アドミッション・ポリシーとは? 教育理念との違い・チェックするポイントを解説
その中でも大学ごとに公表している「アドミッション・ポリシー」は重要です。
アドミッション・ポリシーとは何か、受験生はどういった点をチェックしておくべきなのかを詳しく解説します。
アドミッション・ポリシーとは?どんなことが書かれている?
大学案内のパンフレットや各大学のホームページでは、大学の方針や理念について紹介されています。
いくつかの大学のアドミッション・ポリシーを実際に確認してみましょう。
アドミッション・ポリシーは各大学の「入学者受け入れ方針」
アドミッション・ポリシーとは、大学の「入学者受け入れ方針」のことです。
各大学は、教育理念や研究の方針など学校経営の目的や理想を掲げており、それらの目的や理想が大学ごとの特色となります。
言い換えれば「どのような人材を育てたいか」ということでもあります。
そのため、大学の理念に合った学生に入学してもらうことで、大学としては充実した教育環境を提供しやすくなります。
学生としても大学で学びたいことや達成したいことを成し遂げられ、双方にとって良い結果がもたらされるのです
ただしアドミッション・ポリシーはあくまで受け入れの「方針」であって、入学者の基準やレベルを示すものではない点に注意が必要です。
アドミッション・ポリシーから読み取れること
アドミッション・ポリシーには、大学が求める学生像が色濃く反映されています。
たとえば、国際的に活躍できる能力を持った人材を輩出したいと考えている大学では、「国外に広く視野を広げ」「グローバル社会に対応できる能力を身につけ」といった文言が入っていることがあります。
こうした大学であれば、将来的に国際的な活躍を目指したいと考えている人にとって最適な環境であることが分かります。
アドミッション・ポリシーを確認することによって、自分自身が将来に向けてどのように成長していけそうか、その方向性が自分の目指すものと一致しているかどうか、といったことが読み取れるのです。
アドミッション・ポリシーの具体例
- 本学が求める基礎学力と倫理観を備える人。
- 謙虚に学ぶ姿勢を有するとともに、自ら課題を発見し解決していく意欲にあふれる人。
- 「人に愛され、信頼され、尊敬される」前に、まず人を愛し、信頼し、尊敬することのできる人。
- 社会のニーズに対応できる実学や教養及び国際性を身につけたい人。
- 自分の得意分野を伸ばし、社会に貢献したいと考える人。
- 本学の建学の精神「権利自由,独立自治」に基づき,世界を見据えて自らの使命,役割を自覚し,他者との連携・共生をはかりながら,自らの「個」を確立できる学生
- 社会や自然における事象に広く関心を有し,数理科学の探究に挑戦する意欲を持つ活力にあふれる学生
- 人とのかかわりに積極的な姿勢を有し,人と社会に豊かさをもたらす新しい概念・価値観を生み出していこうとする意欲のある学生
- 知的好奇心にあふれ、未知のものにチャレンジする人
- 独創的な発想に富み個性豊かな人
- 人とのかかわりを大切にし、社会に貢献する人
- 向上心が強く努力を惜しまない人
アドミッション・ポリシーには大学ごとの特色が表れており、大学が求めている学生像を知る上で重要な手がかりになることが分かるはずです。
受験生が志望校のアドミッション・ポリシーを確認する意味とは?
