思考力や表現力が求められる質問

大学で学ぶことは、高校までの勉強とは異なります。

より本質的に物事を深く考察し、論理的かつ客観的に理論を組み立てていくことが求められるのです。

組み立てた理論をレポートや論文、プレゼンテーションといった形で伝えるための表現力も必要になります。

そのため、大学入学後も活躍し続けていく人物を見極めるために、AO入試では面接で論理的思考や表現力を確認するための質問がなされる場合があります。

たとえば「少子化になるとどのようなことに困りますか」と聞かれた場合、自身の身近な問題や社会全体の問題、経済、社会保障といったさまざまな切り口で物事を捉え、順を追って分かりやすく人に伝えられるかどうかを見られている可能性があるのです。

実際の研究内容に関連する質問

志望する学部や学科で学びたいという意欲を持っていることは、AO入試で合格する上で欠かせない要素です。

しかし、意欲があったとしても、実際の研究において能力を発揮することのできる適性を備えているかどうかは別の問題の場合もあります。

学部・学科の研究内容に適性があるかどうかを見極めるために、AO入試の面接では具体的な研究内容に関する質問をされることがあります。

時事問題に絡めたり、身近な社会問題に絡めたりといった形で、研究内容に関連する話題について深く思考を巡らせることに適性があるかどうかを確認しているのです。

こうした質問に対して、専門知識を駆使して正確に答える必要はありません。

あくまで高校生の時点で知り得る知識や情報をもとに、興味を持って応じられるかどうかが重要なのです。

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AO入試のスケジュールと情報収集の進め方

AO入試は他の入試方式とはスケジュールが異なる上に、AO入試独自の注意点もありますので十分に気をつけておく必要があります。

とくに情報収集に関しては、一般的な大学入試に関する情報収集だけでは足りません。

志望する大学に関する情報や、学部・学科についての情報、場合によってはゼミの内容や研究室で行われている研究内容などについても知っておく必要があるでしょう。

AO入試のスケジュールと情報収集の進め方について、注意点をまとめました。

AO入試のスケジュール

AO入試のスタートは早く、6月から8月頃にかけてオープンキャンパスや説明会、相談会などが実施されます。

出願は8月末から10月にかけて受け付ける大学が多く見られます。

書類審査・面接といった選考は他の入試方式よりも長い期間で行われ、9月下旬から12月初旬にかけて複数回の面接が実施されます。

合格発表は12月中旬頃までに行う大学がほとんどです。

このように、他の入試方式と比べると早い時期から動き始める必要があることを意識しておきましょう。

AO入試の情報収集の進め方と注意点

AO入試における「期待する人物」は、大学によって大きく異なります。

面接対策のノウハウ本などにおいては、一般的な受け答えが紹介されていることがほとんどですので、自分なりに大学の特色や学部の研究内容をよく調べ、通り一遍でない答え方ができるようにしておく必要があります。

また、AO入試を新たに導入する大学が増えている一方で、学部によってはAO入試の実施を廃止する大学もないわけではありません。

前年度まで実施されていたからと言って、自分が受験する年度も同じようにAO入試が実施される(またはされない)とは限らないのです。

試験内容や選考方法も含めて、最新の動向を注視しておくことが大切です。

この記事のまとめ

AO入試は受験生の人物を見て合否を判断する独特な選考方式になっています。

推薦入試や一般入試とは異なる特徴や注意点がありますので、AO入試の特色をよく理解した上で対策を講じておくことが重要になります。

志望大学が「求める人物」について調べ、まずは自分自身がその大学に合っているのかどうかを確認することから始めるといいでしょう。

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