アスレティックトレーナーの活躍の場・就職先
複数のチームをかけもちする人も多い
アスレティックトレーナーを目指す人の勤務先として人気があるのは、トップアスリートとの専属契約やプロのスポーツチームです。
そのほか実業団などのスポーツチームも人気は高いですが、トップアスリートとの専属契約やスポーツチームに所属しているフルタイムの雇用者はきわめて少数です。
そのため、複数のチームをかけもちしたり、大会ごとに帯同したりするアスレティックトレーナーも多くいます。
日本国内で「アスレティックトレーナー」の民間資格を公認する「日本体育協会(JASA)」は、「マスタープラン」というアスレチックトレーナーの基本方針を策定しています。
「マスタープラン」による「JASA-AT(アスレティックトレーナー)」を対象としたアンケート結果(2008年実施)によると、スポーツの国内大会や国際大会に帯同した実績がある人は約半数います。
対象競技は、人数が多い順にサッカー、陸上競技、硬式野球、軟式野球、バスケットボール、水泳、バレーボール、スキー、柔道、テニスとなっています。
カテゴリーとしては社会人や高校生、大学生の大会が多く、高校スポーツの全国大会、大学スポーツの1部リーグ、日本代表、国内トップリーグ1部、プロ1軍、中学の全国大会の順となっています。
就職先も働くスタイルもさまざま
アスレティックトレーナーの就職先は、競技スポーツの現場だけではありません。
スポーツジムやフィットネスクラブ、地域のスポーツ施設、学校、施術所や医療機関、保健所や福祉施設などもアスレティックトレーナーの勤務先です。
アスレティックトレーナーの活躍の場は広がってきており、働き方もさまざまです。
たとえば、ふだんは柔道整復師や鍼灸師(はり師・きゅう師)として接骨院や鍼灸院などの施術所で働きながら、パートタイムでアスレティックトレーナーとしての仕事を請け負っている人もいます。
安定した生活を求めるのであれば、トレーナー派遣会社などに就職したり登録したりするのもひとつの方法です。
資格を生かし、活躍の場を広げる
アスレティックトレーナーの就職先は多様であるため、各職場に必要な資格を保有している人も多くいます。
スポーツ活動の現場では競技者(スポーツ選手、アスリート)の治療にあたることも多いため、「柔道整復師」や「鍼灸師(はり師・きゅう師)」「あん摩マッサージ指圧師」といった国家資格が必要です。
また、保健所に勤務する場合は、「理学療法士」という国家資格をあわせて保有している人も多いです。
コンディショニングコーチの資格である「NASCA-CSCS」や、パーソナルトレーナーの資格である「NASCA-CPT」などを保有する人もいます。
スポーツジムやフィットネスクラブ、地域のスポーツ施設で働く場合は競技指導者やスポーツインストラクターとの兼任も考えられるため、そのために必要な資格を保有することもあります。
必要に応じて複数の資格を活用することでアスレティックトレーナーとしての就職先は増え、業務の幅や活躍できる場所を広げることができます。