受験生が志望校を決めるにあたって、その大学の情報を収集することは非常に重要です。
それぞれの大学にはイメージがありますが、イメージが独り歩きしてしまい、実際の研究内容や教育方針とは異なることも少なくないからです。
また、入学してから「希望していた研究ができそうにない」「想像していた校風と違う」といったミスマッチが生じるのを防ぐ意味でも、アドミッション・ポリシーの確認が必要です。
とくに次の3つの理由から、受験生は志望校のアドミッション・ポリシーをしっかりと確認しておくようにしましょう。
その大学の特色や教育理念、何に力を入れているかが分かる
近年は定員割れの大学が出てくるなど、大学としても学生を確保することは重要な課題の1つとなっています。
そのため、力を入れている分野や特徴的な教育理念といったように、各大学が特徴を打ち出しています。
特徴的な大学が増えるのは、学生にとって選択肢が多様化する反面、自分には合わない大学に入ってしまった場合、充実したキャンパスライフを送る上で支障をきたすこともないとは言えません。
アドミッション・ポリシーは大学の教育理念や注力している研究内容と密接にリンクしているので、どのような学生を求めているのかを知ることによって、結果的に「どのような大学なのか」が見えやすくなります。
アドミッション・ポリシーを見れば、その大学がどのような特色を打ち出しているのか、何に力を入れていこうとしているのかが分かり、入学後のイメージをより具体的にできます。
入学後に取り組む研究について大きな方向性をイメージできる
大学の講義や研究室での取り組みは、担当教授によって大きく異なります。
実際にどのような研究に取り組めるのかは、シラバスや指導教授を調べないと詳しいことは分からないのが実情です。
ただし、大学全体として取り組もうとしている研究の方向性と大きく異なる教授は、そもそもその大学に招かれていない可能性が高いと言えます。
学部や学科、所属する研究室によって違いはあれど、大学全体の方針を知っておくことで大きな方向性をイメージしやすくなるのです。
アドミッション・ポリシーは、大学の教育理念や研究方針とも密接に関わっており、入学後にどのような研究に取り組んでいくことになるのか、イメージをつかみ方向性を理解するのに役立ちます。
入学試験の方針や出題の傾向について知ることができる
アドミッション・ポリシーはあくまで入学者受け入れの方針であり、入学基準や試験実施の傾向を示すものではありません。
ただし、学生に求める能力と入学試験の方針は無関係ではありませんので、入学試験の出題傾向や出題方針についておおまかな方向性をつかむことに役立つ場合もあります。
たとえば、海外でも通用する人材を目指す学生を求めている大学であれば、英語力など語学の力を重視することは想像に難くありません。
文系・理系の枠を超えた総合的な知力を求めているのであれば、文系学部でも数学の試験を実施していることも考えられます。
アドミッション・ポリシーは入学試験の方針や出題傾向を示すものではないものの、それらと関わりのある大学の考えを知る上では手がかりになることがあるのです。
20代で正社員への就職・転職
受験生がアドミッション・ポリシーでチェックするべきポイント
アドミッション・ポリシーは大学の方針や教育理念など、さまざまな思いが凝縮されています。
チェックすべきポイントを押さえ、自分にとってその大学が本当に合っているのかどうかを確認できるようにしておくことが大切です。
どのような人物・能力が求められているのか
アドミッション・ポリシーは、その大学がどのような人物・能力を求めているのかを知る手がかりになります。
大学として今後どのような人材を輩出していきたいか、という思いのほかにも、大学が建学された経緯が深く関わっていることがあります。
これまでの卒業生が残してきた実績や、建学以来どのような理念を掲げてきたか、といったことに影響されていることが少なくないのです。
こうした大学ごとの特色が、いわゆる「校風」「学風」となって表れますので、そもそもその大学に自分は合っているのかどうか、馴染めそうかどうかを確かめる上で、手がかりの1つになるはずです。
卒業までにどのような能力を身につけられるのか
アドミッション・ポリシーには、各大学が力を入れたい分野や方向性がメッセージとして込められていることがあります。
その大学で学ぶことを通じてどのような能力を身につけ、卒業するまでにどのように成長できるのかを知る手がかりになるのです。
もし、自分が目指したい将来像についてアドミッション・ポリシーに全く触れられていないとしたら、志望校を再検討する必要があるかもしれません。
反対に、いろいろな大学のアドミッション・ポリシーを見ていく中で、これまで知らなかった大学の方針や理念に気づかされ、新たに志望校として選択肢に入ることもあり得るでしょう。
入試を通してどんな能力を確認しようとしているのか
大学は高等教育機関で、入学時点で一定以上の学力を身につけている必要があります。
アドミッション・ポリシーを注意深く熟読し、どのような学生を求めているのかを読み取る必要があります。
場合によっては、どのような能力を持った学生が入学してくることを期待しているのかが連想できることもありますので、入試でどのような能力を確認使用としているのを知るヒントになることもあるのです。
アドミッション・ポリシーとは?のまとめ
アドミッション・ポリシーは、大学としてどのような学生に入学してもらいたいかを示した方針です。
アドミッション・ポリシーをチェックすれば、志望校についてより詳しく知るきっかけになるのはもちろんのこと、入学後に身につく能力や知識をイメージする上で役立つでしょう。
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