大学を中退する理由で多いものは? 中退して就職はできる?
大学を一度中退すると、入り直すには再び入学試験を受けて合格しなければなりません。
そのため、中途は決して簡単には決められない重大な決断となります。
大学を中退する人は、どのような理由で中退しているのでしょうか。
また、中退した場合に就職など将来への影響はどの程度あるのでしょうか。
大学を中退する理由で多いものは?
文部科学省が2014年に実施した調査によれば、大学を中退した人は全国で79,311人にのぼります。
このうち中退した理由として多いものを挙げると、経済的な理由(20.4%)、転学(15.4%)、学業不振(14.5%)となっています。
なぜこうした理由で中退する人が多いのか、それぞれのケースについて解説していきます。
経済的な理由で在学が難しくなった
中退の理由として最多となっている経済的な理由については、端的に言えば学費の支払い画難しくなってしまったということです。
大学で学び続けるには、授業料をはじめさまざまな学費が必要になります。
実家以外から通学するのであれば、家賃や生活費も支払わなくてはなりません。
実家の両親に学費を払ってもらっていた場合、両親の収入源や勤務先の倒産など、何らかの事情で学費を払い続けることが困難になる場合があります。
こうしたケースでは奨学金制度を利用することで学費の支払いを続けられることもありますが、全員が制度を利用できるとは限りません。
どうしても学費を払い続けることが難しければ、やむを得ず中退せざるを得なくなることがあるのです。
やりたいことができて進路変更したくなった
中退の理由として2番目に多いのが「転学」です。
これは、在籍している学部・学科では希望する将来の進路を実現できそうにないと感じた場合や、実際に講義を受けてみて研究内容が自分には合わないと感じた場合に、別の大学への転学した人のことを指しています。
将来の職業や働き方に学部・学科が必ずしも直接関わるわけではありませんが、中には専門知識が求められる職種も存在します。
たとえば、研究開発職などは理系の大学院を修了していることが必須となるため、文系学部に所属している時点で就職は叶いません。
将来やりたいことや進みたい道ができたとき、いま学んでいる内容が生かせないと感じた人が進路変更の手段の1つとして中退を検討するのです。
学業成績が不振で中退せざるを得なくなった
大学では規定の取得単位数に満たない場合は留年となります。
一般的に、4年制大学では留年は4回まで、つまりトータルで8年間の在籍を上限と定めています。
卒業するには規定の単位数を取得する必要がありますが、学業成績があまりに不振だと単位を取得できる見込みがない場合もあります。
留年している期間も学費はかかり続けますので、経済的な事情も相まって在籍できる期間に限りがある学生も少なくありません。
そのため、卒業できる見通しが立たないと判断した時点で中退するケースが出てくるのです。
こうした事態になる学生の多くは、そもそも講義にあまり出席しておらず、大学に通っていないことも考えられます。
実質的には大学に籍だけがある期間が続き、ある時点で卒業できる見込みがないと判断して中退するのです。
大学を中退して就職できるのか?
大学の中退そのものは、大学事務局へ申請すれば手続きを行うことができます。
ここで気になるのが、大学を中退した場合にその後の進路にどの程度影響が及ぶか、ということです。
進路について最も危惧されるのが就職でしょう。
大学を中退した場合、就職することはできるのでしょうか。
中退した場合の就職の扱いや、どのように就職すればいいのかを確認しておきましょう。
就職先を探す場合は「高卒」扱いになる
結論から言えば、大学を中退しても就職することはできます。
ただし、大卒と全く同じ条件で就職することは難しくなります。
大学生の就活は、人材を募集する企業側としては大学卒業見込みの人を想定しています。
つまり、大学を中退した人は対象外となるのです。
大学中退者が就職先を探す場合、一般的には「高卒」という扱いになります。
企業によっては高卒と大学中退者を区別し、高卒と大卒の中間に位置すると見なす場合もありますが、少なくとも大卒と同じ条件にはなりません。
そのため、就職時の給与条件が大卒よりも低く設定されたり、就職後の昇給や昇進において不利になったりすることも少なくありません。
一般的に、大学中退者は大卒者よりも生涯賃金が低くなる傾向があります。
アルバイトから社員登用してもらう方法もある
新卒と同じ条件で就職することは難しいと分かっているわけですから、そもそも大卒とは違ったルートで就職するという考え方もあります。
たとえば、大学中退後にアルバイトとして働き始め、一定期間をアルバイトとして働いたのち、社員登用してもらうという方法が挙げられます。
ただし、社員登用してもらうためには相応の能力と貢献度を認めてもらう必要があります。
アルバイトのままで差し支えない働きぶりだと判断されてしまえば、社員登用される可能性は低くなります。
中退後にアルバイトを始めるにしても、その職場で社員登用してもらいたいと思うのであれば、他のアルバイトよりも努力して貢献する必要があるでしょう。
また、アルバイトを積極的に社員登用する企業とそうでない企業がありますので、社員登用のチャンスがどの程度あるのか、アルバイトに応募する際に確認しておくことも大切です。
資格取得など学業以外の能力があれば就職は可能
近年、有名大学の卒業見込み者であっても就職が困難なケースが少なくありません。
企業としては学歴から学生の基礎的な能力を推測することはできますが、学業成績が優秀だった学生が社会人としても優秀とは限らないからです。
大学での専攻が仕事に直接生かせないこともめずらしくありません。
企業としては仕事の面で能力を持った人材に入社してもらいたいと考えるようになるのは自然な流れと言えます。
こうした事情から、専門性の高い資格など学業以外の資質を評価する企業も見られます。
大学を中退したことがどの程度マイナス評価になるかは企業ごとの方針によりますが、資格取得によって学業以外の能力があることを証明することで、就職への道が開けることもあるのです。
20代で正社員への就職・転職
大学を中退するなら考えておきたいこと
大学中退が将来に及ぼす影響は決して小さくありません。
やむを得ず中退を検討する場合においても、その後の進路や将来への影響をよく考えた上で、慎重に判断する必要があります。
間違っても「何とかなる」と勢いで大学を辞めてしまうことのないようにしましょう。
大学を中退する場合、事前によく考えておくべきことがあります。
ここでは、とくに考えておくべき2つのことについて解説します。
中退した後の人生設計やキャリアビジョンを明確にしておく
大学を中退しても生きていく方法はあります。
ただし、大学を卒業して就職する人たちとは別の進路を歩むことになると覚悟しておく必要があるでしょう。
大卒見込みの学生に対しては、就活のためのサービスや企業での受け入れ体制が整っていますので、ある程度はそのレールに乗っていけば就職活動を進めることができます。
一方、中退者にはこうしたレールが用意されていないため、自分で考えて行動しなくてはなりません。
中退後の人生設計をどう築いていくのか、働く上でのキャリアビジョンをどうするべきなのか、曖昧なままにせずよく考えておきましょう。
将来的にどうなりたいのかが明確になれば、目標に向かって取るべき行動も見えてくるはずです。
中退を負い目に感じるのであれば辞めないほうがよい
大学を中退したという事実は、その後ずっとつきまとうことになります。
就職する際に履歴書の提出が求められますが、履歴書には確実に「〇〇大学中退」と記載することになるのです。
中退していても大卒に負けない努力によって挽回して見せる、という気概があれば乗り越えられるかもしれません。
しかし、中退したことをゆくゆく負い目に感じ、長きにわたって引きずることになるようなら、大学を中退せずに卒業だけはしておいたほうが長い目で見た場合にメリットがあるはずです。
実際、大学中退者に対する世の中の目は決して甘くなく、卒業していないという事実が思わぬところで不利に働いてしまうことがあるのです。
こうした中退者に対する世の中の評価をどの程度負い目に感じる可能性があるか、よく考えた上で決断することが重要です。
この記事のまとめ
大学中退者は近年増加傾向にあり、多くの大学が中退者を出さないようさまざまな施策を打っています。
やむを得ず中退しなくてはならないような場合でも、奨学金や休学といった救済策が用意されている可能性があります。
あまり急いで中退という決断を下してしまわず、将来に及ぼす影響をよく考えた上で判断するようにしましょう。
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